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TOP mook 動物ジャーナル バックナンバー 動物ジャーナル69・最近の報道から

■ 動物ジャーナル69 2010 春

 最近の報道から

この表題の下で、新聞記事その他から動物問題を考えるために重要と思われる情報を、要約してお伝えします。各項とも、ゴチック部分は記事中の「見出し」です。その末尾( )内に紙誌名、日付を入れ、次に要約の文章、所々の★印の下は青島の感想等です。今回は二〇一〇年四月末まで、それ以前の積残しも含めて扱いました。

ペット医療さまざま

ペット、獣医に預け行方くらます…治療費未払い深刻化( asahi.com 09・12・8)
 動物病院で治療が終っても料金を払わない飼い主が増えている。犬を受取り、会計窓口から姿をくらました男性、電話番号も住所も出鱈目だった。また、退院できると知らせた電話が通じず、自宅を訪れたら行方不明で、猫だけ病院に残された。交通事故に遭った猫の治療を依頼した二人の女性は、迎えに来ず支払いにも応じない。院長は「ボランティアと勘違いしているのでは…」と苦笑する。
 未収金が売上げの五%を超えると病院の存続が危ぶまれるという。
こういう事態を受け、08年三月に「日本獣医療問題研究会」を設立し、今年一月に都内で研究会が開かれた。顧問弁護士は「ルールを守る意識の薄い飼い主が増えているのも要因」と分析する。

「米国発=もう一つの医療改革法案「ペット控除」賛否交錯[海外エコノメール] (東京 09・9・3)

 オバマ大統領の医療保険制度改革法案に賛否が分れる中、ペットが適切な治療を受けられるように飼い主に年最大三千五百ドルの所得控除を認める内容の法案が連邦議会に提出された。
 控除の対象は、米国内で合法的に飼育されているペットが動物病院で受ける病気や怪我の治療費。販売用や研究用の動物は含まれない。ペット産業の団体は「多くのペットが必要な治療を受けられる」と支持、飼い主もいいアイディアだと歓迎している。しかしペットを飼わない人達には不評、減税のつけが自分たちに回ってくる可能性があるから。子どもの養育費をもっと控除すべきだとの声も上っている。

ペット用酸素マスク 消防署へ配備着々 犬も猫も鳥も「大事な家族」 アメリカ(赤旗 09・11・21)

[シカゴ=時事]当初、獣医師用の器具として開発されたペット用酸素マスクだが、ここ数年間で火災時の救命道具への転用が進んだ。火事で煙を吸い込み、危険な状態になった動物を蘇生させるのに効果的な手段として好評であり、消防署への導入を促すため、寄付金を募るウェブサイトも存在している。

ペットを癌から救え 台湾に専門研究センター(毎日夕刊 10・1・25)

 台湾大学に、アジア初の「動物がん医学研究センター」が設立された。同大の獣医専業学院(=獣医学部)に医学部・農学部・生命科学部・歯学部が協力し、犬や猫を中心に総合的な動物のがん治療・研究を進める。学院長は「今後の研究成果を人間のがん治療にも役立てたい」と語った。
 ペットの犬猫は約百五十万匹、家族としての意識も高まって、寿命も伸びるが、一方がん発症率が上昇している。同大動物病院には年間約二万八千匹が来院、うち千八百匹ががん患者だという。
★ 「人間の」というのがどうしてもひっかかるのですが。

犬ワクチンにウイルス 混入、感染力持つ 京大など調査(毎日 10・2・7)

 京大と英国グラスゴー大の研究チームは、日欧で販売される猫ワクチン四種、犬ワクチン十種を調べ、細胞内の染色体に侵入するレトロウイルスと呼ばれるタイプのRD114ウイルスが猫一種、犬三種に混入しているのを見つけた。同じ商品でもロットによって未混入のものもあった。混合ワクチンの製造時、ウイルスを増やすのに猫の細胞を使うので、その細胞内のウイルスが混入したかと考えられている。猫は自身が持つウイルスのため健康被害はないとみられるが、犬ワクチンは、ほとんどの犬に影響なしと思うが、年間数百万頭に接種されているので、一部が感染して変異が起きた場合、感染拡大の恐れはあるとする。
 現在動物ワクチンの製造過程では、RD114混入の検査体制はない。欧州では行政と製薬会社が分析と対策を検討している。日本でも検討を始めるべきだとウイルス研究者は言う。

不届者!

ペット販売業者が 五千万円脱税容疑 安値商法で急成長(東京夕刊 10・2・12)
 ペットショップ約四十店を全国展開する「クー・アンド・リク」が一億八千万円の所得を隠し、五千万円を脱税したとして東京国税局が告発した。05年と07年に売上の一部を除外するなどした疑い。同社は03年設立、ペットブームを背景に、生体やフードの安売り・ネット通販で急成長したという。

絶滅危惧魚 取引容疑の三人逮捕 千二百匹密漁(東京 10・1・11)

 愛知県警は、国の天然記念物で絶滅危惧種に指定された淡水魚を無許可で取引したとして、種の保存法及び文化財保護法違反の疑いで、会社員、淡水魚販売業者ら三人を逮捕した。会社員の男は十年位前から木曽川でイタセンバラを密漁、「これまでに千二百匹捕った、優越感を味わいたかった」と供述。県警は流通ルートの解明を進める。

ペンギン、カピバラ、リスザル 動物を次々盗んだ疑い 
                 長崎県警、ペットショップ経営者を追送検(毎日夕刊 10・3・9)

 福岡市のペットショップ経営者が、長崎バイオパークからフンボルトペンギンを盗んだとして起訴されたが、それ以前にもリスザル一匹、また福岡にある国営海の中道海浜公園でカピバラ一匹を盗んだことにより、追起訴された。カピバラは被告が店で飼育中に死亡、リスザルは横浜のペットショップに売却したという。ペンギンは盗み出したところを職務質問されて、無事保護された。
 海ノ中道公園によると、カピバラは昨年八月生れ、盗まれた日の夜気付いたが、タヌキかイタチに捕食されたかもと考えていた、と。
★ 公園の管理者の呑気さに呆れる。始終あることみたいですが。トキ舍に侵入したテンにしても、防ぐ態勢を怠っていたからでしょう。

「愛犬の餌代に」歯科医院を狙い、窃盗未遂の疑い(東京夕刊 10・4・24)

 四月初旬、深夜に歯科医院のドアをバールでこじ開け、金を盗もうとした男(四十三歳)が逮捕された。昨年一月以降、都内の歯科医院を中心に百件以上、五百万円位を盗んだとみられる。男は「以
前は日中に空巣を繰返していたが、
フレンチブルドッグを飼い始めてから、愛犬が寝た後に出かけるようになった。歯科医を狙ったのは、治療費が高いから金があると思った」のだそう。

謹 弔

さよなら新聞配達犬 「眠るように」ちんねん二十歳(東京夕刊 09・1・29)
 愛知県新城市の鳳来寺山。毎朝体に括り付けた袋に新聞を入れて、元飼い主の和尚さんに届けていたちんねん君は、昨年暮から寝たきり状態になったが、この十五日夜、息をひき取った。二十歳。白い雄の雑種。新聞配達は、和尚さんが修行で不在がちになるまで二年余続いたが、それを取材した本紙(中日新聞)の記事に端を発し、飼い主中根さんが童話を作るなど、全国的に話題を提供し、ファンレターも後を絶たなかった。

「野球犬」ミッキー死ぬ 広島(毎日夕刊 09・4・15)

 旧広島市民球場で、ボールの入った籠をくわえて審判に運んでいたミッキー(ゴールデンレトリーバー雄)が八日老衰で亡くなった。十一歳。05年三月デビュー、07年まで活躍。登場した試合の広島の戦績は十五勝七敗と、勝利のシンボルだった。

最高齢犬、寿命を全う アメリカ 雌のダックスフント 人間なら百四十七歳(東京夕刊 09・9 ・2)

 世界最高齢としてギネス認定された「シャネル」が老衰のため、ニューヨーク州ロングアイランド
の飼い主の許で亡くなった。二十一歳。シャネルは生後六週間で収容施設から引取られ、転属になった主人と共にドイツで九年間過した経験もある。

新幹線にタヌキ衝突(東京 09・9・22)

 二十一日午後九時頃、三島行き回送列車の運転手が異常音に気付き、新横浜駅の手前で停車、点検したところ、タヌキ一匹が死んでいた。車両に衝突したと見られる。車両や線路に異常なく、十五分後に運転を再開した。

イノシシに衝突か 車運転の女性死亡 三重(東京夕刊 09・9 ・5)

 四日午後十一時前、菰野町の町道で「道にイノシシ二頭が横たわり、そばの雑木林に横転した車が突っ込んでいる」と通報あり、四日市署員が頭を強打して死亡した女性を確認した。イノシシは親子と見られ、親は体長1.5メートル、重さ40キロ位、子は0.5メートル、10キロ位、いずれも死んでいた。付近では山から下りてくるイノシシがよく目撃されるという。

丑年でも「亥」増殖中 ベルリン(東京夕刊 09・3・26)

 首都がイノシシの大群に占拠されるとでも言いたげな新聞記事。緑の多いベルリンだが、この数年は中心部に迫り来る勢いだ。現在約一万頭、昨年より三千頭増えた。都市部では、ピザ・肉・野菜と栄養満点のゴミが成長を早め、出産可能の年齢が三歳から一歳まで下って増加が加速しているというのが狩猟専門家の見方だ。「駆除」の射殺も今年は三千頭に上りそうだという。

この魚、暴食につき 多摩川にコクチバス生息確認 伝統漁法も駆使、今日初駆除(東京夕刊 09・10・25)

 コクチバスはブラックバスの一種、成長すると五十cm位になる。バス釣り愛好家らの放流で全国的に生息するようになった。多摩川では昨夏、中流域で稚魚四十数匹を見つけ、今年八月に二十cm位になった成魚十匹以上確認、このままでは鮎・鱒・岩魚などが食べられるし、生態系に影響ありとして、中上流域を管轄する秋川漁協が投網や「さくり」という方法で捕獲することにした。

ツチクジラ一頭、初水揚げ [熱気球] 欄 (東京 09・6・22)

 国際捕鯨委員会の規制枠外の、小型沿岸捕鯨が解禁になり、南房総の和田漁港で十?以上あるツチクジラが捕獲された。肉は冷凍されるほか、鮮魚商や加工業者に販売された。
 同漁港は伝統漁法を守るため認められている四カ所の一。八月末まで房総沖の二十六頭を捕獲できる。

打ち上げられたクジラ力尽きる 千葉の海水浴場(毎日夕刊 09・7 ・2)

 一日早朝、十メートル位の鯨が波打際で動けなくなっているのが発見されたが、二日朝には完全に砂浜に打上げられて衰弱し、午前十時頃息が絶えた。マッコウクジラと見られ、漁協などが外洋に戻す方法を検討していたが、叶わなかった

ヤモリ受難 インドネシア 漢方目的、捕獲が急増(赤旗 10・2 ・1)

[ジャカルタ=時事]東南アジアなどに生息し、最大で体長三十cmになる「トッケイヤモリ」は「肌の痒みなどに効く」漢方薬の原料として取引される。林業省は捕獲数を制限し、昨年は五万匹としたが、ある業者は「約十万匹輸出した。需要は百万匹だったが」と話す。熱帯病研究者は「虫を捕食するヤモリが減少すると、熱帯病を媒介する虫が増加し、病気が増える」と警告している。

動物園のトラが殺される(赤旗 09・8・25)

[ジャカルタ=時事]二十四日付『ジャカルタ・グローブ』紙によると、スマトラ島ジャンビ州の動物園で、絶滅危惧種のスマトラトラが殺され、毛皮を剥がれて盗まれる事件があった。警察当局は密売組織の犯行と見て捜査している。

死の動物園 ダッカ 九ヶ月で 二十一頭  (毎日 09・9・23)

 バングラデシュの首都ダッカの動物園で、今年に入ってベンガルトラ、ライオン、シマウマ、バクなど二十一頭が死んだ。管理上の問題があったとして飼育員二人が停職処分を受ける騒ぎに発展している。同国の野生動物保護活動家は「動物の食習慣や野生環境に無知な獣医らによって運営され、檻や囲いも国際基準を満たしていない」と批判。唯一人いる獣医は自然死を主張するが、スタッフの経験不足や設備の不十分も認めている。

犬舍が火災 百九十匹?焼死 茨城のブリーダー(東京夕刊 09・6・22)

 坂東市のブリーダー会社から出火、木造平屋と犬舍六棟が焼けた。
飼育していた犬のうち約十匹を従業員が連れ出したが、残りは救出できなかったもよう。ポメラニアン、チワワなど二十〜三十種類の小型犬を中心に二百匹位を飼っていた。被害総額は二千〜三千万円とみられる。

豚舎全焼 三百七十五匹死ぬ 愛知(東京夕刊 10・2・22)

 二十二日午前二時ごろ、田原市の養豚業の豚舎から出火、木造平屋約四百七十平方メートルを全焼、中の豚は焼死した。子豚用に終日ガスヒーターを入れていたという。

伊藤ハム所有の牛四頭 切られ、一頭死ぬ(毎日夕刊 09・9・11)

 兵庫県三田市の牛舎の管理人から、伊藤ハム所有の牛四頭が切りつけられたと、110番通報があった。うち一歳の一頭は足首を切られ、失血死。先月二十七日にも十一頭が額などを切られる被害があった。三田署は器物損壊容疑で捜査している

部活中、ハト殺させる コーチ、生徒に指示 高知の中学(朝日 09・3・14)

 高知市立中学校の男子バスケットボール部で外部コーチを務める五十九歳の男性コーチが、昨年十二月に県立高校で合同練習をした際、敷地にいたハトがうるさいと、生徒二人に二羽を殺させたことが判明した。高知市教育委員会は「子どもの心に与えた影響は大きい。男性は教員ではないので処分ができない」と話した。

穀物に毒?ハトの大量死、また鹿児島で(YOMIURI ONNLINE 09・9・14)

 鹿児島市の中心街にある公園や小学校の敷地など六ヶ所で、十三日から十四日にかけてハト八十五羽とスズメ六羽の死骸が見つかった。現場には変色した穀物や鳥が吐いたと見られるものが残り、鹿児島中央署は鑑定の結果毒物が確認された場合は鳥獣保護法違反の容疑で捜査する。
 同市内の別の公園でも、八月上旬にハト十数羽が死んでいるのが見つかっている。

ハト百羽の死骸(東京 09・5・19)

 山形県寒河江市の農業用水路約三百メートルにわたり、ハト約百羽の死骸が放置されているのが確認された。いずれも人為的に殺された痕跡があり、寒河江署は動物愛護管理法違反などの疑いで調べている。

カラス四十一羽不審死 南足柄の山林 (毎日 09・4・6)

 神奈川県南足柄市の山林でカラスが死んでいると、通行人から市役所へ通報があった。県政総合センターで調べたところ、目立つ外傷はなく、鳥インフルエンザの検査も陰性だった。毒物の影響は不明。国立環境研究所へ検体を送り、詳しく調べるという。

オジロワシ 衝突死続出 北海道の「風車」  (東京 09・5・11)

 苫前町の日本海沿いに設置された風力発電用風車に、国の天然記念物オジロワシが衝突する事故が相次いでいる。三月から四月にかけて既に三羽が犠牲に。環境省によると、道内ではここ数年、年間三〜五件発生しているとのこと。温暖化防止のために風力発電も必要だが、設置決定には希少動物の生息域も考慮してほしいと専門家は言う。
合 掌

記事のご送付 ありがとうございました。