ザ・スーパー忍II
機種 メガドライブ ステージ数 7面
発売元 セガ ライフ制 あり
開発元 セガ 残機制 あり
発売日 1993年7月23日 コンティニュー 3回
定価 6,800円(税抜) パスワード なし
プレイ人数 1人 難易度選択 あり
ストーリー
敵キャラクター
基礎知識
ROUND 1
ROUND 2
ROUND 3
ROUND 4
ROUND 5
ROUND 6
ROUND 7
エンディング
使用曲一覧
トリビア



『ザ・スーパー忍II』とは

 『ザ・スーパー忍II』は1993年7月にメガドライブで発売された。1989年の『ザ・スーパー忍』から実に4年の歳月を経て制作された直接的な続編である。ストーリーは前作の数年後、真の支配者シャドーマスターの下で復活を遂げたNEO ZEEDと、修行の旅を終えたジョー・ムサシの最終決戦が描かれる。
 この『ザ・スーパー忍II』をシリーズ中最高の作品と考える人は多い。大ヒットした前作『ザ・スーパー忍』のよい部分を損なうことなく、新たなアクションが多数追加され、仕掛けや演出面もパワーアップしている。まさに、前作の名声を受け継ぐにふさわしい傑作だ。
 ディレクターの伊藤知行、作曲の村崎弘史ら、『ザ・スーパー忍II』の開発スタッフはメガソフト所属である。もともとセガの外注会社で、メガドライブ版『JuJu伝説』などを開発していたサントスが、1991年12月にセガ100%出資子会社のメガソフトとなり、その後1992年11月にセガに吸収合併されている。

ラウンド1ボス、「ガードロブスター」。シリーズお約束の鎧武者だ。手裏剣だと12発も必要だが、新アクションのダッシュ斬りを使えばわずか4発で倒せる。

ラウンド2-1。愛馬“紅”を駆って古戦場を突き進む。簡単なのでボーナスステージ的だが、疾走感あふれるBGMが最高だ。ちょうど曲が1ループしたところで終わるのも絶妙。

多彩かつスピーディーなアクション

 『ザ・スーパー忍II』は基本的に前作『ザ・スーパー忍』のシステムを踏襲しているが、よりスタイリッシュなアクションが追加されている。中でも大きなものはダッシュ移動で、これによりゲームの進行が格段にスピーディーになった。また、そこから繰り出すダッシュ斬りは攻撃力が高い上に無敵時間があるため、敵をバッサバッサと斬り捨てながら、ステージを爽快に駆け抜けることができる。それ以外にも、飛び蹴り、三角跳び、ぶら下がりといったいかにも忍者らしい新アクションが加わり、さらに刀による防御も自由にできるようになった。
 『ザ・スーパー忍II』の素晴らしい点は、これらの多彩なアクションを使いこなすことで、プレイヤーそれぞれが自分なりの攻略法を追求できるところだ。例えば、遠距離から手裏剣を投げるか、近づいてダッシュ斬りで両断するか。はたまた、敵の攻撃を刀で防御するか、ジャンプでかわして飛び蹴りを叩き込むか。安全な攻略や美しい攻略など、ひとつの局面に対して取れる選択肢が多く、自由度の高いアクションが楽しめるのだ。

ラウンド3ボス、「ハイドラ」。巨大な顔はラスター処理で不気味に波打ち、本作でも一二を争うインパクトを持つボスだ。かなり手ごわく、最初の壁となる相手だろう。

ラウンド4ボス、「フライングタンク」。ジェットボード“永瀬”に乗り、海上での高速バトルが展開される。まさにシューティングゲーム感覚のステージだ。

前作『ザ・スーパー忍』との違い

 『ザ・スーパー忍II』では、馬やサーフボードによる強制スクロールのステージも加わった。このスピード感あふれるシーンはゲーム展開にメリハリを与えるとともに、「もはやまったく忍んでないじゃん」という、『忍』シリーズらしい破天荒さも表現していた。
 また、前作『ザ・スーパー忍』は映画やコミックのパロディーキャラクターが大量に登場したが、後にグラフィックを修正する事態に発展したせいか、本作では「メカゴジラ」に似たボスが出てくる程度である。この点で、前作よりもインパクトやいかがわしさが足りないという指摘もあったが、その代わり本作ではバイオモンスターや巨大メカなど、SF的な要素が強くなっている。迫力の増したグラフィックも相まって、現実を超えた面白さは健在だ。
 難易度は前作に比べると低めに抑えられており、とても遊びやすい。ただし後半ステージのマップデザインは、前作にはない難しさがある。一見とても進めないような複雑な地形を、三角跳びやぶら下がりなどの新アクションを駆使して攻略しなければならないのだ。

ラウンド5-1。火の海となった森をバックに、次々に爆発する燃料タンクを、地雷原を、ダッシュで駆け抜ける! 背景、音楽、展開、すべてが「熱い」ステージ。

ラウンド5ボス、鋼の魔獣「メガザウルス」。前作は勝手にゴジラを登場させて問題になったが、懲りずに今回はメカゴジラを出してきた。見た目も攻撃もド派手なボスだ。

発売延期とクオリティーの向上

 『ザ・スーパー忍II』は1991年末に発表され、当初は1992年に発売される予定だった。だがゲームの完成度を高めるため、セガは発売延期を決断し、最終的に1年後の1993年7月に発売された。後に本作ディレクターの伊藤知行は、「途中まで組み上げたステージをプレイして面白みに欠けると感じ、開発スタッフで話し合い全ステージを作り直すこととしました」と語っている。具体的には、ダッシュ、飛び蹴り、三角跳びといったスピーディーな新アクションを生かすため、ステージ全体を2倍以上の広さに拡張したのだ。
 事実、この時点でゲームの大部分は一度完成していたようで、当時のゲーム雑誌には製品版とはまったく異なるステージやキャラクターの画面写真が多数掲載されていた。海外のゲーム雑誌では発売前のレビューまで行われていたが、この時点での評価はあまり芳しいものではなかった。そのことを考えると、セガの大胆な決断は正しかったといえるだろう。最終的に『ザ・スーパー忍II』は、名作『ザ・スーパー忍』の続編という名に恥じない、見事な完成度を持って世に送り出されたのだ。

ラウンド6-1。最後の2ラウンドはぐんと難しくなる。強制縦スクロールで、落下する岩を飛び移っていく。当然落ちたら即死なので、八双飛びを確実に出せないとお話にならない。

ラウンド6-2。前作の終盤にもあった迷路。ルートは前作ほど複雑ではないが、その代わり地形がトリッキーで、八双飛び、三角跳び、ぶら下がりなどの正確な操作を要求される。

古代祐三に負けないサウンド

 『ザ・スーパー忍II』の音楽を手がけたのは、メガドライブ版『ああ播磨灘』の「播磨体操第一」の作曲者としても有名な村崎弘史である。前作『ザ・スーパー忍』の古代祐三は本作には参加していないが、村崎をはじめとするサウンドチームは前作を超えるべく日夜努力し、最高にエキサイティングな音楽を作り上げた。全体としては和風フュージョンといった雰囲気を狙いつつ、ステージ1の曲をメインテーマにして、それを各ステージの雰囲気に合わせてアレンジを変えるという、映画音楽の手法も取り入れている。
 実は『ザ・スーパー忍II』では、ステージができる前に曲が先行して完成しており、前述したステージの作り直しの際、これらの曲がイメージを膨らませる役目をも果たした。馬やサーフボードなどの高速アクションはもともと想定されていないステージだったが、アップテンポでスピーディーな曲が事前に作曲されていたことで、これらのステージが生まれたのだ。当然、曲をもとにステージを開発しているため、ステージとBGMのマッチも完璧だった。

ラウンド6ボス、「白獅子」。前作の最終ボス、マスクド忍者のクローン。最初に現れる影武者を倒すと、桜の花びらとともに本体が登場する演出が秀逸。

ラウンド7-1。ラストはNEO ZEEDの空中要塞で、敵はすべてメカ。ジェット噴射をかわしながら要塞の外壁を渡っていくシーンは、本作を代表する名場面だ。

『忍』シリーズの頂点

 『ザ・スーパー忍II』は内容がこれだけ素晴らしかったにもかかわらず、批評家からは前作『ザ・スーパー忍』ほどの評価は得られなかった。理由のひとつは、前作から時間がたち過ぎてしまったことだろう。前作はメガドライブ初期の名作だったが、本作が発売された1993年はメガドライブ発売からすでに5年が経過し、業界全体でも優れたアクションゲームがいくつも登場していたため、前作ほどの新鮮味はなくなってしまったのだ。また残念なことに、発売当時から作品自体の内容ではなく、音楽が古代サウンドでないことばかりが喧伝された。
 だが、これらは本作の賞賛すべき完成度とは無関係だ。メガドライブが好調だった海外では、『ザ・スーパー忍II』は史上最高のアクションゲームのひとつと見なされており、『ザ・スーパー忍』より好きだという人も多い。議論の余地はあるだろうが、メガドライブの性能を限界まで引き出し、ジョー・ムサシ最後の活躍を描き切った『ザ・スーパー忍II』は、多くの意味で『忍』シリーズの頂点だったといえるだろう。

ラウンド7-2。最後は何と敵は一切現れず、デストラップ満載の要塞内部を進んでいく。とことん陰険な地形だが、すべてのアクションを使いこなせば活路は見いだせる。

最終ボス、「シャドーマスター」。ムサシと同じ技に加え、波動拳や昇龍拳まで使う。普通に戦うと非常に強いが、微塵の術でゴリ押しができる分、クリアは前作よりも楽。



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