オーディオ日記 第44章 理想と現実の距離(その5)2019年2月17日


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最適なデジタル出力端子は?:MUTEC MC-3+USB(その3)

INTONA USBアイソレータによる「リパケッタイズ」とMUTEC MC-3+USBによる「リクロック」の相乗効果(?)でJPLAY FEMTO Dual PC構成にて再生するファイル音源は音的にはもう充分いいんじゃないかと(自分的には)評価できるようになった。だがそれで満足しているようじゃ進歩もないぞと、さらにいろいろと試してみている。USB入力の場合であっても、デジタル信号はRCA、BNC、AES/EBU、Opticalのいずれ端子にも同時出力されるので、さてどの端子が最適なのかまずは確かめておこうと考えた。どれを使っても差が無いようにも思えるのだが、今後常用とする端子を確定させる、という意味合いも含めて。

デジタル出力端子は小さな筐体なので少しごちゃごちゃしている。また、内部基板と出力端子との位置関係も確認しておく必要がある。実は残念なことにUSB入力がサブ基板となっていてメイン基板に対して2階建てになっているので、詳細までは確認できなかった。背面からみて、やや左寄りにBNC(下段)、RCA(上段)、Optical(下段)、AES/EBU(XLRコネクタ)が並んでいることからも位置による差はあまりないとも推定される。あとは出力端子による違いなのだが、、、デジタル信号種類としてはXLRコネクタによる出力規格はAES/EBU(AES11-1997/2003、110Ω)であり、BNCとRCAはS/PDIF(IEC60958、75Ω)、OpticalもS/PDIF(IEC60958)である。
(注記)AES/EBUとS/PDIFは互換性があり。

MUTEC MC-3+USB背面パネル:


MUTEC MC-3+USB内部基板:(下側が背面)


このデジタル出力を受ける側のデジチャン(Accuphase DF-65)のデジタル入力端子はRCA、Optical、HS-Linkの3種類なので実質はRCAとOpticalの二つの選択肢しかない。単純に考えればRCA端子一択かな?とも思うが、やはり比較実験した上で決める必要があろう。ただし、入力端子種類に制限があることから、BNC出力端子を使用する場合はBNC/RCA変換プラグを、AES/EBU端子を使用する場合はXLR/RCA変換ケーブルを使用しなければならないので、その分の僅かなハンディキャップはあるものと考えねばならない。

さてUSB入力にて実聴開始。必死で差を聴き分けようとするがBNC、RCA、AES/EBUの差はブラインドで明確に言い当てられるような気が全くしない。Opticalには僅かの違いがあるような気もするが、これとて優劣をつけられるようには思えない。翻って当方の駄耳を恥じる次第でもあるが、逆にそれだけリパケッタイズとリクロックの効果が支配的といえるのかもしれない。であれば、デジタル出力についてはRCA端子を使えば(何の変換もいらないので)無難ということか。

だが、MUTEC MC-3+USBにも弱点はある。その最大のポイントがサンプルレート変更時の「ロックの遅さ」である。特に44.1KHzから176.4KHzあるいは192KHzへの切り替えが行われる時は遅い。当方はDSD音源はMinim Serverによって176.4KHzへダウンコンバートしているが、DSD音源はFLAC音源に比して6dB信号レベルが低いため、あまり両者を混在させて聴くことはないのだが、FLACベースのハイレゾ音源はCDリッピング音源と任意に取り混ぜて聴きたいことも多く、やはりこの点は気になってしまう。サンプルレートの変更時にはリクロック用のクロックレート変更が必要となることからもこれは仕方のないこと、とは判っているのだが。もうひとつはスイッチング電源である。解像度の高い明晰な表現は申し分ないのだが、柔らかく声が広がって欲しい時がある。この辺りはアナログ電源化したら完璧になるかな、とかすかに期待してしまう部分でもある。

USB入力以外のケースとして、CDプレーヤからのAES/EBU入力とBlu-rayプレーヤからのOptical入力の場合があるのだが、我が家のロートルCDトランスポート(Accuphase DP-90)におけるリクロックについてはかなりの改善効果を既に確認済なので、今回はBlu-rayプレーヤからのOptical入力をチェックした。Blu-rayプレーヤ(普及機)の設置場所とは距離も離れており、5mのOpticalケーブルを使用していることもあって、音質的な不満が皆無な訳ではないので、ここが多少なりともリクロックによって改善されれば嬉しい限り。

このテストに使用したのは「中島みゆきコンサート一会(いちえ)2015~2016」と「中島みゆきライブ」である。出力サンプリングレートは共に48KHzで一会は一連のコンサートBlu-rayの中では一番新しいもの。ライブの方はスタジオライブDVDである。ちょっと期待でワクワクしてしまう。

テスト中のワンショット:


だが、再生を始めてすぐに選んだソースが間違っていたことに気が付く。歌と映像にどっぷりとはまってしまって聴き惚れ見惚れて(情けないことに)音がどうだらこうだらということにはとても集中できない。まぁ気になるような点はないし没頭できてしまうということはそれなりに改善効果もあるかも、と自らを納得させることとしよう。なお、MUTEC MC-3+USBの入力切替機能によってリクロック以外に高精度な「デジタル入力セレクター」としても使えるということは地味な点であるが案外と嬉しい。


4way構成の設定備忘録(2019年2月8日更新)

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 +1.2 +0.7* +4.2
*Analog Att
ON(-10dB)
マスターボリューム
アッテネーション
dB -4.0 -0.0 -4.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -6.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 95.4 91.2 90.8 88.2
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

290
290

900
900

3550
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-48 48-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 -0.0 -37.0 +4.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm JPLAY FEMTO
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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