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TOP mook 動物ジャーナル バックナンバー 動物ジャーナル75・東日本大震災物故動物のための法要・ご報告

■ 動物ジャーナル75 2011 秋  

  東日本大震災物故動物のための法要・ご報告

動物虐待防止会


 十月五日 念願の法要は福島県伊達市霊山町の普光寺さまにおいて、おごそかに行われました。
 午前十時からの予定に従い、私どもは主催者としてかなり早めに到着しましたが、すぐに続々と檀家総代の方々、ご詠歌の方々が見えられ、それはご住職のお手配と判り、感謝のみ。
 前回記しました通り「三仏事」でお願いしましたので、導師=普光寺ご住職・大室英爾老師、維那兼 堂行=三乗院ご住職・大室俊英老師、侍者=成願寺ご住職・佐藤俊道老師、お三方に執行していただくことになりました。
 ちなみに、維那のお役は回向文を読むこと、堂行のそれは木魚と?子を担当、侍者のお役は導師のお世話と参拝者の誘導 とのことです。
 さて、本堂須弥壇にはご本尊 釈迦牟尼仏がおわしまし、当日のお供物もすでに立派に供えられていました。三人のお坊様は、中央に導師、ご本尊に向って左側に維那、右側に侍者が着座されます。
 法要は一時間ほど、参列者が着席してからお坊様方の入場〜退場まで流れるような運びで、一種の芸術のようでもありました。その式次第を記録したく、普光寺ご住職にお願いして、解説共々の書面をいただきましたので、それによって以下に説明いたします。なお俗称「式次第」は「差定(さじょう)」と称せられるそうです。

一、入堂
一、上香
一、普同三拝
一、読経「般若心経」
一、回向
一、普同三拝
以上の式を「本尊上供」と言い、供養法要に先だって執り行われる。
引続き 生類供養
一、上香
一、香語
一、読経「普門品偈」「舎利礼文」
一、焼香
一、回向
一、施主謝辞
一、散堂

 私どもの体験にもとづき、右の流れを記してみます。
 しんとなった空気の中へお坊様ご入場、着座。仏前に香を手向けられ、全員で合掌し三度拝礼。一同で般若心経を読誦、導師ご回向、再び一同の三拝。ここまでがご本尊へのいわばご挨拶・お願いの式と理解しました。
 次いで眼目である生類の供養となります。
 導師が香をたてまつり、「香語」を述べられました。(これについては後に説明いたします。)それから一同で読経をささげ、参会者順次にお焼香をしました。そして私どもの思いを籠めた回向文が読み上げられました。(この回向文は本書初頁に掲げてあります。)耳で聞くこの文言は荘重で、意味・意図の深甚をいっそう痛感させられるものでした。最後に施主=青島がお礼の言葉を述べました。思い出すと顔から火が出そうな、ドジなご挨拶しかできませんでしたが。私が席に戻ってから、お坊様方の退場、散会となりました。


 右「差定」の内の「香語」を伺っている間、私どもの祈念するところを十分に表現して下さってあることに感激してしまいました。それで、当日読み上げられた全文を強引にコピーで頂き、ここに写しますので、大室英爾老師の達筆と共にご鑑賞(不謹慎ですが)いただければと思います。私個人として「羽毛鱗介」の語が響いてきた時、ほんとうに嬉しくなりました。
 法要終了後、参会の方々をお見送りし、お坊様方へお布施(当会用意のものと当会有志よりお預り分と)をさし上げ、お斎の場へ移動。すぐ近くと聞いていましたが、けっこう時間もかかり、ようやく感謝のお食事会です。精進料理はきめ細かな配慮がありありと見え、楽しく美味しくいただきました。

 以後のご予定ありということでお坊様方は先にお立ちになり、主催者たちはこのレストランのバスで福島駅まで送っていただきました。途中俄雨が猛然と降りかかって、何かのお咎めかとぞっとしましたが、無事到着、苦海の所念を洗い流されたものと考えることにします。
 以上で法要当日のご報告を終ります。

 今回のこの法要については、八月初めにお願いに伺った時から、終って、原稿を作る段階まで、普光寺さまには大変なご面倒をおかけしました。
 三仏亊のためお手伝い下さるお寺さまへの依頼から始って、未熟者の指導、お供物やお斎会場の手配、その他関知できない事柄も多々あったと想像されます。他方、読者諸兄姉にもお心をわずらわせたことになりますし、諸方にご迷惑をかけて罪深いことをと思うかたわら、開催を喜んで下さった方も多いと知り、また「参加できないが法要の時刻に合せて黙祷します」とのお手紙も頂き、やはり実現してよかったと思わされました。
ここに結集した鎮魂の思いは必ず動物さんたちに届いたと信じ、支えて下さった皆様への感謝をしるして、ご報告といたします。