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TOP mook 動物ジャーナル バックナンバー 動物ジャーナル66・最近の報道から

■ 動物ジャーナル 66 2009 夏

  最近の報道から


この表題の下で、新聞記事その他から、動物問題を考えるために重要と思われる情報を、要約してお伝えします。各項とも、ゴチック部分は記事の『見出し』です。その末尾( )内に紙誌名、日付を入れ、次に要約の文章、所々の★印の下は青島の感想等です。今回は二〇〇九年六月末まで。普通の人の動物への感情がわかる投書を中心に集めてみました。

一般記事より

ウサギ避けようと二百メートル転落 谷に三日間、五十八歳救助(毎日 08・11・12)
 岐阜県海津市の県道脇の谷から助けを求めている男性を通行人が発見、県警ヘリコプターで救助した。男性は路に飛び出してきたウサギを避けようとしてハンドルを切ったとき転落したという。車は谷の途中の緩やかな場所に引っかかっていた。
★ 男性は左足に擦り傷があった程度、緩やかな所に止れたのはウサさんの御礼でしょう。
 以前から、動物を避けようとして、という報道はかなりありました。

「話さないと飼い猫ミイラに」 警察庁、取調べ監督制度 二十四件問題あり(毎日夕刊 09・4・2)
 昨年九月に試験運用が始った取調べ監督制度の七ヶ月間の問題行為が発表された。「深夜、長時間」などの他に、早く話さないと飼い猫がミイラになると言うなど「不安を覚えさせる言動」が二件。取調室を使う全ての事件を対象としたが、警察庁は「供述の任意性に影響はなかった」としている。
★ 弱いところを突くのは卑怯ですが、飼い猫への愛情を確信している取調べ官はあっぱれ。

投書より

ハトを見届けて動き出したバス 主婦 55歳(毎日 07・11・22)
 小雨の日、バスを利用した。進行方向に一羽のハトが餌を見つけたのか舞い降りた。バスが近づいても動かない。バスはゆっくり止り、軽くクラクションを鳴らした。ようやく飛び立ったハトを見届けて、バスが動き出した。
 運転手さんのさりげない行動に、一日中穏やかな気持に包まれた。

雀と孫 忘れ得ぬ思い出 会社役員 57歳  (東京 05・1・25)
 孫の生まれる前から雀を飼っていたが、孫は一歳ごろからこの雀と遊んで育ち、餌や水の交換を手伝ってくれた。
 雀の名はモモちゃん、孫の手渡しのパンをよく食べたモモだが、孫が二歳のとき死んでしまい、庭に葬った。でも、孫は食堂の窓際に雀が来ると「モモちゃんおいで」と大声で呼ぶ。三歳過ぎたころからよくしゃべるようになったが、炬燵の上のペットボトルの水をじっと見ているので「飲んでいいよ」と言うと「だめ、これモモちゃんの!」と。モモのことを忘れかけていた妻と私は顔を見合せ、涙がにじんできた。

文鳥慈しむわが子を見て安心 主婦 36歳  (毎日 09・7・3)
 小学二年生の長男に誕生日のプレゼントにねだられ、小さな文鳥が新しい家族になった。上手に飼えば七年か八年は生きるという。息子がその命を十分に慈しむことができるか不安だったが杞憂だった。
 朝晩声をかけたり、懐いてきたと喜んだり、時には?出身地?に思いをはせたり…。友達も「文鳥さんどうしてる?」と言って部屋に入ってくる。この先も、小さなパートナーとして大切にしてくれるに違いない。

飼い主の愛 鳥に伝わる 中学生13歳(東京 08・7・7)
 この前、新聞に「サッカー遊び大好きなセキセイインコ」という記事があった。お気に入りの鈴を蹴ったり、上に乗って転がしたり出来るそうだ。ドリブルもするという。
 とても頭がいいんだろう。だけど、飼っている人の愛情が一番の理由だと思う。ほったらかしにしていたら、慣れるわけがないからだ。どんな生きものだって大切にしてあげれば、このインコのようになるだろう。

ハトの親子の帰りを待つ老夫婦 主婦 75歳(毎日 08・5・21)
 老夫婦の日常は変化に乏しい。だが、ある日の夫の叫びにも似た声から変化が起きた。軒先にハトが巣作りをしていた。初めてのことだ。わが家を「子育てに安全な場所」と見定めてくれたようだ。私たちも協力せねばと、洗濯物は二階に干し、ドアの開閉にも細心の注意を払うことにした。
 夫が巣をのぞいてみると、子バト二羽が身を寄せ合っていた。親の嘴から餌をもらう、微笑ましい光景を私たちは飽きもせずに眺めた。すでに巣立って、ちょっと寂しい。近所でハトを見る度に「あの親子よ」と言っている。夫は庭に餌台まで作って帰りを待っている。

「可愛い」より「可哀そう」なのに 会社員 52歳(毎日 07・11・21)
 近くのホームセンターのペット売り場には人が絶えない。「カワイイ」の声があちこちで聞える。動物たちはまだ親に甘えたい盛りだ。なのに一匹ずつ狭い籠に入れられ、排泄物で身体を汚している姿は「可哀そう」だ。早くこの狭い世界から出たいだろうが、買い(飼い)主はなかなかつかない。しかし世の中、そんな機会にも恵まれない動物がたくさんいる。野良たちだ。ペットブームで華やかなのはほんの一握り。私たちは心のパートナーとして真剣に考えなければならない。彼らは単なる人気商品でも遊び相手でもないのだ。

動物の感情 忘れないで 高校生 18歳(東京 08・9・29)
 近ごろ動物への虐待や飼育放棄の問題が相次いでいます。私は動物が大好きなので、とても関心があります。小学校三年生のとき犬を飼ったことがきっかけです。初めは散歩やしつけなど困ることがありましたが、今は彼女ととても分り合うことができます。涙を流したときにはなめて傍にいてくれます。動物は私たちと同じように豊かな感情を持っています。虐待されたり捨てられたりしたら、当然心の中では大粒の涙を流しています。私たち人間が動物の涙を拭ってあげたいと思います。

赤とんぼ、ご先祖さまの化身だよ 主婦 53歳 (毎日 05・8・28)
 
「赤とんぼはね、死んだ人が赤とんぼになって来ているんだよ」と、子どものころに母がいつも言っていた。田の青々とした稲の上を、気持よさそうに風に揺られ、同じ方向を向いていた。ご先祖さまが帰ってきているのだと、うれしく思い、赤とんぼをいとおしく見ていた。田んぼの仕事をしているのを見ていてくれるのかな。何だかとんぼたちが微笑んでいるようだ。のびのびと体を風に乗せて飛
んでいる。「赤とんぼはご先祖さまたちの化身なんだよ」と娘に言った。うなづく娘。母から、命の大切さとご先祖さまを敬う心を教わっていたのかもしれない。

そのうち自然が人類に罰を 主婦 69歳(東京 93・4・14)
 お笑いになるかもしれませんが、私が思っている罪と罰です。
 犬やねこ、ウサギや鳥、その他たくさんの弱い立場の動物たちを、いじめたり傷つけたりする人、欲のために生物を乱獲する人、そんな人には、いつかきっと罰がくだると、私は固く信じているのです。
 ゴルフ場を造るために山を崩し、木々を伐り、農薬を撒く。そこに生きていた動植物は、一言の抗議もできずに滅びていくのです。都会の住宅地では、ささやかながらあった庭が、立て替えられる時には一本の木もなくなり、少しの空地はアスファルトの駐車場になります。土中にいた蛙や虫は死に絶えたでしょう。
 目先の華やかさを追い、分を知らない欲望に惑わされて、街には車の洪水。そして地球の温暖化、世界の異常気象。そのうちきっと、人類は自然からの罰を受けるでしょう。
★ 十六年前のものです。