市民環境研究所から
“水増し・ダンマリ・開き直り”の「滋賀方式」にストプを!
本格的な寒気が日本列島を覆い始めている。 前号でも取り上げた、滋賀県高島市の鴨川河川敷に不法投棄された木材チップをめぐる動きは摩詞不思議な展開を見せている。
本格的な寒気が日本列島を覆い始めている。 前号でも取り上げた、滋賀県高島市の鴨川河川敷に不法投棄された木材チップをめぐる動きは摩詞不思議な展開を見せている。
この問、テレビ局の追跡車両が克明に映像を撮り、その映像は翌日に放送された。その中で、滋賀県の担当者は、「搬出されたことは知っているが、どこにいったかなどについては、滋賀県の知る所ではない」と言った。河川敷に不法に投棄された危険な物資の撤去と行き先を滋賀県当局が知らない訳がない。
この不法な投棄事件への県の対処は支離滅裂であり、高島市安曇川町の住民を愚弄するものである。筆者も連名で滋賀県への要望書を提出し、情報の公開を求めたが未だ回答もない。嘉田知事はこの問、「不法投棄した組織、撤去を請け負ってくれた組織(善意の第3者),撤去された汚染チップの搬出先(県外)」のいずれも明らかにできません。関係者との約束ですから」と言い張るばかりである。
不法投棄されだのなら、河川敷の管理責任者としては告発するべきである。搬出先の住民はそのような汚染物質を持ち込まれ、どのように処理されるのかを知る権利がある。このような処理を行政だけの都合と判断で実行してよいのだろうか。
滋賀県の今回の措置は、大量に造られる放射能汚染チップの不当不法な処理方法を天下に広めるものである。このチップは放射能廃棄物として扱うべき濃度の放射能を含んでいる。すなわち、市民環境研究所の測定によれば12000Bq/kgの放射能を含んでいる。これを拡げて雨に当て、十分に水を含まぜれば、当然のこととして、kg当りのBq数は3分の1程度となり、一般廃棄物としての処理となる。これを行政責任者が認めたのが滋賀県の対応である。すなわち、なんとしても基準値である8000Bq/Kg以下に見せかけることによって、全国に高濃度の放射能汚染物を撤きちらす方策を示したのである。
その証拠に、嘉田知事は関係者を明らかにしないと明言した上で、「福島のひどい状況を考えれば、このようなやり方は認められるべきであり、批判は敢えて受けます。」と言つたあと「あなたは福島へ行ったことがあるの?」と記者を馬鹿にするように言放っ定。もはや「環境知事」などと言える存在ではなくなった。所詮、環境を食い物にして、行政の長になったとしか思えない。これからは、全国で、この滋賀方式の汚染廃棄物処理が横行するだろう。(石由紀郎)