神保町 昼食ニュース

2000年7月号


  開店: じねんじょ 大戸屋 こんごう庵
  閉店: シャンティマヤ
  初訪問・新メニュー: 川松 一休 たつ屋

  [新設] 「再開発」問題ミニ・リンク集

2000年6月30日記  

なお営業中

なお営業中

千代田通りから63番地
方面を見る
(26日)
57番地北東角から南西を見る
上 6月5日/下 6月14日
(写真をクリックすると大きい写真へジャンプ)

 神保町1丁目南地区「再開発」対象地域の飲食店の動きはなく,出雲そば,えーわん(おでん;昼食はなし),松寿庵(そば),カラコルム(喫茶)がたくましく営業を続けている。

 出雲そばは,隣接の建物がなくなって一軒家となり,孤軍奮闘という趣だが,いずれ,少し北の再開発地域外に建設中のビルに移転する予定だという。
 すずらん通りのすぐ南の路地の,もと「ジロー」があった建物のドアに,「本家出雲そば事務所」という表示がしてあるのに気づいた。

 飲食店以外の店舗も,床屋(イイムラ),畳屋,酒店(阿波屋),文化信用本店などが営業中だが,そのうちのひとつ,花屋の「花豊」が,「8月に仮店舗に移転し,建設完了後は新ビルに入居する」という趣旨の貼り紙を出した。

お山の大将

 取り壊しも,最初のうちはすぐに更地になって,工事関係の駐車場になったりしていたが,このごろは大きい建物が多くなったせいか,後がなかなか片づかない。瓦礫の山の上にショベルカーがちょこんと載っていたりする。「お山の大将」という感じだが,実は動きがとれないのだろう。
 取り壊しが終わったところのうち,東寄りの方に新しい鉄骨の枠がいくつか建ち始めている。仮設店舗らしい。


◆ 開 店

 神保町2丁目の靖国通りの1本北側の道に,「薬膳カレー・居酒屋 じねんじょ」という店ができた。5月8日に開店したという。神保町はカレー屋も多彩だが,薬膳カレーというのは初登場である。
 ガラス越しの1階にある明るい店内は,緑が多くて温室のような感じで,カウンターとテーブル席がある。昼のメニューは,夏野菜,鶏肉,海鮮の3種類で,850〜900円となっていた。鶏肉薬膳カレーを食べてみたところ,比較的マイルドで,なるほど複雑・玄妙ではあるが,カレーとして非常に変わったものではない。考えてみれば,カレーに使ういろいろなスパイスは,そのまま漢方薬になるものがほとんどだから,それでなくとも,もっとも薬に近い位置にある食べ物なのかもしれない。

 駿河台下交差点からお茶の水方向へ上がりかけてすぐの左側,キッチン「カロリー」の手前の地下に,「大戸屋 神田駿河台下店」ができているのに気づいた。チェーンの定食屋で,「昭和33年に50円食堂として始まった」という掲示がある。たぶん池袋東口がその「発祥の地」だと思うが,近年店が急増しているようだ。
 メニューは多く,サイドオーダーの小鉢がいろいろあるのがありがたい。「玄米コロッケの湯葉張り椀と冷や汁うどん」という珍しいおかずの定食を食べてみた。関西風の味付けで,このあたりの定食屋としては異彩を放っている。640円は十分にお買い得。なお,ごはんは,普通のごはんの大盛り・少な目のほか,ひじきごはん(50円増し),とろろごはん(60円増し)を選択できる。
 セルフサービスで50円のコーヒーもある。飲み放題ではあるが,一応エスプレッソだからそうたくさん飲むわけにもいかないだろう。

 先月号で触れたように,1丁目の靖国通り北側1本目,ランチョン裏の角の「ジロー」のあったところに,「ソバ・食事処 こんごう庵」が6月10日に開店した。夜は「そばもある居酒屋」になるらしい。
 ランチは「その一 へぎそば(エビ天つき) \1350」「その二 天そば(天ぷらそばではなく,天丼とかけそばのセット) \850」「その三 すし定食(にぎり寿司となめこソバ) \950」の3種。へぎそばは,越後風の海苔の入った緑がかったそばが大きい四角いざるでたっぷり出てきた。
 行ったのは平日の昼の営業3日目の水曜で,店員さんも厨房もまだいろいろ混乱していた。聞いてみたら,他の品もできますというが,3種のランチ以外のメニューはどこにも出ていない。一見して選択肢が少ないということになると,近くのそば・居酒屋のチェーンの先輩の「高田屋」に対抗していくのは難しいのではないだろうか。

◆ 閉 店

 昨年,「昼食さまざま」の中の「カレー屋3軒」に書いた「シャンティ・マヤ」が4月末に閉店した。「3年間お世話になりました」という挨拶がドアに貼ってある。

 「一時閉店中」だった「智爺坊(ちゃぼ)」(「ラドリオ」のある横町) が,夜は営業を再開した。しかし,昼はなお休業中である。

◆ 初訪問・新メニュー

 古くからある店だが,錦華通りの一本東の通りにある鰻屋「川松」に初めて入ってみた。1階はテーブルで,2階へは靴を脱いで上がるようになっている。鰻重の最低は「竹」1900円,いかにも江戸風の濃いめの味である。
 専修大学の交差点の東南のブロックの地下鉄の入口を下りたところにある居酒屋「一休」が,去年あたりからか,昼食をやっている。和風の定食が3〜4種類と,弁当,カレーがある。行ってみた日の「一休弁当」は,鶏肉唐揚げの南蛮風と焼いたアジの半身で,質・量ともなかなかのものだった。

 すずらん通りの牛丼屋「たつ屋」で,「あさり丼」がメニューに出ている。深川丼のようには煮込まないで,ぷくぷくした感じにさっと煮て卵でとじてあった。並400円,うどんがついて600円のセットもある。


「再開発」問題ミニ・リンク集

逢坂剛・鹿島茂両氏の対談「神保町よ,永遠なれ」
 このサイト2月号で紹介した対談の全文が,三省堂のサイトの「三省堂ぶっくれっと」のページに掲載されている。3回にわたる対談の後ろの方で,地域住民へのあきれた「説明会」の様子を逢坂氏が語っている。
「公的」資料
 千代田区議会だよりに,1999年11月の区道廃止条例可決の報告がある。
 千代田区街づくり推進公社のページの「開発」の中の「再開発」のページにごく簡単な概要あり。ただし,かなり古いもの。
書籍取次店の街「神田村」関連
 出版労連のサイトに「神田村再開発問題」のページがあり,昨年秋の区議会の様子が簡単に紹介されている。
 出版の業界紙『文化通信』のページでも,ときどき話題になる。

[News]
このホームページが,『日経ネットナビ』6月号の町の
情報ガイドのページの神保町の項で紹介されました。


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