Eversolo DMP-A6の自動ルーム補正:
Eversoloのファームウエアが
V.1.4.82
にバージョンアップされ、DMP-A6でもFIRフィルターによる自動ルーム補正が可能となった。この機能は従来はDMP-A8、DMP-A10などでサポートされていたものであるが、今やエントリー機となってしまった感のあるDMP-A6でもサポートされたことはちょっとお得感があって喜ばしい。
このルーム補正機能は純正のマイク(
EM-01
)を使えば最善だろうとも思うが、Eversolo Control用に使っているタブレット端末(当方はiPADでテスト)の内蔵マイクでも気軽に試せるという点が何とも取っ付き易くて、お遊び用には持って来いである。
Eversoloのイコライザ―機能(特にパラメトリックEQ)については高く評価(L/R独立で設定も相当細かくできる)しているのであるが、やはり測定を繰り返しつつ設定を煮詰めないとうまく使いこなせない場合もある。設定そのものもちょっと面倒。その点、こちらの機能は測定をベースに自動的に補正パラメータを作ってくれるものなので(超)簡単だし、入門用と考えれば使い勝手はかなり良いと思う。
(左)自動ルーム補正を開始する画面と(右)生成されたFIRフィルターの例:
測定と補正の精度はもちろんマイクにも依存するので、iPAD等に内蔵されているマイクでは十全とは云えないかもしれないが、ここでの補正フィルターの内容もグラフィカルに表示されるので、これをベースに自分でパラメトリックEQを駆使して追い込むことは可能である。
Eversoloの製品レンジの拡大には目を見張るものがあるが、ソフトウエア的な機能の充実(ならびに細かい改善)も流石だと思う。今秋にはトランスポート製品(Eversolo T8)が出てくるので、その製品仕様の詳細に大変興味をそそられる。今のところSFPポートの実装は無いという情報なのだが、これは今からでも設計変更して是非とも搭載して欲しいと思う。
(追記)
やってみたらOmni Mic用のUSB接続マイクロフォンでも測定できた:(お持ちの方は多いかも?)
Omni Mic用のマイクでもちゃんと測定ができたので気を良くして、この自動ルーム補正の精度が「なんぼのものか」確かめてみたくなった。生成されたFIRフィルターを見ても、実際の出力がどのようになっているのか判らないので、これを実測してみようと。
きちんとセットアップして改めてメインシステムのFIRフィルターを生成した上で、この補正を適用する。次にOmni Micで「マイクの設置位置は全く変えず」にEversolo DMP-A6の周波数レスポンスを測定する。なお、Eversoloはロングサインスィープ信号で測定しているので、Omni Micも同様にロングサインスィープ信号での測定(通常、レスポンスの測定にはショートサインスィープを使う)とした。その結果であるが(Eversolo側ではマイクキャリブレーション未実施なので精度の問題は残るのだが)、以下の通りでリスポジでの特性としてはちょっと予想していた以上に良い塩梅に補正されていると思う。ターゲットカーブを設定するところはないのだが、全体のバランスもリーズナブルに見える。
スムージングは6dB/oct:
もちろん最終的には周波数レスポンスの見かけ上の平坦さではなく、音そのものを評価しなければならないので、今夜じっくりと行ってみようと思う。なお、この補正内容にてEversolo DMP-A6からUSB出力させてAuralic Aries S1にインプットし、Aries S1の高精度クロックによってスムーズオプションでのリサンプリングをさせてからデジチャンに入れる構成。
それにしても、、、この機能をファームウェアのアップグレード(無償)で提供してくれるとは、やるじゃないか!
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