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AMTT-519(L) 士魂号(L)
本物の士魂号。6輪の装輪式戦車であり、120mm砲1門を回転砲塔に装備する。
走破性を高めるために装備された大きな車輪が特徴。
また、この車輪の前後4つは可動式であり不正地での可動性を高めている。
ガスタービンエンジンを装備し、その出力は2000馬力。重量は38t。
過去の防衛戦争の経験から、街中での使用を前提に設計され足回りに装輪式を導入している。路上最高時速は90km。
九州各県が次々と陥落する中、熊本が未だ粘れているのは、この優秀な中戦車あってのことであろう。
総生産数は各形式合計で840両。
※「不正地」は原文のまま。ホントは「不整地」。
AMTT-519{M}
<ザ・スピリットオブサムライ>
日名:士魂号M型
同名で有名な士魂号L型と共に生まれたもう一つの、そして異端児たる士魂号。
なにが異端児であるかといえば、それはひとつに集約される。つまり人型だったのである。
身長8mの巨人であり、単座、つまり一人で操縦する。どうやって当時の人間が機体を単座化できたのかは、今でも大きな謎である。
ウォードレス兵では荷が重く、重火砲や通常型戦車では補足不可能な…すなわち、ほとんどの中型幻獣を相手に善戦し、一体で敵400体以上を撃破するという未曾有の戦果を打ち立てた。
あらゆる種類の武器を使い、その「針の先ほどの機体に戦艦並みのパワー」とたとえられる圧倒的な機動力で高度な三次元戦闘を行い、さらに任務に応じて装甲から武器・補機類まで一切変える、これは人型の優位点を極限まで突き詰めた機体である。
整備性が非常に悪く、また故障が多かったために完動する機体は少なく整備士泣かせと言われていたが、対中型幻獣の切り札として実戦に投入された。
生産数は192機 完成51機
正式名称はほとんど使われる事がなく、一般に士魂号の複座型と呼ばれる。
元々は士魂号の複座練習機として作られたが、後、様々な戦闘支援機器を搭載して士魂号の直接協力機として小数機が改修され、前線部隊に就役した。
支援機器の増加に伴う膨大な情報処理をおこなうためのオペレーター席として、複座練習機の後席はうってつけだったのである。
各種の装備および、二人分のコックピット容積を確保する関係から、ボディがかなり巨大になっておりこれが外見上の特徴になっている。
性能的にはボディの重量増加のため、単座より機動力の点でかなり劣る。
単座と比べて10倍の情報・電子機器を装備し、また専門のオペレーターを一人搭乗させることで、情報処理能力はかなり高いポテンシャルを持つ。
騎魂号には同じボディから2つのまったく違ったタイプが存在する。
一つが短射程ミサイルを大量装備した突撃仕様機。もう一つがジャマーやスモークディスチャージャーなどを装備した電子戦仕様機である。
両機種とも士魂号を良く支援し、戦場で活躍した。
生産数は突撃仕様が6機。電子戦仕様が2機。
AMTT-526
<ウイングオブサムライ> 日名:士翼号
日本的美学を追求して開発された戦車AYMM-519(M)の成功を受け、機動力と攻撃力を最重要視し、量を圧倒する性能を持って戦場に君臨する「王」として開発された人型戦車。
性能的には額面通り、最強最高の兵器であったが当然整備は絶望的に難しい上に手間がかかったため当然ながら量産されずわずか一機が試験生産されたに止まる。
前作の士魂号よりは筋肉質だが、胴が細いという特徴はうけついでいる。
コックピットを背に配置しているため増加燃料槽の装備はできなかった。
MTCT-520 B式戦域集中指揮車
最初から戦車指揮車として開発された軽装甲車。
シャシーは士魂号…519(L)と同じ物が使われていて、一機で八機(二個戦車小隊)の指揮が可能である。
軽装甲車とはいえ戦車と共有のシャシーを持つため、車体はかなり大型で6輪車となっている。
外見的には装輪の内前後4つが可動式で、不整地での可動性を高めているのが特徴である。機体上面には大型の無線アンテナと25mm機関砲の開放回転砲塔を持つ。
また、避難誘導用に外部スピーカも装備する。路上最高時速は105km。
実戦時、オペレーター達はウォードレスを着用し、五感以外に左手にソケットを差し込む事で、「共有感覚」を用いて膨大な情報を処理した。
生産数は72機。
モコス1型/2型 熊本の意地
形式名称 MMD-001A/B <式神号>
その名を頑固者という意味の熊本弁、モッコスから取られた小型駆逐戦車。
もっとも、式神号の名前を使っている者は非常に少ない。
軽ホバー輸送装甲車<八式>のシャシーを原形に、2ヶ月という期間で開発から実戦投入までを行った伝説的な小型駆逐戦車である。
小さなボディに、つけられる限界までの分厚い装甲を装備し、旋回砲塔を外して空いた上面に士魂号(L)の120mm砲を無理矢理装備したという機体で、外見はかわいいデザインの戦車となった。
ホバー戦車であり、20cm程度の極低空を這うように走る。最大自足は30kmで同時代のどの戦車より遅い。砲の旋回もできない。
最大仰角は10度である。
元々、軽輸送車を重戦車にするアイデア自体終わっている感じがする機体であったが、拠点防衛戦に使う分には十分な装甲と火力を持っており、また量産性が非常に高いこともあって不足する士魂号(L)の埋め合わせとして500両以上が生産された。
生産工場から戦場まで10kmといった状況では機動性自体あまり問題にされなかった。
頑固者の名の通り、一度居座ったらしぶとく生き残り、120mm砲を撃ち続け、ぶっ壊れた後も盾として使われるという恐ろしい戦車であったため、この戦車に命を救われた戦車は多かった。
本機は511両生産された。
※「最大自足」は原文のままですが、ひょっとしたら「最大時速」だったりするかも。
万能輸送ヘリ<きたかぜ>
日本がロシアとの技術提携によって完成させた大型の万能ヘリコプター。
機体が短いM型と、長いL型の2種が存在する。兵員輸送から攻撃まで、幅広く使用されるプラットホームとして開発され、日本の電子技術とロシアの堅牢な機体設計技術が見事に融合した美しい機体と評される。
その上面には二重反転メインローターを装備し尾部ローターを持たない。
また、格納時にはローターを全て後方にまとめることが出来、格納スペースを減らす事に成功している。
16名の乗員を運ぶ輸送型は<きたかぜ1>と呼ばれ、25名が輸送できる<きたかぜ1改>と共に量産された。
両者とも機体下面にカーゴフックを備え、5トン程度の貨物を吊り下げて運ぶことが出来る。
武装型としては<きたかぜ2>があり、これらは20mm機関砲・7.7mm機関銃・32発のロケット砲・8発のミサイルなどが装備可能である。こちらも兵員輸送能力は保有するが、運べる人員は4名に制限される。
また、本機には戦車部隊との共同作戦機として開発されたバージョン<きたねこ>があり、これはローター上に各種センサー類を収めた百葉箱と呼ばれるセンサーサイトと強力な無線を装備して、敵地を観察、着弾データや敵の動向・タイプなどを戦車部隊や砲兵部隊に送ると言う任務につく。
そう、本当にこの機体は設計通り万能機として使われたのであった。
リードアウト −その名は「可憐」
熊本鉱業高校が開発した、日本を代表する重ウォードレス。
「可憐」という名前とは対照的に、恐ろしくいかめしい姿をしている。
今次の防衛戦争前に開発されたドレスの中では最高の性能を保有する。
人工筋肉と逆フィードバック理論を利用した二本の人工腕を持ち、これを自在に扱って戦う姿は阿修羅を連想させる。
非常に重量があり、故に目立った機動力はないが、それを補う豊富な武器装備が可能であり、単横陣による制圧前進をもっとも得意とする。
その重武装は突出しており、初めて公表された時には開発関係者をあっと言わせた。
当時のどこを探しても、7.62mm重機関銃を4門装備できるドレスはなかったのである。
かわりに機動力および防御力は低く、また航続性能も低いと評価された。
もっとも、それを補うだけの攻撃力があったので、それらは大した問題になりえなかった。
本機の乏しい機動力を補うために、通常はどの部隊も歩兵戦闘車とリテルゴルロケットを装備している。
ここまで見ても分かるとおり、本機の高性能は一般にウォードレスにもっとも必要とされる性能であるところの機動力を、きれいさっぱりと切り捨てた点が大きい。
これは熊本人の気質か、兵器全般に言える傾向である。
本機はその優秀性から、はやばやと熊本の各高校に輸出・ライセンス生産が行われ、数々のバリエーションを生んでいる。
バリエーションの中でも特出されるのが、開陽高校が独自に開発した、単機で中型幻獣と戦うことが出来るように出力と武装・安定性を改良した対戦車戦特別型<D>タイプで、<突撃型D><ストライカーD>と呼ばれ、実際に中型幻獣戦に運用された。
この機体は重量比から過剰とも言える火器であるところのフルスケールリニアキャノンを二門装備し、前面に装甲楯を装備したタイプである。
この機体の運動力は数々の改修で落ちているため、小型幻獣戦闘力は低く、これを補うために通常型と混ぜて使われた。
通常型可憐7機が小型幻獣の露払いをする中、本機が突撃を行ったのである。
その他有名なバリエーションとしては、本国仕様といわれる前期量産タイプAがある。
これは、後の量産型より複雑な機構を有し、脚部を強化。楯と象徴的な2本の軍刀を装備する騎士の様なシルエットをしている。
量産向きでない部品を多用しているものの、性能はA型より高い。
このバリエーションだけは供給されず、本家の熊本鉱業高校だけが装備した。
特に熊鉱生徒会役員だけが持つ5体の純白の<可憐A型>の強さは伝説的であり、これが戦場に現れた瞬間、全軍の士気は沸騰したとされる。
もっとも、現在ではこれら可憐の強さを宣伝するためのプロバガンダという説が一般的で、巷でかかれるように秘密兵器が装備されたことはなかったようである。
リードアウト −不運の凡作
特徴的な兵器が多い熊本としては、珍しく平凡なウォードレスであり、どこをとっても特徴が無いのが特徴という、機体である。
本機は元々、十六連合による次期兵器開発計画「八計画」にある高機動型のウォードレス仕様に沿って開発をまかされた開陽高校が開発したものである。
計画通りにいけば、<アーリィ・フォックス>に並ぶ、高機動型ウォードレスになるはずであった。
ところが、本機にあわせて開発されるはずだった肝心の新型強人工筋肉の開発に失敗してしまい、予想通りの機動性能に達しえずに平凡な機体性能になってしまったという経緯がある。
しかし、その堅実だが良く練り込まれている、完成形に近い機体設計そのものは優秀で、その性能に人工筋肉がついてこれないのは不運の一言につきる。
結局連合軍としては採用せず、戦車兵用として、また小型幻獣戦専用機として開陽高校が装備したに止まった。
歩兵部隊からはそのパワー不足を指摘されて、早々と「可憐」などに活躍の場を奪われていったが、戦車兵からの評判は非常に良く、他校の戦車部隊でも広く使われる。
これは航続力の高さ(着心地の良さ)と、無駄な装備や飾りが省かれているために狭い車内での動きがしやすかったところによる。
その他、有名なバリエーションとしてはP型がある。
九州撤退戦間際の6月、南高の軍所顧問<A>から100着分のアーリィフォックス用人工筋肉が支援物資として送られ、本機の40から50着前後が現地部隊の手にによって人工筋肉を換装した。
これがシリーズ最終型となるP型で、本当の最後の最後に、本機は当初予定されていた通りの性能を取り戻すことになる。
それは史上空前の高機動戦闘能力を持った、アーリィ・フォックスにすら互する最強のウォー
ドレス。
空を走ると謳われた「武尊」(たける)こそが、本機に名付けられた最後の名称である。
リードアウト −女性専用のウォードレス
全国でも珍しい女性専用ウォードレス。女性のボディラインを良くだしている。
尚敬高は女性だけによる戦車学校なので、当然本機も基本タイプが戦車兵タイプとなっている。
機動力を落とさず防御力を上昇させる目的で装備されている胸当てが、識別上の特徴。
戦車が破壊され、脱出した後も戦闘を続行できるように設計されており、戦車兵装備のウォードレスとしては例外的に装甲と人工筋肉補正率が高くなっている。
ドレスの大型化を防ぐ目的のためか、大型装備の着脱を行うアタッチメントやその操作機器類は装備されていないものの、それ以外は通常の陸戦ウォードレスとほぼ同じ機能・性能を持ち、単純な構成からか信頼性も高かった。
狭い車内で動き回る戦車兵用ウォードレスとしれは大型だが、そこは元々小柄な女性が装備するため、特に問題はなかったようだ。
尚敬高校のケルビムには、車体の横に本機装備用の長刀が装備されており、ケルビムが破壊された時点でこれを取り、迫る幻獣を相手に最後の戦闘…白兵戦闘を行った。
敵に後ろを見せないことを誇りとする本校にとって、このウォードレスは最後の守りであり、生き様であった。
本機のサブタイプとしては、99年の春から装備された性能向上型のB型(A+型)の他、アタッチメント類や独立センサー系を装備した完全な陸戦ウォードレスとして改設計され、少数が生産された戦闘工兵用タイプDがある。
※「しれは」って何だ。原文のままです。
ゴブリン (S目標) 鳥脚属 走鳥科
小型幻獣。古代の結界を持つ熊本以外の地域では大型幻獣に率いられ、12000から15000の群れを作って実体化する。
身長1m 体重24lg いびつな人型。
一つ目。手足の長さがほとんど同じであり、軽快な運動性能とキックを武器に戦闘を行う。
主戦術は一人に兵士に2〜30匹が一斉にジャンプして取り付き、よってたかって滅多蹴りにする。
とは言え、飛び道具は持っておらず、ザコであることにかわりはない。
甲高い声によって通信/威嚇する
「キョーキョキョキョキョォォォォ!」
ゴブリンリーダー (S目標) 鳥脚属 走鳥科
小型幻獣。ゴブリンの群れの中に2000〜3000存在する。
身長2m、体重160kgでいびつな人型をしており、ゴブリン型の倍以上の大きさがある。
一つ目。手足の長さがほとんど同じであり、走行時は手を脚のように利用して高速移動する。
ゴブリン達の先陣を切り、トマホークをなげながら、突撃を行う。
(トマホークはリーダーの手で無限に実体化する。)
戦闘力は高く、戦争序盤の歩兵部隊では2年生でなければ単独での戦闘は禁止されていた。
兵士を生け捕りにし、辱めて、その仲間の兵士達が怒りに我を忘れてから来るのを待つ習性がある。
ナーガ (M目標) 直脚属 光砲科
身長12m、体重18tで、殺した人の顔をナーガ自身の頭部に模写している中型幻獣。胴が異常に長いのが特徴である。
大型幻獣に率いられ、500〜800の群れを作って実体化する。
いずれも美しい微笑みを浮かべている。
体全体に合計17個の目を持つ。
巻き付きと、額と体の側面にある目からのレーザー照射が基本武器。
その側面を向けての長距離戦闘が基本戦術であり、軽装部隊では甚大な被害が出る。
目はあまり良くなく、代わりに熱源センサーを発達させている。
ゴルゴーン (M目標) 鳥脚属 擬竜科
背中に90発の生体ロケットポッドを保有し、ブロンズ色の肌を持った四脚の中型幻獣。
擬竜科全体の特徴として、後ろ足のほうが長く、前傾姿勢を取っている。
接近戦は頭からの体当たりしか保有していないという、長距離支援型幻獣である。
濃密な弾幕を形成し、敵歩兵部隊に攻撃を行う。
1200万体以上が実戦で確認されている。
ミノタウロス (M目標) 鳥脚属 擬竜科
ゴルゴーンの派生型である中型幻獣。
擬竜科でありながら、再び二脚化の方向に進んでおり、戦闘時では立ち上がり、前脚を棍棒のように打突武器として使用する。
腹面には外骨格属装甲科の小型幻獣<バカ>が群生しており、中距離戦では一千を越える兵隊バカが切り離され、生体ミサイルとして敵を追尾、着弾して強酸をまき散らす。
その一方で背中の生体ロケットポッドはなくなり、その痕跡のみが残っている。
性能自体はたいしたことはないが、今戦争初の戦車戦を前提にした幻獣である。
ゴルゴーン群の外周に存在し、ゴルゴーンを守って迫る戦車部隊と戦う。
100万体程度が実戦に出現しており、熊本方面では1万体前後が確認されている。
キメラ (M目標) 直脚属 光砲科
4つの頭を持つアン・シンメトリーな中型幻獣。頭一つにつき、3つの目を持つ。胴体前面に3つの頭を持ち、尾の部分に1つの頭を持つ。この4つの頭の内、3つまでは脳のない<偽脳>であり、擬似的な可動砲台としての機能しかない。
長い尾の先につく頭は非常に自由度が高く、ほとんどの方向をカバーできる。
武器は、各頭からのレーザー。頭一つにつき2本の中口径レーザー発振眼を持つ。
残り一つの目はセンサーとしての機能しか持っていないようである。
対戦車専用の幻獣であり、歩兵戦ではあまり有効ではなかった。
強武装の割に、体の大きさはコンパクトにまとめられており、また直脚属の中では割と俊敏な方で、また他のキメラと組んで陣形を編成し、組織的に射線を集中させることが可能である。
防御力も高く、ここに至って人類は量だけではなく、質的にも優位を奪われたのである。
G・タランテラの後継としてスキュラとともに急速にその数を増やし、確認数は全世界で12億といわれる。
ヒトウバン (S目標) 外骨格属 浮殻科
切り取った人の頭を前面に貼り付けて飛ぶ浮殻科の小型幻獣。
群を成して低空を高速で飛び、新たな犠牲者をその歯で食いちぎる。
歯は、元々の犠牲者のものとは違い、小さな外骨格属が寄生しているようである。
幻獣がよくやるように切り取った人の頭は生きており、殺して殺してと叫ぶ。
確認数は全世界で20万以上といわれる。
きたかぜゾンビ (M目標) 非骨格群体属 寄生科
戦闘ヘリ<きたかぜ>の残骸に寄生し、再生した幻獣側のヘリ。
寄生再生した部分が有機体になっている。
性能その他はきたかぜに準じる。
確認数は全世界で200。
スキュラ (M目標) 外骨格属 浮殻科
対戦車戦を主任務とした中型幻獣。
空飛ぶ要塞とも言われ、今後出現数が増えるにしたがって、日本中を火の海にするであろうと予感させる新型幻獣である。
出現してまもない幻獣であるため、まだ兵器として見た場合、各部に未熟な点が多いが、それでも総合的には従来の幻獣を大きく上回り幻獣軍の切り札として対戦車戦に使われている。
全長30mほどの長い尾ひれを持つ。
生体飛行船の表面に、7種の肥満した小型幻獣の上半身が寄生している。
これら小型幻獣はいずれも生体レーザー/生体ミサイル保有型の幻獣であり、スキュラから強力なエネルギーを供給されることにより、通常よりはるかに強力な弾幕を張ることが可能である。
主武器はその巨大な目から発せられる大出力生体レーザーである。
長い尾は姿勢安定に使用している模様。
移動速度は速いとは言えないが、ミノタウロスやキメラの進軍に十分に耐えることができる。
確認数は現在200前後。今後増大される事が予測される。
519番式突撃小銃
士魂号(M)にあわせて開発された装備その1
20mmガトリング機関砲で、水冷式。
このクラスの薬莢がバラバラ落ちると一緒に戦う兵士の安全が脅かされるため、空薬莢箱を装備する。
弾倉は肩にかつぐ。
高度な三次元機動を行う士魂号(M)では、この口径の兵器でも装甲の薄い後方や上面に向けて射撃することで、大きな戦果を上げることが出来る。
519番式無反動砲
士魂号(M)にあわせて開発された装備その2
160mm口径長L40(口径ではない)のバズーカで、折畳式、装弾数は1である。
弾は前込め式で、装弾に時間がかかることから事実上の使い捨てであった。
弾はHESHか、榴弾かを選択できる。
破壊力は高いものの、この装備弾数では実用性は低く、あまり使われることはない。
実際に運用する際は2門を装備していたようである。
519番式92mm主砲
士魂号(M)にあわせて開発された装備その3
120mm砲があまりに使いにくいので開発された、ライフル形状のスケールダウン砲である。
弾倉は平面式で、引き鉄の前に装備されている。
当然交換可能。
射程1000m。各種弾薬が使用可能で、距離500mから傾斜35度の10cm装甲板を打ち抜くことが可能である。
このクラスの砲が士魂号(M)にはもっとも使いやすかったようで、多用されている。
519番式小型ミサイルランチャー
士魂号(M)にあわせて開発された装備その4
地対空両用のスモールミサイルランチャー。
ジャベリン改ミサイル一発を装備できる。
この武器だけは手に持たず、身体の腰部に装備することが出来る。
このミサイルは有線誘導式になっている。
炸薬量は20lgで、その射程は1km前後。
自立したセンサー系を持たず比較的低コストなことから、騎魂号(士魂号複座型突撃仕様)の対小型幻獣掃討専用の武器として広く使われた。
士魂号(M)にあわせて開発された装備その5
プロテクター。胸と肩、肘、膝、腕、すねだけを被う装甲で、生体接着剤で固定される。
(生体部分を殺す離着剤ではがれる。)
装甲厚は60mmで材質は硬化テクタイトである。 主に白兵戦を想定した戦いで装備された。
519番式重装甲
士魂号(M)にあわせて開発された装備その6
鎧。日本の大鎧の様な、ラメラー形式をとる。
士魂号(M)の象徴的な装備。主に乱戦を想定した戦いで装備される。 色は漆黒。意外に使用回数は少ない。重量は4トン程度で、材質は表面処理された炭素材である。
519番式超硬度小剣
士魂号(M)にあわせて開発された装備その7
分厚い装甲を一撃で断つための剛剣であり、無粋な短さと、太さを持つ。
重さは1トン近くある。
十分に体重を乗せた本武器による一撃は、あらゆる幻獣の装甲を破って致命傷を負わせることが出来る。
実戦では二本を同時に装備し、運用することも出来る。
519番式スモークディスチャージャー。
士魂号(M)にあわせて開発された装備その8
スモークディスチャージャー。
巨大な弾を入れた単発式のソケットの形で供給され、突撃小銃に装着される。
使用すると100m先で破裂、以後1分に渡って煙幕を吐き続ける。
無風状態では直径2km前後、20分間程度、煙幕を展開できる。
また、弾薬をかえて信号弾をうつことも出来る。
これらは、左足に生体接着剤で装備されることが多い。
519番式固定装甲板。
士魂号(M)にあわせて開発された装備その9
地面に突き刺して使う細長い楯で、ボタンを押すと重なっていた3枚の装甲がそれぞれ30度ずつ回転し、展開する。あまり使用されることはないが、無論、持って使用することも可能。
通常は陣地戦でのみ使用される。
アデレイト・アサルトライフル
名門、工清高校の開発した突撃銃。
口径は12.7mm。弾倉はマガジン式。
銃本体の上に弾倉をつけるユニークな装弾法をとっている。
重量36kg。銃床はブラスチックの折り畳み機能付き。弾倉はボックス式でポケットオン可。
片手射撃の命中精度は恐ろしく低く、実用にならないため、両手で持って射撃する。
熊本では高校の標準装備として広く装備され、12000丁近くが運用されている。
96式手榴弾
グレネード。重量が6kgもある。
その分爆発力は十分で、軽装甲の敵ならほとんど1発で戦闘不能に出来る。
常識的なパイナップル型。炸薬300g。ポケットオン可。
指向性が高く、空気爆弾として狭い範囲を爆発燃焼させる甲型と、広範囲に刃物のような破片をばらまき、非装甲の存在に莫大な打撃を与える乙型がある。
通常戦闘で一般兵は出撃の際に2発、本グレネードを装備して出撃する。
82式煙幕散布器
ポケットオン可。手投げタイプの煙幕散布器。約5分間にわたってレーザーを無効化する煙を吐き続ける。
微風状態なら20秒で約80mくらいの煙幕地帯(光学センサー無効地帯)を生み出す能力がある。
レーザー発振機を積んだ幻獣出現後、本装備の重要性は増し、次第に標準装備化する。
南高校の夜襲隊が昼間出撃する際、頻繁に用いられている。
超硬度カトラス
標準装備の一つ。刃渡りは40cm。
ゆっくりと湾曲している。超金属ヒヒイロカネの鍛造製品である。
形はカトラスだが製法は日本刀そのものであり優秀な使い手なら鉄を紙の様に切り裂くことが出来る。
主に儀礼に用いられるため、鞘とともに金と模造品の宝石で飾られている。
戦車部隊は標準装備として、軍刀の代わりに持っている。
班(6人)に1丁装備する小隊機関銃
口径20mm。ガトリングタイプ。
弾倉はベルト式で背中のアタッチメントに装備する。
大きさなんと200cm×60cm×60cm
両手に持ち、廃莢の関係上銃を手に下げて低位置射撃する。
射撃の反動は大きく、ずっと射撃しているとだんだん後退してしまうほど。
通常、本機関銃で形成した濃密な弾幕援護を傘に、他の兵士が前進する戦法を取る。
重量は100kg前後だが弾薬は700kgを超す。
合計2600丁余りが生産されている。
94式小隊機関銃
口径7.7mm。サブマシンガン。
前面4重ドラム弾倉式。重量は16kg。
別名豆鉄砲。射撃音もタタタタと、軽い。
旧時代のトンプソン機関銃を思い出させる。
弾倉が旧態依然のドラム式である理由は、大戦中のそれと違い、交換がワンタッチで弾薬数を多くすることに成功したからである。
ポケットに増設ラックをつけて、弾薬を携行出来る手軽さも幸いした。
片手で射撃できる点も高く評価されている。
敵の移動を阻害する弾幕を張り、近接戦闘使用も可能と言う点で重宝され、偵察部隊の標準装備として、また近接戦闘を想定した部隊では突撃小銃の携行数を減らして本銃を装備した。
99式熱線砲
レーザー兵器。対戦車ライフルかスナイパーライフルのように、長くて細い銃身を持つ。
冷却の関係上、単発発射式で、再チャージには12秒の時間がかかる。
バッテリー容量は30射分。
霧やかすみのない状態なら、6000mの射程がある。
破壊力は1秒の照射で8cmの防御装甲板を射抜く。連続1秒まで照射可能。
殺傷力のあるレーザー光線は人間の目には見えないため、視認用に同軸で2cmずれた単なる可視光線も発射している。
(銃口が2つある様に見えるのはこのため。)
可視光線は青タイプなど、学校により違う光線が、照射1秒前に先行照射される。
本来ありえない、外世界からの流出技術の産物。
開発後は煙幕に弱いとか、天候に左右されやすいなどの弱点を抱えつつも、軽くて強い長距離砲として全校のスナイパー部隊に配備されている。
40mm高射機関砲
第2次防衛戦争直前に完成し、以後60年以上も小改良を続けながら使われている北欧製の傑作万能機関砲の国産版を南高校で独自に改良し、最新の照準器をつけたもの。
機関部分はほぼ原形のままであるという事実が、原形の驚異的なまでの優秀さを、物語っている。
角度90度で9000mまで弾丸を打ち上げる性能を持つ。
照準は光学センサ&レーダー併用型の小型ユニット。
使用される弾丸は改良され、現在では近接信管をつけた炸裂弾か、硬化テクタイト徹甲弾が用いられている。
南高校では地上戦用に榴弾やナパーム弾も、少数量産されていた。
ウォードレスの対戦車装備から、ケルビムの主/補助武器、対空銃座にまで幅広く使われる。
量産数は全世界で28万門以上。
96式多弾頭ロケットポッド
小型の弾頭を大量に戦域にばら撒くという地雷散布や、密集地帯への制圧射撃に用いられる非誘導型の推進兵器。
巨大な箱型となっており、通常背中に装備する。
射程1500mだが、命中精度はかなり悪い。
威嚇用の閃光弾や道路破壊弾を装備することもある。
体を約30度傾けて、カバーを爆破して切り離し背中越しに発射、約400mを上昇した後に一斉に軌道変更して弾頭分離、着弾する。
対幻獣戦では敵の移動を誘導したりするために使用されることもある。
量産数は少ないが、これはコストの高さが災いして装備部隊が限られているからである。
96式リテルゴルロケット
燃料室が燃料を兼ねるために軽量化に成功した初のリテルゴル式ロケットパック。
性能が優れていたために全国で広く使用されている。
化学反応式で推力は9000kg
(F-15戦闘機の合計エンジン推力の55%)
反応時間は40秒。上昇限界2400m。途中消火不可。
姿勢制御は力翼を使用し、途中消火が必要な際は背面飛行からロケットパックを切り離してこれをおこなう。
98式増加機動装甲。(盾)
単結晶装甲の盾。
可動式ではないが、まるで閉じたブラインドのように装甲材が重ねて接着してある。
これは単結晶金属の鋳造技術が低いための工作上のデザインであり、他に意味はない。
後継である零式では普通の盾型デザインになっている。
長さ、1m60cm、幅62cmの長方形ポップライト型。
装甲に受ける衝撃を考えた場合、腕一本で支えることが出来るわけもなく、盾の裏から約80cmの厚さを持つ口頭命令型瞬間凝固ゼリーに半身を固定して戦闘を行う。
したがって、この盾を装備したままの近接戦は難しく、近接戦闘時にはこれを放棄して抜刀、白兵戦に移る。旧来の意味での盾としては使用されないのである。
89式120mm自走砲
ウォードレス発明直前の1989年に自衛軍にて開発された、お化け戦車「74式改」に装備されるはずだった大口径砲を半分にぶった切って、運用が出来るようにした自走砲。
もっとも実際の運用には給弾手(約20発の弾も運ぶ。)と指揮官が別に必要である。
重い機関部についている機動補助ロケットが特徴。
短砲身による射程の短さや命中精度の悪さは、十分な接近でカバーすると言う運営方針から、機関部には機動補助ロケットがついており、これによって移動することができる。
78式連装多目的ミサイルポッド
通常背中に装備する可動砲であり、射撃時には両肩上から平行に引き降ろして射撃する。
(自動可変式。)
装弾数は片型2発で合計4発。対空、対地両用自動追尾で、追尾系はヘルメットの光学センサーに連動している。
炸薬量は20kg。射程12km。
センサーに連動している関係上、また、まともに発射煙を浴びることからも、本兵器装備時はヘルメットを着用せねばならない。
本ポッドはレーダードームパックとセットになっており、一人がミサイルポッドを、一人がレーダードームを装備する。
運用時は通常装備の監視員1名とコンビを組み射撃戦を展開する。
熊本戦区での兵器開発史
〜何でまたこんな変な兵器が出たのか。〜
1. 開戦時の布陣と戦術思想
都市空間での戦闘。特にそれが防衛戦であることを考えた場合、そして敵の主力が中型幻獣である場合、人類側は当然の帰結として、対中型幻獣戦を想定とした部隊を主力にした布陣を作り上げていた。
熊本県下にある全高校は、少ない資材と資金を、あるかどうかも分からない伝説の絶対結界を信じて対中型幻獣戦に集中・特化して、開戦に望んだのである。
弱小県の居直りか。これは一種の賭けであり、英断であったと言えよう。
戦力比1対36という絶望的な戦いで、完全な包囲下にありながら、開戦から3ヶ月持った上に最後の本土脱出作戦を行うことが出来たのは、この極端なまでの対中型幻獣戦思想によるものである。
この決断を下した熊本の女傑。林凛子はどれだけでも誉められて良いであろう。
それが例え、当時においてどれだけ無謀な賭けだと言われていても。
九州の兵器開発能力は決して低くない。
中には熊本の「可憐」の様に、名を知られたウォードレスも開発しているという実績もある。
それでも、それが苦笑抜きには語られないのはそれら兵器がいずれも、熊本的な思想で設計されているからである。
新しい物好きで、保守的。同時に攻撃的。
奇形的な兵器を生み出す条件としては、これ以上のものはない環境である。 特に、主力である戦車戦で投入された兵器はいずれも戦史に特筆されるものばかりであり、これらの兵器達が開戦時の短い期間で姿を消したのは残念である。
もっとも九州撤退後、これらの技術は本土の各校にもたらされ、多大な影響を与えた。
欧州では1939年に、太平洋では1941年暮にはじまった世界規模の戦争は、1945年に意外な形で幕を下ろすことになった。
黒い月の出現である。
地球との距離、24万km。
直径7600km。
月と地球の間に現れたあらゆる可視光線を吸収するこの天体によって、人類の歴史は、狂いはじめることになる。
黒い月の出現と期を同じくする欧州での幻獣の出現とその後の増加によって、人類は、不本意ながら世界戦争を中途でやめざるを得なくなった。
人類同士が協力しなければ、滅びる。
そうした危機感があった。
万物の霊長と自らを呼び、サルより進歩したと自称する人間は、ここで初めて、自分が長でもなければ安全でもないことを知った。
幻獣、この人類の天敵との戦いが、以後の人類の歴史である。
黒い月。
はたしてそれが本当の天体であるかどうかすら不明な質量0の天体。
幻獣、現れるときも死ぬときも、幻のように現れる存在。
人類とその創造物だけを狙う人類の天敵。
これらの因果関係は現在にいたる人類の必死の調査にも関わらず、不明である。
人類はいつ消えるか、いつ現れるか、総数がどの程度かすら分からない敵と、じりじりと、線損領域をせばめながら、戦いつづけている。
※「線損」っていう単語があるならすいません。「生存」のような気がしないでもないんだけど。
剣と運命の女神
アガナの女神。あるいはシオネ・アラダとも言う。
東方三王国で信仰された女神。
片手、片目、片翼の女神にして、もとは、かまど、転じて家庭の守り神であった。
慈愛の女神であり、人を守護する。
人が主神と戦った時にその半身を犠牲にして剣を作り、半神半人の青い人々に託した。
主神はこの世のもの全てに傷を負わされない魔法を持っていたが、人でも神でもない英雄と、その時まで存在しなかった剣によって打ち倒されたと言われる。
※壬生屋(の前世)
踊る人形
ダンシング・ドール。
東方三王国の婦女子・子供の墓に描かれた守り神の図。邪神の一種。
賭博と酒と嘘の神であったが、伝説ではいとかしこきメイデアの姫君との賭けに負けて女性と子供の守り神になった。
そのエピソード故に子供たちには人気が高く、たくさんのおとぎ話の原形となる。
全ての神々を敵に回し、人を守って奮戦したとされる。
現在の人々が賭博と酒と嘘を手放せぬのは、かの神の血が広く混じっているせいだと言われる。
※瀬戸口(の同一存在)
九州では多目的リングを用いず、左手の平に直接、多目的結晶体を埋め込んで使用する。
また、ウォードレスコードも存在せず、これもまた多目的結晶体に統合されている。
要するにコンピューターへのアクセスと機動兵器の操作等は全て左手を「接続」して行う。
九州の第6世代の99%がこの拡張手術を受けている。
作戦地図や暗号、脳内プログラムなどは全て多目的結晶体を通じてやりとりされる。
また、手のひらをあわせて高速のやりとりをすることも可能である。
結晶体は普段皮膚の中に埋没しており、必要に応じて出現させることができる目の様なものである。
また、結晶体のせいで左手の性能は多少落ちる。
第6世代は結晶体を性器のように扱っており、普段は見せるのすら嫌う。
中枢神経系に直接つながっているのでデリケートであるし、ここを通じれば心を読むこともできるからである。
この気持ちは第4世代には分からない。
なお、この結晶体はそれ自身が思考する外世界の珪素系生物であり、必要に応じてESPを使用する。これは多目的リングと同じである。
むかしむかし、ねこのかみさまには たくさんのにんげんのおともだちがいました。
ねこのかみさまは にんげんとともにきょうわこくとてーこくをまもり、てーこくがほろびるそのさいごをみとどけたのち とものベルトをくびわにして、たびにでました。
にんげんにわるさをする ねずみをこらしめながら ふねにのって ひがしへ ひがしへ
なんびゃくねんもたびをつづけて、さいごにたどりついたそのばしょのなまえは ひのくに。
なやまされていたひとびとは、ねこかみさまを いこくのふねからもらいうけます。
ねこかみさまはおきゃくさまとしてだいじにされました。
たどりついてより60ねんのあと、あかいふくももらいました。
ねこかみさまはひのくにのひとにつたえます。
このひのいろのふくにかけて、あおぞらがおちるまで、ちがさけうみがぼくをのみこむまで、ぼくはこのくにをまもりましょう。
やくそくは はたされました。
それからねこかみたちはむかしもいまもひのくにのよるをまもるのです。
おしまい。
※ヨーコさんバージョンと比べると
「コロリという病気」の話
猫神の「ありがとう」の言葉
等が抜けていますが、これはヨーコさんがののみ向けに、感情移入しやすいように、付け加えたか何かしたのかも。ホントの読み聞かせは字面を辿るだけじゃないですから、ね。
靴下は愛である。 B
靴下はもっとも美しい愛の形である。 岩田
愛を、伝えたい。 中村
狂おしいまでのこの愛を。 遠坂
日本ソックスハンター協会は1901年、アメリカのオリバーウィルソン、D・A・ルグウェール博士が設立した白い靴下財団が、その原形である。
色付きと当時流行っていたストッキングを否定し、白い靴下の保護と世界平和を訴えた。
日本では1912年に米国留学した赤沢小説がこの思想に共鳴、日本白靴下旅団社を設立、2度の大戦争を乗り越えながら、今に至る。
会員数は12万8千名。会長は不明。
組織は閉鎖的で、会長は常に暗殺を恐れてその姿を隠しているため、その組織は本部の場所を含め、つねに秘密の薄いヴェールで包まれている。
1985年に起きた輸送機からの大量靴下投下事件、通称血の7月事件を契機に全国の風紀委員会同盟によりその神聖な教義は非合法化され、地下に潜った。
現在は高騰した靴下を買い集める者と、金のためにそれを集める「ソックスハンター」に別れさらにその中でももっとも過激な一団体が同じく非合法化された同好会系組織…美食ハンターや怪奇ハンターと共に女子風紀委員会と対決する国際ハンター団(通称IHG)の3つに分かれている。
かの一族は自分達を「青」と呼ぶ。
英語での自称も常に「ブルー」である。
かの一族の神話によれば、一族は元々東方三王国(どの歴史にも存在しない名である)の末裔であり、いとかしこきメイデアの姫君の子孫であるという。
芝村の名は、明治時代に日本に流れ着いた彼らの祖先、それを庇護した村の土豪の名前からとったものである。
彼らが目立って歴史の表舞台に出てきたのは20年前、一族の中で「A」と呼ばれる人物が出現してからである。
(かの一族は成人するとともに名前を隠すことを美徳とし、本名とその意味は、もっとも親しい人間しか知らない。)
非常に閉鎖的で秘密主義を貫き、その実体はほとんど分からない。
数少ない情報によれば、彼らは血縁を無視し、実子であろうと一旦籍を外し、その後に養子とする形式を踏むという。
彼らは血よりも記憶や「青らしさ」を重要視し、積極的に養子を迎えるようである。
自らをこの惑星の記憶と名乗る、尊大で傲慢、非人間的な論理を持つ彼らは、それまで人類が保有していなかった奇跡の技術の数々を独占的に保持し、そして幻獣と戦う人類のために供与した。
現在は財政界に隠然たる勢力を持ち、まるで幻獣との戦争が起きることを予測していたように軍備を備え、要職に一族の者を送り込んでいる。
彼らの真の目的は不明である。
しかし彼らが権力や金の収集を目的としていないことだけは彼らの政敵も認めざるを得ない点である。
彼らは何か待っているという。
それは人類に勝利をもたらす究極的な兵器というものもいるし、あるいは彼らの指導者ともいうものもいる。
真相は不明である。この内容自身も、彼らが読めば笑い事で済まされるのかも知れない。
クッキーは台所にいかなければ出来ません。
次に材料ですが、砂糖とクッキーの素と牛乳があれば、クッキーが出来ます。
後はあなたの家事技能次第。
技能がないなら、お店で買ったほうが安全です。
…ウスタリ・ワールドゲートの消失事件以降、各世界の移動組織の動きが急になった。
オリジナル・ヒューマンがらみの可能性がある。
特にセプテントリオンは第5、第7世界に対する行動を激化させており、今後の動向に注意する必要がある。
今日、富士のアポロニア・ワールドゲート、東京のバーミアン・ワールドゲートから続々と漂着物がたどり着いている。
他世界で大規模な破壊が起きたのか?
重要なのは、踊る人形はメイデアの姫を愛していたのか、どうかだ。
幻獣のデザイン上の共通項は以下の通り。
1. 目が紅い。(目は猫目で、中に複雑な文様が描き込まれている。)
2. 目が大きく、数が多いほど、強い。
3. 「同調」能力を持つ。(一体化する。)
4. 口と爪がない。
指先はすっぽり角質に覆われている。
5. 6属12科の体系に分類される。
大型、中型、小型という分類は、単に戦闘を行う上での目標分類を行うもので、戦術的意味はあっても生物的な意味は一切ない。
6属は以下に分類される。分類は主に骨格構造でこれを分類する。
直脚属(いったん横に伸びて、その後地面へ直角に曲がる脚を持つ。 4脚)
鳥脚属(トリアシ。4脚。通常歩行は2脚)
六脚属(哺乳類に似た脚の構造を持つ。脳に当たる神経節が二つある。)
外骨格属(セラミック甲殻を持った幻獣。
手足を持たないが、稼動する装甲を十二、持つ)
非骨格群体属(半実体型の幻獣。非常に小さく、群れで活動する。)
人型属(人。我々と同じ骨格構造を持つ。
第5世代こと。リリパットも同じ。)
12科は以下の通り。
○光砲科(基本的直脚属。身体の各所の目から、光線を出す。)
○障壁科(直脚属。身体の各所の目から、光学障壁を出す。)
○飛翔科(鳥脚属。別種で小型の飛翔科共生体と組み、複数の翼を利用して空を飛ぶ。)
○走鳥科(鳥脚属。二本脚で高速に走るタイプ。
脚爪で格闘も可能。前脚は長く、手になる。)
○擬竜科(鳥脚族。前脚も使い4本脚で地上を歩くタイプ。)
○双頭科(六脚族。平行して頭を二つ持つタイプ
頭は通常、役割分担をする。器用。)
○中節科(六脚族。胴体中央にこぶ(後退した神経節)を持ったタイプ。)
○装甲科(外骨格属。他の生物にはりつき、栄養を貰う共生種。蟻のような社会を持つ。)
○浮殻科(外骨格属。体内に軽い気体を詰め、浮かぶタイプ。巨大なのもいる。)
○寄生科(非骨格群体属。何らかの実体に寄生、同調しこれを身体として使う。)
○雲海科(非骨格群体属。ほとんど幽霊であり、明確な意思を持つことはほとんどない。)
○第5世代(思念が外見に反映する。 感応能力を保持。極端に同調能力が高い人間。)
幻獣は、基本的に群生と共生で成り立つ。
それは大型幻獣を中心とした、森や海のような一つの調和した世界であり、自然を再生させる力を持つ。