神保町 昼食ニュース

2005年11月号

2005年11月3日記

ほっとわぁるど

 朝,ふだんより少し早めの時間に神保町を歩いていたところ,向こうから顔見知りのオバさんが歩いてきたので,会釈を交わした。
 ところが,それがだれなのかが,なかなか思い出せない。どこかの飲食店の人だと思うのだが,さて,どこの店の人だったか。考えているうちに,「お待っちどうさん」という口調まで思い出した。たぶん,比較的古くからある店だ。しかし,昼食のリストを眺めても,どれも違う。
 どこの人だったかをようやく思い出したのは3日後だった。夜ときどき行くが,昼はほとんど行かない店だったので,昼食のリストには出てこなかったのだった。

 今シーズンの昼食の「牡蠣始め」は,咸享飯店の「新鮮カキときのこのラーメン」だった。彩りのよい野菜(アスパラガス,にんじん,たけのこなど)と香りを生かしたきのこ(シメジなど)のうま煮の下に,半生の小ぶりのカキが10個も入っていた。週替わりの昼食のセット(\1050)のひとつで,点心と小さなデザートがついていて,味も栄養もバランスがよい。
 松翁でもカキそばが始まっている。ただし,前より値上がりして \1900 で,ふだんの昼食にという感じではない。隣のテーブルの人が,一口ごとに感激しながら食べていた。

◆ 開 店

 10月の新開店に出会ったのは,駿河台下の「ほっと亭」。駿河台下交差点から明大方向へほんの少し行ったところ,エチオピアの左隣にある。鶏料理の店で,10月20日に開店したという。店頭では弁当を売っていてかなりの混雑だったが,中はけっこう奥が深く,テーブルもカウンターもある。
 昼食は,鶏定食,親子丼,つくね重,鶏カツ重,みそカツ重というラインナップで,各\680。そのうちの鶏定食を食べた。スライスの鶏の照焼煮(?),そぼろの鶏,炒り卵が乗ったお重で,それぞれきちんとした味だが,鶏が冷たくなっていたのはちょっと困る。

 新開店ではないが,初訪問したのは,駿河台下交差点を挟んで上記ほっと亭と点対称の位置(小川町3-3)にある「わぁるど」,元はとんかつの庄太郎,今はフレンチのジョワがあるビルの2階で,前はカラオケスナックだった場所である。中華飲み屋で,昼食は8月末から始めたという。
 メニューは,炒飯(\550),麻婆豆腐(\600),卵ときくらげの炒め(\700),肉野菜炒め,青椒肉絲(\750)などでけっこう多彩。麺類はなく,炒め物勝負である。天鴻餃子房以外ではあまり見かけないジャガイモ細切り炒めもあった。

 専修大学の交差点から西へは,源興號以外あまり行かないが,久しぶりに九段下方向へ歩いてみたら,いくつか新しい店があった。そのうちのひとつ,靖国通り南側のもう九段下交差点に近いところに「満足亭」というまぐろ専門店があった(神保町3-5あたり)。
 メニューは,まぐろ丼,づけ丼,中落ち丼,ミックス丼,ばくだん丼,ステーキ丼,中トロ丼などで,\550ぐらいから。行った日は温かいが食べたい気分だったので,ステーキ丼(\900)にした。適度な甘みのたれがかかり,野菜もあって,バランス良好。他の人が食べているマグロ丼も,さすがに安いマグロ丼チェーンより格上のようだった。

◆ その他の動き

 先月号で書くべきだったことだが,すずらん通りの三省堂書店向かいの「中華食堂ちりめん亭」が8月末ごろ閉店した。2月にラーメンのちりめん亭を改装てから半年ほどだった。「近日開店」という貼り紙がしてあるが,何が近日開店するのかまだわからない。
 すずらん通りでは,食べ物屋ではなく,また半年以上前のことだが,冨山房ビルの向かいに昔からあった「トマス外国語学院」が3月末で閉鎖になっている。

 これも少し前だが,スタバの左の道を入った右側の「鉄板焼きぐるめ 橋」が閉店となり,「貸店舗」の貼り紙が出ている。となりの定食の「橋」は健在である。

 先月書いた「がんこラーメン康・雅・賢」の昼食セットは,その後,麺(醤油・塩・塩つけめん)に,中盛(1.5玉)・大盛(2玉)・味玉・ライスのいずれかをサービスして\700となった。醤油にはあっさり・こってり・中間という段階があり,またトッピングとしてのり,メンマ,ナムルもやしなどがメニューに加わった。細かいところはあまりがんこではないということか。


 別館のブログページに,神保町の70年代の食べ物屋のことを,ぽつりぽつりと書いていくことにした。
 第1回は VANカレー,第2回は達磨鮨をとりあげた。

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