クランクアップタワーにシャントフィードで160mにQRV
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160mバンドのQRVするためには、どのようなアンテナがあり、トップバンダーと言われているOM諸氏がどのようなアンテナを使用しているのか見聞したところ、一般的にλ/4のスロパーやタワードライブ(シャントフィードアンテナ)を使われているようだったので、両方のアンテナを試してしてみた。
私の場合、スロパーアンテナを約2年ほど使用した。
エレメントが40m以上あり、隣地が空き地でだったのでなんとかエレメントを曲げることなく設置できましたが、タワーに設置してあるアンテナの向きを変えるとSWRが変化してしまったり、地面の湿度変化の影響だと思われますが、雨天と晴天で大きくSWRが変化したりと、安定感に欠けるアンテナでした。
そこで、敷地に影響されることのないシャントフィードアンテナを実験してみました。 なんと言っても、長いエレメントを引き廻さなくて済むので私には最良です。
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シャント線 |
シャントフィード アンテナは、タワー自体をアンテナとして動作させるアンテナで、形式的にはフォールデットダイポールの片側半分を垂直に立てたようなアンテナです。
シャントフィードを設置するにはいくつかの条件が必要です。
1.15m以上のタワーが必要(出来れば20m超が望ましい)
2.タワーの上にある程度の大きさのアンテナが設置してあること
3.タワーがしっかりアースされていること(アースが不十分な場合は、アース棒やアース線を設置する必要があります)
以上の条件を満たせばOKです。
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タワーに設置されているアンテナ
クリエート 214A(14/21MHz 3/4ELE)
クリエート AFA-40(7MHz2ELE)
ナガラ T3-3VXX(10/18/24MHz 3ELE) |
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オークションで入手したバリコン
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シャントフィードアンテナは、タワー本体に給電、つまり「タワー自体をアンテナとしてしまうものです。OM各氏が色々実験をされていて、そのノウハウがWeb上にも沢山示されていますし、なんと言っても、長いエレメントを引き廻さなくて済むので良いと思い設置してみました。
給電は、3.5kV耐圧の200pFバリコンと、JA1EBB出野OMが考案されたマルチアンアンの組み合わせにしました。
バリコンは、オークションで入手。(非常に程度の良いものが入手できました。)新品だと結構良い値段してしまいます。
シャントフィードを実際にお使いの OM諸氏は、バキュームコンデンサをお使いの方が多いのですが、高額で手が出ないので、エアバリコンです。極力耐電圧の大きいものがFBだと思いますが、大型になってしまう欠点があります。
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マルチアンアン
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インピーダンス整合用のマルチアンアンは、フェライトコア FT240−#77を使用しました。
1.2mmのPUWを8本重ねて9ターンさせます。
8本のワイヤーを順番に接続し9個の端子を作ります。
耐電圧が必要なら、巻数は極力少ない方が良いようです。
大電力だと発熱が起こり、コアーの温度が上昇して特性が変化してしまったり、コア自体が破損してしまったりするそうです。
私の環境じゃ心配ありませんから9ターンですけどね。
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INPUT(50Ω) |
OUTPUT端子 |
9-1(8T=64) |
9-2(7T=49) |
9-3(6T=36) |
9-4(5T=25) |
9-5(4T=16) |
9-6(3T=9) |
9-7(2T=4) |
1-9(8T=64) |
50 |
65.3 |
88.9 |
128 |
200 |
355 |
800 |
1-8(7T=49) |
38.3 |
50 |
68 |
98 |
153 |
272 |
612 |
1-7(6T=36) |
28.1 |
36.7 |
50 |
72 |
112.5 |
200 |
450 |
1-6(5T=25) |
19.5 |
25.5 |
34.7 |
50 |
78.1 |
138.8 |
312 |
1-5(4T=16) |
12.5 |
16.3 |
22.2 |
32 |
50 |
88.8 |
200 |
1-4(3T=9) |
7 |
9.2 |
12.5 |
18 |
18.1 |
50 |
112 |
1-3(2T=4) |
3.1 |
4 |
5.5 |
8 |
12.5 |
22.2 |
50 |
マルチアンアンの入出力インピーダンス早見表
1.820に共振させたときのインピーダンスはZ=91.5Ω だったのでマルチアンアンの入出力早見表から入力端子3番−9番と出力端子1番−9番を選択64:36で≒1.77:1でマッチングをとりました。早見表の数値は計算上の数値で、実際の数値には若干の誤差があるようです。これは、ワイヤーをコアに巻く精度により変化するようです。
本来は、8本のワイヤーを均一により線にして巻くのがベターなのですが、流石に8本の1.2mmのPUW線をより線にして巻くことが私には出来ませんでした。
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マッチングBOX
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マッチングBOXはホームセンターで売られている防雨タイプのものを使用。
バリコンは、BOXに付属の木製配電板にL型アクリル板を使い固定しました。
マルチアンアンは、35mmフィルムのケースキャップを押えにして全体をアクリル板で覆い固定しています。タップで簡単に入力端子を変更できるようにしてあります。(本当は出力側も簡単に変更できるようにしておけばよかった) |
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シャントフィード線とタワーの間隔は300mmに設定しました。
シャントフィード線 とタワーの間隔が、広がると給電店インピーダンスが高くなっていき、狭くすると、その逆です。設置される環境によってその値は異なりますので調整してください。
シャントフィード線のガイドアームは塩ビのT(チーズ)を縦に切断して、タワーの主管にステンレスバンドで固定してあります。アーム部分は、肉厚の塩ビパイプです。 |

ちょっと見づらいですがタワー左側の線がシャントフィード線
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同軸ケーブルに変更したシャントフィード線
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設置したタワーは、全長21.3mのTriex社のLM470D クランクアップタワーです。
マッチングボックスはタワーの根元に設置し、給電部はほぼタワートップで、シャントフィード線の長さは、約21mになります。
実は、はじめはタワーの3段目約16mの位置に給電部を設置したのですが、共振してくれませんでした。Hi
シャントフィード線は、初めは1.25sqのビニール被覆線を使用していましたが、 1.25sqのビニール被覆線は強風の時にタワーをクランクダウンしている時にからんでしまったり、クランクアップ時に軽量のために引っ掛かって切断してしまうことが何度か発生したので、重量のある同軸ケーブルに変更しました。
同軸ケーブルは芯線と外編線をショートして使用しています。
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シャント部分は、アルミLアングルで作製しました。
先端にM型メスコネクターを取り付けてあり、ここにMコネクターで同軸ケーブル(シャントフィード線を)接続します。
本当は、角パイプが強度的にも理想なのですが、手持ちの材料で安く仕上げました。
タワーの主管にUボルトで留めてあるだけですので、シャント一の調整が自由に行えるようにしました。 |

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シャントフィード線は、タワーと平行な間隔で常に張った状態を保つ必要があるので、碍子を介してスプリングでテンションをかけてあります。
風が吹いた位で、シャントフィードワイヤーとタワーの間隔が変化しないようにしておきます。
さらに、スプリングはユニクロメッキなので、経年変化で絶対に錆びてきますのでテンションが掛かって伸びた状態で、アクリル系のスプレー塗料で塗装しておきました。 |
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シャントフィード線は、現在は4CFV同軸ケーブルに交換しましたが、タワーとの間隔を保つためにスプリングとロープで常に同じ位置になるようにしました。
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タワー建塔時に、基礎底に900×900の銅版を埋設してあるので、そこそこアースは効いているようではあるが、安定的に動作させるために、タワー基部から40mのラジアル線を何本か設定するとFBかもしれません。
となると、結局は広い敷地が必要になってしまいます。
理想は真っ直ぐにラジアル線を設置することですが、ジグザグの設置でも、ないよりはましかもしれませんので、今後の課題とします。 |

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満足のできる値になりましたが、もう少し良くなるはずです。
マルチアンアンの入出力の調整が、まだまだ甘いです。
バンド内SWRは広帯域です。
1.820MHz=SWR 1.10
共振周波数は1.830当たりなので、ほぼ良好な状態ではありますが、もう少しシャントフィード線とタワーの間隔の調整もしくはシャント線の太さを変更して調整が必要なのかもしれせん。
給電点の位置は良いとは思っているのですが・・・・・・・・・ |

SWR
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