ある日、彼は、ガンガーの対岸にいました。聖典の学習が始まる時間です。しかし、突然、ガンガーの水が溢れ始めたのです。彼は、授業に遅れそうなので、気をもみました。彼の状況を理解したシャンカラは向こう岸から、早く渡って来るようにと合図を送りました。すると、サナンダナは躊躇することなく河を渡り始めました。なんという師への深い信仰でしょう! 母なるガンガー女神はその信仰を讃えるために、彼の一足ごとに蓮の花を咲かせて、彼を支えました。そうして彼は、蓮の橋を渡ることができたのです。その日から、彼はパドマパーダと呼ばれるようになりました。「パドマ」は「蓮」、「パーダ」は「足」という意味です。彼は、後にヴェーダンタ学派の有名な学匠となり、著述や指導に当たりました。
シャンカラはここヴァラナシで、「バガヴァッド・ギーター」や「ウパニシャッド」、そして「ブラフマ・スートラ」への註釈を書きました。