庭園の王国



     
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 ここ……モルディア村を探し出すのは、それほど難しくはなかった。あいつはこっちでも有
名人だったらしい。ここに来るまでの間、色々な噂を耳にした。リリーのいる村もまた、戦火
に巻き込まれたということ、しかし、錬金術師の卵たちは総出で看護や救出作業にあたり、周
囲の村に比べると比較的被害が小さかったということ。それから。
 どうやら、リリーはすでに結婚してしまったらしい。今、その村で若い牧師(この国では、
神父じゃなくて牧師というらしい)と一緒に暮らしていて、子供までいるらしい。
 「なるほどな……、そういう訳か」
 道理で手紙も何も来ないわけだ。それでも、ここまでやって来ずにはいられなかった。この
目で確かめるまでは……、全面的に信じることができなかった。いや、正直に告白すると、そ
の噂が間違いであることを願っていた。しかし、噂は、得てして真実だ。
 今日の昼過ぎ、ようやくこの村にたどりついた。山間のこの村は、空気は澄み渡り、草の色
は……、ザールブルグ周辺とは比べものにならないほど、淡く、静かに繁茂していた。人に聞
きながら、小高い丘の上の教会を探し当てた。フローベル教会と違って、ステンドグラスやら
なにやらの飾りは一切ない、白く小さな、木造の建物。しかし、ひどく清浄な印象を与えた。
なんだか、リリーがここに住んでいるってのは、とてもしっくり来るような気がした。       
 教会の裏側に、小さな家がある、と村人に聞いた。リリーはどうやら、そこに住んでいるら
しい。教会の裏庭にまわって、……驚いた。

 そこにはかなりの面積をとって、さまざまな植物が植えられていた。ミスティカ、アザミ、
ズフタフ槍の草、魔法の草……。みんな、錬金術の初歩的な調合には必要なものばかりだ。植
生の違うものは、それぞれ丁寧に、水はけを変えるように水路が巧妙に作られている。……間
違いない。あいつは、ここにいる。
 そのとき、裏庭の小さな家の扉が開いた。中からよちよち走り出して出てきたのは、まだよ
うやく歩き始めたくらいの、小さな女の子。今にも風に溶けそうな金色の髪をなびかせていて、
水色のギンガム・チェックのエプロン・ドレスを着ていた。その髪の色が、この村の澄んだ空
気によく似合っていた。それを追いかけて家から飛び出してきたのは……。
 
 ちっとも、変わってねぇな。

 長い栗色の直毛をきっちりとまとめフードで被い、青く長い上着の裾を翻して、彼女はその
女の子を追いかけてきた。
「待ちなさい、ジュリエッタ〜!」
 リリーがそう言うと、女の子泣きそうな顔をした。
「やだ〜!」
 女の子がそう言うと、リリーは一層声を張り上げた。
「だ〜め! 野菜もちゃんと残さず食べてから遊びに行きなさい!」
 そう言って、リリーは逃げようとする女の子を後ろから抱きかかえた。
「いや! いらない〜!」
 女の子が小さい手をばたばたさせて言うと、リリーは眉を吊り上げた。
「何言ってるの? 好き嫌いばっかり言ってると、大きくなれないわよ!」
「いや〜!」
 女の子はリリーに抱きかかえられたまま、ぐずぐずと泣き出した。そこに、教会の方からす
らりとした人影が現れた。
「また、ですか?」
 そう言って、少女と同じく淡い金色の髪をこざっぱりと刈って、黒い色の裾の長い僧衣を身
につけ、銀縁の眼鏡をかけたその男はリリーたちに優しく微笑んだ。
「おとうさん〜、たすけて〜……」
 その瞬間、女の子はそう言ってリリーの手から逃れて走り、僧衣の男に抱きついた。
「あっ、こら! 逃げないで!」
 リリーは厳しい口調で言った。
「おやさいはいやなの〜」
 そう言って、女の子は一層ぼろぼろと泣きだした。男はため息をつくと、困ったように微笑
んだ。
「まあ、強制したって、好き嫌いはなかなか直るものではありませんし……、少しぐらい残し
ても、まんべんなく食べれば、それでいいんじゃありませんか?」
 そう言った男を、リリーは、きっ、とにらみつけてこう言った。
「甘いのよ、ベネディクト! あなたがそんな風だから、ジュリエッタはいつまでたっても好
き嫌いがなおらないの! いいからその子をこっちによこして!」
「はいはい……」
 男はますます困った顔をして笑うと、女の子をリリーの手にゆだねた。そのリリーの手には
……、やはり、俺の指輪はなかった。俺はため息をついた。何を期待していたって言うんだ…
…? あんな、二年以上も前の手紙に書いてあったことなんて、今のリリーには、もう関係あ
りゃ、しないんだ……。
 小さな家に入っていく幸せそうな家族に踵を返し、俺は、その場を立ち去った。
 それでもさっさと帰ればいいものを、この村にたった一件しかない宿に泊まってしまったの
は……、やはり未練があったからだろう。

*


 また、猫が鳴いた。今度はさっきよりも長く深く……、俺の心に、突き刺さって来た。明日
は、早々に立ち去ろう。そう、心に決めた。そのとき、俺の部屋をノックする音が聞こえた。
びくっとして、おそるおそるドアを開けると、そこにいたのはこの宿の主の息子だった。年の
頃、十一、二歳といったところか。継ぎの当たった緑色の吊りズボンを履き、麦わら色の髪を
したそばかすだらけのその少年は、手にしっかりと一冊の本を握りしめていた。思わず、俺は
ため息をついた。

 いったい、何を期待していたんだろう?

 あいつは、俺が今ここにいることなんて知りやしないし、それに……、今俺が現れたって、
困るだけだろう。しかし俺のそんな思惑にはまったく気がつかない様子で、少年は興奮した調
子で、こう言った。
「ヴェルナー・グレーテンタールさんですね! ぼ、僕……、あの、あなたの小説のファンな
んです! あの、それで……、この本にサインしてもらえませんか?」
 少年が差し出したのは……、アイオロスが描いた絵が表紙になった、俺の本。
「いいぜ……。何か、書くものはあるか?」
 少年の差し出したペンを本の裏表紙に走らせると、少年は嬉しそうに目を細めた。
「僕、ザールブルグに行くのが、夢なんです。なんだか、これを読んでいると、ものすごく素
敵なところのような気がするから……。は、話も大好きなんですけど……、このシリーズの装
丁の絵も、すごく素敵ですよね! あ、あの!この絵の女の人……、教会の裏に住んでる錬金
術師のお姉さんに、よく似てるんですよ。あの人もザールブルグから来たって言ってましたけ
ど……。もしかして、お知り合いですか?」
 少年は無邪気に尋ねてきた。ちょっと返事に困ったが、どうせ明日発つのだ。別に問題はな
いだろう。それに……、この村に一切の証拠を残さずに帰るのも、なんだかシャクだった。
「……まあな。古い知り合いだ」

 俺が言うと、少年は目を丸くして、それから嬉しそうに微笑んだ。

*


 結局、俺は一睡もできずに朝を迎えた。
 勘定を払って宿を後にすると、今日もいい天気だった。
「暑くなりそうだな……」
 この辺りは空気が澄んでいて、気温が上がってもそれほど不快ではない。自然と歩みが遅く
なった。こんな風に、景色を楽しみながら歩くのも悪くない。俺は歩きながら、すでにザール
ブルグに帰ってからやるべきことを頭の中で反芻していた。そうしなくてはいられなかった。
現実と向き合うには、仕事で頭をいっぱいにしてしまうのが一番手っ取り早い。そうして、村
はずれまで来たときだった。
       
「ヴェルナー! ヴェ、ル、ナーッ!」

 一瞬何事かと思った。しかし、俺を呼ぶその声は、圧倒的な力強さをともなって、俺の身体
を直撃した。ぎょっとして振り返ると、リリーがすごい勢いでこっちに走って来るのが目に入

った。俺はその場に凍りついた。リリーは俺に追いつくと、汗だくになった顔で息をはずませ
ながら、俺をにらんだ。
「馬鹿! 何で? 何で来てくれたのに、会わずに帰っちゃおうとするのよ! ……たしかに
あなた、ひねくれてるけど、そこまで変人だとは思わなかったわ! 馬鹿! もう、信じられ
ない!」
「……馬鹿馬鹿言うなよ」
 リリーの髪をまとめているフードは、半分ずり落ちかかっていた。俺は、思わずそれを直し
てやった。その手に、リリーはすがりついて来た。すがりついて、大声で泣き出した。
「何で、何でよ! 手紙を読んで、わざわざ会いに来てくれたんでしょう?」
 リリーはしゃくりあげながら言った。
「手紙……? 受け取ってないな。いつ出したんだ?」
 俺が聞くと、リリーは言った。
「……もう、半月以上前よ。ようやく国境を越える手紙が出せるようになったから……」
 俺は小さく舌打ちした。何だ。出発した直後じゃねぇか。しかし、リリーはさらに語気を荒
げた。
「……あたしに会いたくなかったの? 会いに来てくれたんじゃなかったの?」
 俺は押し黙ってしまった。会いたくないわけはねぇだろうが。
「何よ? 何で、黙ってるの? 会えない理由でもあったの?」
 涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、リリーは俺を責めた。
「……だって、会ったらおまえが困るだろう?」
 俺が言うと、リリーは唇を真一文字に引き結んで、俺の顔をじっと覗き込んだ。 
「何でよ? 何で私が困らなくちゃならないのよ!」
 俺は小さくため息をついた。
 こうなったら正直に言おう。そしてきっぱり現実と対峙しよう。
「その、な……。新婚さんの家に、昔の男が現れるわけには、いかないだろう?」
 リリーの顔が、一瞬豆鉄砲をくらった鳩みたいになった。目は大きく見開かれ、きょとんと
して俺を見つめている。
「……ここに来る途中に耳にしたんだ。錬金術アカデミーの先生が、疎開先のこの村で、若い
牧師と結婚してるってな。それで……、悪いけど、昨日見ちまったんだよ、おまえの……、幸
せそうな姿をな」
 リリーは一層目を大きくして俺を見た。俺はすぐに向きを変えて立ち去ろうとした。もうこ
れ以上、言うことはない。
「……じゃあな」
「ちょ、ちょっと待ってよ、ヴェルナー! あっ、もしかして!違うのよ、ヴェルナー! 誤
解よ! ベネディクトが、牧師様が結婚しているのは、私と一緒に錬金術アカデミーの教師を
やっている、同僚の女の子なのよ! 彼女は、こっちに来てからのあたしの一番弟子で、親友
なのよ!」
 がん、と一発、頭を殴られたような気がした。事態がよく飲み込めなかった。
「……だっておまえ、きのう、二人で子供の面倒を見てたじゃねぇか……?」
 リリーの顔が、怒りで紅潮するのが分かった。やばい。本格的に怒ってやがる……。
「見てたの? もう! 信じられない! あの子はベネディクトと彼女の子供よ! 彼女が今
遠くに採取に出ているから、私が今ちょっと、昼間の間預かっているだけなの! もう、ひど
いわ! ちょっと見ただけで、勝手に誤解して、すぐにいなくなっちゃうなんて! せっかく
……、せっかく、会いに来てくれたのに……。何でそういうことをするのよ?」
「だって、俺の預けた指輪も、してねぇみたいだし……」
 言い訳がましく俺が弁解すると、リリーは無言で、首にかけた銀の鎖を引っ張り上げた。そこ
についていたのは……、見間違えるわけはない。俺が預けた指輪だ。
「調合するときに、薬液がかかって変色したりすると困るから、ずっと、こうやって、ペンダン
トにして首にかけていたの! もう、早とちり! 馬鹿! 大馬鹿あっ!」
  リリーは俺を、握り締めた両手でぽかぽか叩き出した。
「……うるせぇ……」
 そう言って、俺は、俺を叩き続ける彼女の手首をつかむと、その唇を、自分の唇でふさいだ。

 久しぶりに抱きしめるリリーの身体は、ここいらに生えている瑞々しい草の匂いがした。
       

   
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「……このように、アルテナ様の御慈悲は、限りなく深いものです。それでは、これから誓約式
を執り行います。汝、この者を終生の伴侶となし、いかなるときも共にあることを、アルテナ様
の御前にて誓いますか、リリー?」
 クルト神父はおごそかに、しかしなぜだか妙に嬉しそうに言いながら、リリーの顔を見た。
 はい、誓います、とリリーは言った。純白に水色のパイピングが施されたドレスは、彼女の清
廉さをいっそうひきたてていた。フローベル教会は、いつもの静けさとはうって変わって、満員
の人々のざわめきと笑顔に溢れていた。
 こういうのは苦手なんだが……、仕方ない。俺はどっちにしろ、店を処分する算段をしにいっ
たんザールブルグに戻らなければならなかったし、何よりリリーが、ザールブルグの友人たちに
元気な顔を見せて、フローベル教会で式を挙げたがったのだ。
 クルト神父はおごそかにうなずくと、今度は俺の顔を見た。真面目くさった顔をしてはいたが
……、目だけが、まるで珍しい動物でも見るような、好奇の光で輝いていやがった。  
 この野郎……! 俺が神妙にしているのが、そんなにおかしいのかよ……、俺はそう思ったが
努めて平静を装った。
「では、汝、この者を終生の伴侶となし、いかなるときも共にあることを、アルテナ様の御前に
て誓いますか、ヴェルナー・グレーテンタール?」
 はい、誓います、と俺は言った。神様に誓約するのなんか、生まれてはじめてだ。

 その瞬間、背後でヒキガエルを踏みつぶしたような声がした。

「グブッ……、グブブブブッ、……、うっ、クッ、クククククッ、ゲホッ……」

 あの声は……、カリンのやつだな。ちくしょう。笑いをこらえて、むせて咳までしやがって。

 俺がそう思った瞬間、こんどは鈴を振るような笑い声が聞こえてきた。

「ウフフフフフフ、フフ、フフフッ、キャハハハハハ……」

 こんどはエルザかよ。勘弁してくれ。

「ククッ、クッ、クッ、クスクスクスクスクス……」

  なんだよ、シスカまで……。女ってやつは、まったく遠慮がねえな……。

「ぶはあっ……、く、苦しい……」

 ……ハインツの旦那もかよ!?
 目眩を起こしそうになりながら、それでも俺が冷静さを装って、そっと横を見ると、リリーの
頬が心なしか上気して、うっすらと赤く染まっているのが目に入った。

*


「もう、行っちゃうんですか、先生?」
  出発際に、イングリドは今にも泣き出しそうな顔でリリーの顔を見つめた。
「ごめんね。向こうはここほど裕福じゃないし、施設も整ってないから、まだまだ仕事は山積み
だし……。早く戻ってあげないといけないのよ」
 すまなそうに、リリーは言った。
「そんな、駄々をこねて先生を困らせるもんじゃないわ! あんたって、本当に子供よね、イン
グリド!」
 横からヘルミーナが声を荒げた。
「うっるさいわねぇ、あたしのどこが子供なのよ! そういうことは、雷が鳴ったぐらいで、ぎ
ゃあぎゃあ怖がるのをやめてから言いなさいよね!」
 イングリドは口を尖らせて言った。それを聞いて、ヘルミーナは真っ赤になった。
「何ですってえ!」
「こらこら、二人とも、ケンカはやめなさぁいっ! もう、あなたたち、ちっとも変わってない
のねぇ……」
 リリーは、小さくため息をつくと、困ったように微笑んだ。
「それじゃあ、ドルニエ先生」
「ああ。気をつけてお帰り。でも、リリー、覚えておいてほしい、ここはリリーにとって、第二
の故郷だ。何か困ったことがあったら、いつでも相談に乗ろう」
「先生……。ありがとうございます。向こうはまだここほど研究水準が高くないんです。私も精
一杯努力しますが、優秀な生徒がいたら、推薦状を書きますから、こちらのアカデミーに留学さ
せてはくれませんか?」
「いいとも。リリーのお眼鏡にかなうような生徒なら、いつでも大歓迎だよ」
 ドルニエはにっこり微笑むと、力強くうなずいた。


   
   6 

 
「やっと、帰って来たわねえ」
 風に吹かれて、リリーは愛おしそうに、教会の裏庭につくられた菜園をながめた。午後の日差
しの中、この庭の草花は自らの生命力を誇るかのように、繁茂している。風が巻き起こるたびに、
生命が吹き上げられていく。
「でも……、ヴェルナー、お店は、本当によかったの? ……お父さんの、唯一の形見だったん
でしょ?」
 その風がリリーの柔らかな髪を吹き上げ、リボンが揺れた。俺は目を細めた。
「いいんだ。俺はやっと、天職ってやつをみつけたからな。この商売、ペンと紙さえあればどこ
でもできる」
 リリーの顔が、ぱっと明るくなった。
「それにしても、気前がいいわよねえ、ヴェルナー。あの建物、まるごと、破格でヨーゼフさん
に譲っちゃうなんて」
 俺はくるくると動くリリーの目をのぞき込んで、言った。
「安くなんかねえさ。俺の価格設定は、いつだって適正だ」
 リリーはくすくす笑いながら、言った。
「ふふ、そういうことにしておきましょう。あっ、大変、雑草がこんなに生えてる! 草むしり
しなくちゃ。ねえ、ヴェルナー、書き物もいいけど、たまには畑を手伝ってくれるんでしょう?」
  リリーの琥珀色の瞳に、俺の顔が映っているのが見えた。
「やなこった。あいにく俺は、ナイフより重いものは持たない主義なんでな。鍬だの鋤だのは…
…、性に合わねぇ」
 にやり、と笑って俺が言うと、リリーはむくれて俺に背を向けた。
「もう、意地悪! 嫌いよ!」
 その小さな背中を、俺は後ろからそっと抱きしめて、つぶやいた。
「嘘に決まってるだろ。分かってるくせに、そういちいちむくれるなよ……」
 柔らかな風が、また、吹き上げてきた。

 これからはこの庭園が俺たちの世界、俺たちの国……、そんなことを考えながら、俺は、太陽の
匂いのするリリーの髪に、そっと口づけた。
                                            
                                     
                                                〜fin〜


後書き

 この話は、ゼロEDクリア後、思わず書いてしまったものです。当時は資料などもとくに参照せず、
かなりの部分、思い込みで書いていた傾向があり、私としてはいろいろと反省の多い作品です。が、
……なぜか今まで書いたヴェルリリSSの中で、一番評判が良かった作品でもあります(笑)。いつも
お世話になっているLiebring様への初投稿作ということもあり、思い出深い作品ではあるのですが、
自サイトを立ち上げるのに際して、ずいぶんと推敲いたしました。                
 一番大きいのは、時間の数え方が初出と違う点です。当初は、「ゲーム中はサザエさんタイム(ド
ラえもんタイムでも可。つまり、ゲーム中はキャラが歳を取らないということ)」という時間換算で
書いていたため、ヴェルナーとリリーの離れていた時間がもっと長かったのですが、今回短縮して4
年間と少し、との設定になりました(笑)。前作の方が良かった! という方、誠に申し訳ありませ
ん(汗)。でもでも、納得行かなかったんです〜(涙)。と、いうわけで、きちんとゲーム中で5年
間歳を取った二人が別れて再会したときには、ヴェルナー31歳、リリー26歳になった、というつ
もりで書いています。なかなかに大人な(?)カップルですね、はい(笑)。 
 ちなみに。                 
 この作品には、かなりの部分未発表になっている箇所があります。最初に書いていたときには、二
人が再会した日から翌日までの出来事をもう少し細かく書いていたのですが……。え〜(汗)、(裏
と言うほどのものではないのですが)乙女の楽園に提出すべき内容から少々はみ出してしまった(?)
ためと、オリキャラのサイドストーリーが多めに入りすぎ、物語の構造が複雑になりすぎたため、そ
の箇所は全面的にカットしてあります(ベネディクト牧師夫妻の馴れ初めなんかも出てきます)。  
 いずれ機会がありましたら、何らかの形で、その「庭園の王国〜インテグラル〜」ヴァージョンも
発表できたらいいなあ、という野望は抱いております(笑)(2002年8月)。   


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