A-JAX(エー・ジャックス)
アーケード / コナミ / 1987年12月
ストーリー 1 STAGE [2D]
遊び方 2 STAGE [3D]
キャラクター 3 STAGE [2D]
使用曲一覧 4 STAGE [2D]
開発コメント 5 STAGE [3D]
コミック 6 STAGE [2D]
トリビア 7 STAGE [2D]
8 STAGE [3D]
エンディング





 『A-JAX(エー・ジャックス)』は、1987年にコナミから発売されたアーケード用シューティングゲームだ。2D縦スクロールステージと3Dステージの2種類のステージで構成され、2Dステージでは超音速ヘリ「トム・タイガー」、3Dステージではジェット戦闘機「ジェリー・マウス」の2機に乗り込み、敵を撃破していく。当時としては画期的なVRAM回転・拡大・縮小機能を搭載し、大迫力の3Dステージをはじめとするド派手な演出が売りであった。海上より回転急降下爆撃する3Dステージで、ぐんぐん眼下に迫る敵巨大空母には誰もが驚かされたものだ。
 本作のディレクターは『魂斗羅』のプログラマー・岡本覚が務め、『グラディウス』『魂斗羅』のデザイナー・中村健吾も参加している。そして、古川もとあきによるサウンドはオーケストラヒット、サンプリング効果音等を過剰なまでに多用し、とにかく派手でノリがいい。力強さや猛々しさだけでなく、プレイヤーに勇気と希望を与えてくれるような、明るく爽やかな曲調は、まさに往年のコナミ矩形波倶楽部を象徴している。『A-JAX』をあまりプレイしたことのない人でさえ、そのサウンドには手放しの賞賛を与えるほどの名曲ぞろいだ。
 本作が1987年のアミューズメントマシン(AM)ショーで発表された時点では、ボディソニック内蔵のコックピット筐体も注目を集めた。レバーは操縦桿タイプで、撃ち落とされるとコントロールパネルが振動するようになっていた。だがリリース直前になって、このコックピット筐体は中止され、結局通常の基板販売のみとなった。
 ゲーム性、キャラクター、サウンド3拍子そろった『A-JAX』は、当時のヒットゲームとなった。だが、自機のパワーアップが強力で爽快な反面、「当たり判定が大きめ」「誘導弾の嵐」「鬼のように強い4ボス&6ボス」など、難度はやや高めだった。また、発売直前で仕様変更があったり(例えば、インストラクションカードには「★印のパワーアイテムを取るとスーパーウェポンの使用弾数が増える」「オプションは2機まで付く」といった記述があるが、どちらも実際の製品版にはない)、調整不足のまま急いで発売してしまった感は否めない。特に惜しまれるのが、何もない所で自機が突然死してしまう有名なバグの存在だ。
 だがそれでも、『A-JAX』は当時のコナミの意欲を感じさせる力作であり、紛れもない傑作だ。確かに多少荒削りだったかもしれないが、それを補って余りある爽快感と、ユニークなアイデアが満載だった。敵キャラの攻撃方法は他のゲームにない個性的なものばかりで、面の雰囲気もステージごとにがらっと変わる。敵の正体が実はエイリアンで、最終決戦ではジェット機で宇宙に飛び出してしまう、というスケールの馬鹿でかさも最高に熱い。いかにもコナミらしい、いやコナミにしか作れない! 硬派でエンターテインメント精神あふれるシューティングだった。今でもこのゲームが大好きだ、という人は多い。
 『A-JAX』の移植版は、1989年にX68000で発売されただけだったが、アーケード版から実に28年後の2015年、PlayStation 4のダウンロード専用タイトル『アーケードアーカイブス』で、ついに家庭用ゲーム機への初移植が果たされた。



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