宅内配線に悩む(その6):(Silent Fidelity SFPの導入)
ネットワーク構成の見直しとして、天井裏に光ファイバーを通してから既に9か月ほど経つが、その後の展開としてバスルームの天井裏からリスニングルームまで(何ともお馬鹿なことに)三本もの光ファイバーを敷設することになるとは、初めの段階からは全く予想も想像もできなかった、、、、
確かに、天井裏に予め配線されていた素性不明のLANケーブルを排除したりRJ45壁コンセントを使わずに済む、というのは精神的にも(音的にも)良いものがあるのだが、建物の構造その他環境によっては対応がなかなか難しいということもあり思い悩んでいた。だが、「やる価値はあるんじゃ?」と信じて
剥き出しテスト
による検証を経て、結局敷設へと突き進んだ。
そして今般、三本目を敷設することとなったのは他でもない、TOPWINGから登場するSFPモジュール(
Silent Fidelity SFP
)を使うためにはST-Link端子を持つ「専用の」光ケーブルが必要となってしまうためである。
率直に云えば、LAN環境の構築に於いて、コンピュータの世界の汎用品とオーディオ用と銘打ったものとは価格差がありすぎるし、効果の程について半信半疑であることは今でも否めないので、その効能を論理的に語ることも難しい。だが、敢えて「初の」オーディオ専用SFPと謳われてしまえば、冷静を装って素知らぬ顔などもできぬというもの。
そこで、念のためにこの導入に先立ち、我が家の環境で比較確認できるレベル、ということで若干の比較試聴を再度行ってみた。既存LANケーブルを使う従来の経路と光ファイバー化したものとの差異、あるいは普通のハブと(一応は)オーディオ用のハブと云われているものとの比較など。我が家の光ファイバーとSFPモジュール、SFP対応の上流ハブはいずれもFS.com製で、それぞれ光ファイバーは
低損失のMMF/OM4
、SFPは
産業用1G/SFPモジュール
、そしてSFPポートが二つある
スモールオフィス用スィッチングハブ
を採用している。いずれもリーズナブルと云う以上?に廉価なものである。
再度の比較結果としても、光ファイバー化の効果が認められるし、終端ハブではオーディオ用ハブと云われるものを用いた方に軍配が上がる。また、この終端ハブに10MHzマスタークロック入力する意義も再確認できた。 ただし、大きく変化するというようなものではなく、心地良さや肌触り、微妙なニュアンスや空間表現などに改善が感じられるというレベル(しかしながら、この差はオーディファイルを自認するならば避けては通れないもの)。結果としては廉価な汎用品であっても、現在までの構成として光ファイバー化やSFP対応の上流ハブの採用に至る恩恵は充分にあったものと考えて良いと思う。一方で、まだ先があるのでは、と考えることもまた妥当であろう。
さて、ここにTOPWINGのSFPと光ファイバーの登場である。使用する経路は、上流ハブ~終端ハブ間なので15mのケーブルを追加注文した。確かに一般的な「オーディオ」を冠した機器やケーブルなどの商品と較べれば価格はリーズナブルであるが、それでも我が家に導入済みのものと比較すれば10倍近いか。オーディオ用途として意義のある商品開発をしてくれたものと思えば、許容範囲ではあろうけれど。
SFPモジュールは位置指定があり「青」がAudio側、「緑」がData側:(ケーブルは華奢なので敷設には細心の注意を)
なお、この製品が最も適合する使い方はハブから「ネットワークストリーマに直挿し」する構成なんだろうと思う。だが、我が家のストリーミング機器ではSFPポートを持つものは現状無いので、上流ハブと終端ハブを接続させる用法。SFPポートを持つ機器は現時点で入手可能なものとしてLINN、LUMIN、SFORZATO、Eeversolo DMP-A10などが既にあるが、今後SFP対応を強力にプッシュしてくるような機器も続いて登場すると予想されるので、それを待って改めて検討したいと思う。ストリーミングトランスポート(DAC無し)でかつAmazon対応という仕様であることが希望する基本的条件である。
また、上流ハブについてもネットワーク構成をあれこれと妄想してみると、最低でも4個程度のSFPポートを持つものが欲しいな~と思ってしまう。何やら、TOPWINGでは複数(4~5個)のSFPポートを備えたハブを来年頃には出すとしているので、上流ハブのリプレース候補としてそちらへの興味も尽きない。TOPWING、商売上手いぞ!
現時点でのネットワーク構成は以下の通りである。正直、この用法でSilent Fidelity SFP(とST-Linkケーブルの組み合わせ)を活かせているものかどうか確たる自信は無いし、また構成を変更して敢えて試してみる意味が大いにあった、と語るにはまだ聴き始めたばかりなので多少心許ないところもある。しかしながら、我が家のLAN構成のブラッシュアップの総合的な結果としてここで奏でられる音楽の印象は全く悪くない。
Local Area Network Configration:(サーバーPCは
PCIeカード
にてSFP対応している)
(参考)現在のメインの再生環境はAuralic Aries S1:
|