オーディオ日記 第44章 理想と現実の距離(その6)2019年2月19日


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リクロックとサンプリングレート:MUTEC MC-3+USB(その4)

MUTEC MC-3+USBの使いこなしも段々と進んできた。先にサンプリングレート変換時のロックが遅いということについて言及したが、これをどうしたものかとあれこれ考えてみた。

ひとつのアイデアとしてはサンプリングレートをなるべく同一にしてバラつかないようにすること。となると、基本は176.4KHz/24bitということになろうか。DSD音源は元々176.4KHz/24bitへダウンコンバートしているので、CDリッピング音源はX4、88.2KHz音源はX2とすることでマジョリティは対応可能。ちょっと困るのは96KHz/24bitと192KHz/24bit音源。これはさすがに176.4KHz/24bitへ無理やり変換してしまうことは避けたいので、96KHz/24bitだけX2とする手か。こうすれば、176.4KHz/24bitがほとんどとなり、サンプリングレートも176.4KHz/24bitと192KHz/24bitの2種類のみとなる。

これを実現する方法はMinim Serverを使用していることもあって案外簡単。またサンプリングレート変換はSoXを最高精度で行わせることも 可能なのがちょっぴり嬉しい。この辺りはJPLAY関連でいろいろとやってきた知見の有効活用かも?

Minim Server上のstream.transcode設定は以下の通り:(ちょっと長いので2行表示)
flac:wav;,flac(44):wav24;176,flac(48):wav24;176, flac(24;88):wav24;176,flac(24;96):wav24;192,dsf:wav24;176

Minim Server上のstream.optionsにてSoXを「最高品質」とする指定は以下の通り:
convOut=-af aresample=resampler=soxr:precision=28
(注記)precision=28  「最高品質」
    precision=20  「高品質(Default)」

さてこれで、、、うん確かにサンプリングレート変換時の「ちょっとした煩わしさ」という感じは激減した。ご機嫌! だが、待てよ? 音も少しいい感じになっていないか、、、?

論理的にはアップサンプリングによって音が改善されるようなことは基本的には無い、と考えているのだが、微妙に少し違う感じもする。これはもしかしたらリクロックしているということの隠れた効果なのか。もちろんデジタル信号に対する過度の介入は避けたいという思いもあるのだが、この辺りを整理してみると、結果的に「アップサンプリング(サンプルレート変換)」、「リパケッタイズ」、「リクロック」というテンコ盛り、全部盛りになってしまっている訳だ。あるいは良い意味では三位一体とも云えるか?

「アップサンプリング」  コントロールPC/Minim Server/SoXで
「リパケッタイズ」    INTONA USB Isolatorで
「リクロック」      MUTEC MC-3+USBで

それぞれが異なる機器で行っているので、過度の負荷や相互干渉は無いものと思う。音としてはリパケッタイズ、リクロックした時の高解像度と明晰さに加えて、アップサンプリングすることによって(僅かであるが)ふわっと感や広がりという肌触りの良さが加わったようにも感じている。高いサンプリングレートの方がリクロックの恩恵が大きいということであろうか。この辺りは早急に結論を出すのではなく少し時間をかけて検証して行こうと思う。

それにしても、このMUTEC MC-3+USB期待値以上に楽しませてくれる。ここまで来ると次は内蔵のスイッチング電源を何とかしたくなってしまうのはやはり人情というもの。こちらも少し情報集めなどして検討してみることとしよう。


4way構成の設定備忘録(2019年2月19日更新)MUTEC MC-3+USB対応設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 +1.2 +0.5* +4.5
*Analog Att
ON(-10dB)
マスターボリューム
アッテネーション
dB -4.0 -0.0 -4.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -6.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 95.4 91.2 90.5 88.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

355
355

1000
1000

4000
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 -0.0 -37.0 +4.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm JPLAY FEMTO
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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