オーディオ日記 第40章 はじめに音楽ありき(その9)2017年6月6日


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VoyageMPDが久々に アップデート (0.10,0から0.11.0へ)にされたことに伴い、安定性確認のため継続使用中であるが、どうせならと他の実験もしてみたくなる気持ちがむくむくと沸いてきた。それはWindows Server 2012R2環境下でのJPLAY Single PC構成やJRMC、そしてBugheadとの比較である。JPLAYの初期段階でのテストでWindows ServerがOS環境として音楽再生にかなり適合していることを確認していたが、その後JPLAYのDual PC化やCoreモード化、さらにはTriple PC構成へのテストなどに一気に発展してしまったため、PC一台構成でのテスト、比較試聴はあまり徹底していなかった。

JPLAYのDual PC構成、Triple PC構成の良さは認識できているものの、複数台のPC運用には懐疑的、否定的でもあるので、VoyageMPDの新バージョンとの比較を兼ねて、PCの1台構成による音質比較をしてみようと思ったのである。一般的にはWindows環境であれば、Windows10ということになるのであろうけれど、ここはすべてWindows Sever 2012R2を前提としている。このOSは非常に軽く、稼動プロセスも少なく、また起動、シャットダウンも素早くでストレスがない、など既にJPLAYユーザーであればご存知のことであろうと思うし、Linuxとも音楽再生環境として競合できる実力もある。

JRMCは「オーディオモード」に設定してビデオ系の機能を排除している。Bugheadは本来であれば最新版を使いたいのであるが、8.5Xなどの最近のものはWindows Serverでは稼動しないため、7.12(当方はいくつものバージョンを保存しているが、Windows Serverで稼動するほぼLatestのもの)を使用した。また、JRMC、Bugheadでのテストに際してはJPLAY Streamer、JPLAY Service、Minim Serverは念の為に停止させている。

1.JRMCによる再生
Test Play Back

2.Bughead 7.12による再生 (DDCドライバのLatencyはMinimum、Buffer Sizeは64)
Test Play Back

テスト用に環境を設えるに際して、JPLAYはSingle PC構成用の設定でインストールを実施しており、XMOS系DDCのドライバ設定はLatency Minimum、Buffer Size 64の設定とし、DACLink 700、PC Buffer 0.01secでテストした。また、upplayで再生に係わる操作を行っており、Hybernate ModeはOFF。

3.JPLAY SettingはDACLink700、PC Buffer 0.01sec
Test Play Back

4.JPLAY Single PCによる再生
Test Play Back

なお、このテストでのPCはメインで使用しているデスクトップPCでファンレス化などの特別なノイズ対策は実施していない。Windows Server、VoyageMPDはいずれも個別のシステムディスクを作り、SATA接続でのOS起動である。オーディオ関連もまずはサブ環境とし、スピーカーには SONY SA-S1 を使用した。

試聴の順番は以下の通り。1~3は単一のWindows Sever環境下でアプリの切替のみ。4はシステムディスクを変更して再起動している。試聴用の音源はちょっとメリハリの利いた曲として、Four Play、Yes, Pleaseから1曲目を使用した。

1.JRMC (JRiver Media Center)
2.Bughead 7.12
3.JPLAY 6.2 Single PC
4.VoyageMPD 0.11.0

全く同一のPCハードウエア、オーディオ環境において、OSならびに音楽再生ソフトウエアによって音が変わることは不思議でもあるが、今やそれに異を唱える人もいないであろう。ただ、天と地ほど違う訳ではないのでその点留意は必要だと思うが、多少のこだわりを持って聴くということも面白い。さて、JRMCから聴き始めたが、実のところこれは充分に良い音である。Bughead、JPLAYと切り替えて試聴するが、やはりというか音楽の充実感が微妙に良くなってくるように思える。JRMCを基準と考えれば、Bugheadは密度感や低域感が増し、JPLAYはもう少し濃密になるように感じる。VoyageMPDはむしろしなやかでさらっとした感触があり、これは当方の好みでもある。だが、この辺りの判定は多分に個人的な嗜好の領域であり、微妙な変化なので、人それぞれ受ける印象は異なるかもしれない。

60GB程度の廉価なSSDを用意し、そこにWindows Serverをインストールして、既存のPC環境そっくり残したまま、Dual BootでOSの切替を行い、再生環境を使い分けてみる、というのも気軽に実験できて面白く、また音的にも軽いOSの優位性が感じられるものと思う。Linuxも慣れればそれほど難しくは無いのだが、やはり多少の敷居が高さがあるかもしれず、Windows Serverなら馴染みがあって存外とっつき易いのではないだろうか。

PCオーディオの範疇も先鋭化し、微細なものにこだわって、そこでの音の変化を喧伝することもオーディオ的に考えれば重要なことだと思うが、一般的なPCユーザー&音楽愛好家が気楽に良い音で音楽を楽しめる、という構成もまた大切ではないだろうか。その観点からは1台のPCで完結し、あれやこれやのノイズ対策など敢えてしなくても、ここまでの音が今や聴ける、ということは素晴らしいことだと改めて思う。操作性の観点で云えば、Bugheadは個人の開発なのでやむを得ないとも思うが、その他の環境ではいずれもタブレット端末からのリモコンソフトがあるので、操作も至極楽チン、快適であることは云うまでもない。

さて、当方の結論である。メインシステムでBGM的に聴く時はVoyageMPD(リモコンソフトの使い勝手の比重大)、サブシステムで聴く時はJPLAY Single PC構成で行くこととした。もちろん本気モードではJPLAY Triple PC構成としているのだが、、、その本気モードで聴く時間が減りそうである。

(お願い)
軽いOSとしてWindwos Server 2012R2の良さを生かして、この環境でCDのRipping(dBpowerampでFLAC uncompressed、24bitへbit拡張)を行ってみたら何らかの効果があるかなと思って試してみたいのだが、困ったことに、Windows ServerがSATA接続のDVD/CDドライブを認識してくれない。BIOSレベルでのデバイス認識などは当然問題ないのだが、我が家にある3台のPCいずれにおいても同様の状況でOSレベルで認識してくれない。Windows Server故の制限や設定その他あるのかもと思い、いろいろとネット検索をしてみたが、解決に至る情報を見つけられていない。本件につき、情報・アドバイスなどいただけたら大変幸甚である。

(2017年6月7日解決)
DVD/CDドライブ用のレジストリキーが初期導入時点からおかしくなってしまっている事が判明。全てのPC、起動ディスクで同じ状態なので、元々の問題? 以下の手順によるレジストリキーの変更でDVD/CDドライブが正しく認識されるようになった。

1.Windows ロゴ キーを押しながら R キーを押し、[ファイル名を指定して実行] ボックスを開く。
2.ボックスに「regedit」と入力し、Enter キーを押す。
3.左側のウィンドウで、次のレジストリ サブキーを見つける。
 HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\atapi
4.atapi を右クリックし、[新規] をポイントして、[キー] をクリックする。
5.「Controller0」と入力し、Enter キーを押す。
6.Controller0 を右クリックし、[新規] をポイントし、[DWORD (32 ビット) 値] をクリックする。
7.「EnumDevice1」と入力し、Enter キーを押す。
8.EnumDevice1 を右クリックして、[修正] をクリックする。
9.[値のデータ] ボックスに「1」と入力し、[OK] をクリックする。
10.レジストリ エディターを終了し、コンピューターを再起動。


4way構成の設定備忘録(2017年6月6日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
パワーアンプでの
入力絞り
dB -6.0 0.0 -12.0 -12.0
設定値
SP側での
アッテネーション
dB 0.0 0.0 -12.0 0.0
(L-PAD抵抗)
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0 +1.2 +5.5
Analog Att
OFF
スピーカーの
出力(想定)
dB 91.0 90.0 87.2 86.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

250
250

1600
1600

4000
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 25.0 55.5 0 34.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm JPLAY
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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