2002年3月

いちめんのなのはな

 銀座8丁目のはずれ、築地と汐留に接する辺り。新大橋通りの歩道橋を渡ると、「浜離宮」に入る。

 住所は、「銀座」ではない。「築地」でもなく、「新橋」でも「汐留」でもない。「東京都中央区浜離宮庭園1−1」である。

 正式名称は「浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)」。徳川将軍家の別邸として「浜御殿」と称された江戸時代の代表的な大名庭園である。

 「回遊式潮入築山泉水庭園」の名の通り、池に海水を導き、潮の満ち干により池の趣を変えて風情を楽しむのだそうな。(潮入の池)

 沿革については、入園時にもらえるパンフレットと入場券に詳しく書かれている。

 入園料 300円(2002年3月現在)
 開園時間 9:00〜17:00
 休園日 年末年始(12/29〜1/3)


 この「浜離宮」の「お花畑」という場所に、毎年春になると菜の花が咲く。

 昼休みにブラッと行ってみた。
 菜の花畑に近づくと、強烈な花の香りが鼻を突く。

 銀座4丁目の交差点から普通に歩いて15分位の所に、「いちめんのなのはな」。

 山村慕鳥の「風景(純銀もざいく)」が頭の中をかけめぐる。

 いちめんのなのはな
 いちめんのなのはな
 いちめんのなのはな
 いちめんのなのはな
 いちめんのなのはな
 いちめんのなのはな
 いちめんのなのはな
 かすかなるむぎぶえ
 いちめんのなのはな

 開発中の汐留地区には建設中の高層ビルが、頭の上にキリンの首のようなクレーンを載せて、日毎に成長している。

 来年のこの場所からの「風景」はどうなっているだろう。

 ひばりのおしゃべりはきこえない。

浜離宮

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