2002.11.5を以て碧電は2周年を迎えることができました。それを記念した初めての試みとして、週替わりの特集を組みました。初回が11月5日火曜日でしたので、最終回まで火曜日夜のアップを守り続けてきました。
●対象車両
鉄道車両の世界では優等列車用として製作された車両も経年と共に格下げされるのが常ですが、何らかの理由によって本来の用途よりも上位の列車に使われる車両が存在します。「田園茶屋」で紹介中の私鉄の機関車にも通ずるところがありますが、どちらかというと地味で、脇役の車両が表舞台に立つ姿には私自身たいへん興味を引かれます。
本特集では主に改造を受けることによって本来製造された時よりも上位の種別の列車に使用されるようになった車両を対象とします。あまり厳密に定義することなく、「出世したな」と思わせる車両は柔軟に取り上げていますが、感覚的な独断が多分に働いている点をお許し願います。
●掲載済み車両
第1回:近鉄680系(02.11.05)
合併された近鉄の特急になったシンデレラ
第2回:国鉄157系(02.11.12)
少数派にも関わらず、多彩な列車名を名乗った薄命の名車
第3回:名鉄キハ8000系(02.11.19)
パノラマカー並の連続窓に気動車特急塗装が優雅だった国鉄初の私鉄車両による特急
第4回:国鉄東京南局スロ81系(02.11.26)
木造客車の鋼体化改造車が3段階の改造を経てオールグリーン車指定席の特急列車に!
第5回:国鉄キハ59系「アルファ・コンチネンタルエクスプレス」(02.12.3)
ホテルとのタイアップで登場した国鉄初のリゾート列車
第6回:国鉄キロ65「ゆぅトピア和倉」(02.12.10)
元祖「ぶら下がり」プチDC特急
第7回:JR四国「アイランドエクスプレス四国」(02.12.17)
通勤通学用客車が四国の看板ジョイフルトレインに変身
第8回:JR西日本「ゴールデンエクスプレス アストル」(02.12.24)
「ゆぅトピア和倉」の後輩。昭和時代、皇太子ご夫妻もご乗車。 2003.7.13 マッチャン様より2代目中間車キロ29554の改造前の画像を提供いただき、WEST様に同車の車歴を調査いただきました。
第9回:JR西日本 キハ65600形「エーデル丹後」(02.12.31)
強力型急行DCキハ65が優しく親しみやすいイメージに
第10回:JR北海道 キハ400、480形(03.1.7)
キハ40がキハ183系並のハイグレード車に
第11回:JR西日本 キハ65700形「エーデル鳥取」(03.1.14)
たった5両で毎日走り続けた頑張屋
第12回:JR北海道 ED76551(03.1.21)
北海道のローカルELが豪華寝台特急の牽引機に
第13回:JR東日本、北海道 マニ24(03.1.28)
10年未満でお役ご免の最新型荷物車が「北斗星」に
第14回:JR西日本キハ65610「リゾート&シュプール」(03.2.4)
左右非対称顔のエーデル中間車、特急充当回数では負けず劣らず
第15回:JR西日本スハ25300、オハ25300(03.2.11)
角が生えたオハ12が寝台特急の仲間入り
第16回:JR西日本キハ65800「エーデル北近畿」(03.2.18)
赤青逆転してエーデルシリーズさらなる躍進
第17回:JR西日本キハ587301「エーデル北近畿」増結車(03.2.25)
非パノラミックウインドーのキハ58が特急列車の先頭に!
第18回:JR東日本 キハ110系300(03.3.4)
キハ110系から1年間の期限付きながらも特急用を輩出
第19回:阪神電鉄 8000系リニューアル車(03.3.11)
転換クロスシートを装備して直通特急にふさわしいグレードに
第20回:名鉄 モ510、520(03.3.18)
40才を過ぎて直通急行に抜擢
第21回:国鉄EF65535〜542(03.3.25)
貨物用から特急塗装に衣替えしてブルートレイン牽引機に
第22回:JR九州キハ70、71「ゆふいんの森T」(03.4.1)
改造車ながらも高い人気を維持する看板特急
第23回:JR東海「ユーロライナー」(個室車)(03.4.8)
登場初期の頃、帰省客輸送の臨時特急で異彩を放つ
2003.5.5 吉野富雄様より金星充当時のコンパートメント車の写真を提供いただきました。
第24回:JR東日本DE10「あけぼの」牽引機(03.4.15)
奥羽本線の改軌工事がもたらしたDE10のブルートレイン
第25回:JR東日本DD51842(03.4.22)
平成に入ってからも3回のお召し列車を牽引
第26回:住友大阪セメント「いぶき500」(大井川鐵道、三岐鉄道ED501)(03.4.29)
セメント工場専用線の機関車が旅客列車牽引や国家プロジェクトの重責を担う
第27回:近鉄モ5821形(特急「かもしか号」)(03.5.6)
伊勢育ちの一般車が吉野特急に転身
第28回:名鉄モ900形(03.5.13)
赤いパノラマカーも真っ青、ミュージックホーン付きの旧形特急
瀬戸鉄道倶楽部山田さん、鈴木さん「モ900形の印象」、元モ900形運転士、Aさんのインタビューはモ900形の印象
最終回:JR東日本「リゾートしらかみ」(03.5.20)
快速列車ながら特急用にも負けない出来栄え、人気。
●あとがき
碧電初の週刊企画「出世した車両たち」。おかげさまで最終回まで毎週火曜日夜更新を守り通すことができました。こうして29回の連載を振り返ると、我ながらよくもこれだけ各地へ出掛けたものだと感慨深いものを感じます。年代によっては自ら撮影することができず、掲載を見送った形式もありますが、当初考えていた以上のボリュームになりました。
雑誌で掲載された写真や撮影に苦労した作品など、「とっておきの1コマ」も惜しみなく使ったつもりですがいかがでしたでしょうか。もし皆様にとっても思い入れのある車両がありましたら、また、未掲載車種のご推薦やご意見など、ぜひともお聞かせいただければ幸いです。
●謝辞
吉野富雄さんには毎回のご感想に始まり、解説、写真のご提供など多大なるご支援をいただきました。
小林大士さんには未撮影であったマニ24形の目撃情報をご提供いただき、無事に撮影することができました。現役車両に「穴」を作らずに済むとは思いも寄りませんでした。
参考サイトとしてのリンクに快く応じて下さいました和寒様、吉岡忠久様、南野哲志様に謝意を表します。
また、シリーズ中最大のボリュームとなった名鉄モ900ではTADA様、山田司様、鈴木裕幸様、元運転士A様にはたいへんお世話になりました。
そして、半年以上に渡って本シリーズをご愛読いただきました皆様にお礼申し上げます。
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