オーディオ日記 第40章 はじめに音楽ありき(その7)2017年5月20日


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高域、中高域のユニットには指向性がなるべくブロードな帯域を受け持ってもらうことを意識した4wayのセッティングによって、僅かに残っていると感じていた硬質感をうまく消してくれているようで、結果としてこの方向を意識した設定に落ち着くことになった。そして、(内心いやだいやだと思いながらの)JPLAY Triple PC構成で音の入り口、上流もほぼこれで行くしかない、という仕上がりを見せている。音楽の提示する高域感に素直に身を任せて聴き入ることができるようになってきた。これはこれで嬉しい、、、だがそうなれば、それで満足、とは当然のようにいかない。これに見合うように低域にも魔法の一振りが欲しくなるのである。いつも思う、この際限の無さが、結局オーディオという趣味の醍醐味であり、長続きの秘訣かも知れないと。

さて、当方の使用しているパワーアンプ群は 構成 などを見ていただければ判るようにもうほんとにロートルものである。一応はメーカーにてメンテしてもらっているのでリレーなどに起因する音質劣化はそれほどないものと思うが、それでも(当方の寿命を鑑みつつ)更新を考えねばならない時期に来ている。いや、もうとっくに過ぎている、とも云えるのだが、、、

やっとこさ、音の入り口、出口の足掻きに一段落しつつあるので、ぼつぼつとこのアンプ群への対応を図ろうと思うのだが、その過程で是非やってみようと考えていたのが、低域駆動用パワーアンプのブリッジ接続(BTL駆動)。過去にも何回か試して、そこそこ好感触なのであるが、恒久的な構成にするには台数が不足しているので、実験レベルに留まってきた経緯がある。今般、パワーアンプの更新に絡めて一台追加調達したこともあって、これを機会に、この低域のブリッジ接続による音の変化を改めて検証してみた。結果はしごく単純である。常用の台数が4台から5台に増えただけで、全くリニューアルにはならず、という(もちろん音の面での期待もあったことは事実だが)少し困った事態になってしまった。この音を聴いてしまうともう4台構成には戻れないのである。

下段の2台がブリッジ接続した低域用パワーアンプ:
Drive Section Phpto

もともと大音量派でもないし、集合住宅という環境からドスンバリバリという低音を期待している訳でもないので、ブリッジ接続による低域に関しては音量感という部分ではなく、音楽のファンダメンタルの自然さに作用して欲しいという期待があるのだが、その期待を裏切らない音の感触を確認できる。効果として、個々の楽器の音像や音色、気配やリアリティの改善というものに繋がってくるように思われるのだ。音の像は小さく纏まり、響きやエコーはその音像に纏わり付くことなく、無限の広がりを見せる、ということが理想なのだが、それが不自然さを伴わずにそこそこ醸し出されてくる点には思わず頬が緩む。

やはり低域にとって重要なことは瞬発力であると改めて思う。重い、軽い、という表現もあるのだが、ぴんぴんと立ち上がってくるような反応の速さ、音の佇まいが肝要なのだと思う。もちろんぼわ~とした低域の量感ではなく、音のエネルギーが把握できるような明確さも伴っていなければならないのだ。この差は何だろう、どこから来るのだろう、としばし思考する。シンプルに考えればコンデンサ容量が倍になることによる瞬間的な電源供給能力の増強効果なのだろうか、とも推測してみる。

音、オーディオについては本当に微妙な部分が多いので、改善効果の表現などは針小棒大であってはならない。だが、本当に自分によって良い、と思うものは例えそれが小さな差であっても迷わず選択してそれを積み重ねていくしかない、と考えている。従い、今回のこの対応は当面恒久化となろう。幸せな音まであと少し、、、か?

一方で、ヤッパリ思う。パワーアンプ5台、PC3台という構成でなければ、音楽を聴けないのか? それはやはり現実離れしていないか? 夏場は発熱の問題もあり、省エネとはとても云えず時代に逆行していないか? いろいろと葛藤はある。だが、今までの経験が云わせる。これでしか聴けない音楽がここにあるのだ、と。


4way構成の設定備忘録(2017年5月20日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
パワーアンプでの
入力絞り
dB -7.0 0.0 -12.0 -12.0
設定値
SP側での
アッテネーション
dB 0.0 0.0 -12.0 0.0
(L-PAD抵抗)
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0 +1.3 +5.0
Analog Att
OFF
スピーカーの
出力(想定)
dB 90.0 90.0 87.3 86.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

280
280

1250
1250

3550
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 25.0 55.5 0 36.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm JPLAY
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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