芋 膾 |
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材料 里芋・すずき・酢・塩・生姜 作り方 鬼平犯科帳「兇族賊」に書いてある通りに作るだけ。 里芋を洗って泥を落とし、そのまま蒸し器で蒸す。蒸し上がったら布巾などを使って皮を剥く。 ぬるぬるして滑りやすいので注意。 スズキは細切りにし、酢に塩を少々入れた中にしばらく漬ける。スズキの身がしまる程度でよい。これは好みか。 芋とスズキを器に盛り合わせ酢をかけて、刻み生姜を散らす。 |
それに久平、六十になるまで女と暮らしたことのない男であったから、こまめに気のきいた肴をつくるし、当人もまた、ひそかに、(おれが生き甲斐は一にお盗め。二に包丁を持つことさ) 自負しているほどであった。 久平の店で評判の食べ物は、〔芋膾〕である。 これは、里芋の子を皮つきのまま蒸しあげ、いわゆる〔きぬかつぎ〕をつくり、鯉やすずきなどの魚を細身につくって塩と酢につけておき、芋の皮むいて器へもったのへ魚の膾をのせ、合わせ酢をかけまわし、きざみ生姜をそえた料理だ。 季節になると、加賀屋の芋膾を食いに行こうというので、酒が飲めない連中も久平の店へ押しかけるさわぎ。 (鬼平犯科帳−「兇賊」) |