#477 引越ダブルヘッダー(前編)

2024/03/13

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 今年の春もまた異動があり、転居することになった。これで3年連続である。慌ただしいことこの上ない

 今回の転居がいつもと違うのは、事情があって1か月の間に2回引越をしなければならないことである。最初の異動は年度替わりの約1か月前に発令されるのだが、それはあくまで仮のもので、正式なポストへの発令があるのは年度頭であり、その際に社宅が割り当てられてそこに住むことになる。2度目の異動があるまでの間は、一時的に家族のいる自宅に住めるものの、次の社宅での一人暮らしのための荷物は一時的に自宅で保管するしかない。

 そのため、運ぶ荷物はなるべく減らすべく、この2年間使ってきた生活家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、ガスレンジ)は、私のあとに同じ社宅に住むことになる私の後任にすべて譲ることにした。どれもリサイクルショップで調達したもので2年間充分に使ったし、後任も必要としているとのことなので、よしなに使ってもらえば幸いである。

 そうすればあとは自分の荷物はすべて宅配便で送れるサイズのものばかりである。とは言え、衣類だの調理器具だの風呂洗面用具だのと、なんだかんだで15箱くらいはあったりする。このうち布団とテーブルセット(解体可能)については、3辺合計200cmと大型になるのでヤマト運輸の宅急便で、その他のものは複数個口での配送で割引がきく日本郵便のゆうぱっくで送ることにする。

 ヤマト運輸の方は、電話で配送予約をしようとしたところ、AIオペレータという自動音声案内が対応してくれた。向こうからの案内は明らかに機械音声なのだが、集荷の日時や集荷先の住所など、こちらが口頭で話した内容を正しく理解し、確認した内容はLINEで送られてきた。進化したものである。

 一方の日本郵便のゆうパックは、電話で集荷の予約(こちらは人間相手)できたのはいいとして、個数も多いので届け先と依頼主の住所氏名を印刷した伝票をお願いしようとしたところ、郵便局の窓口に行って書面で申し込んで、2週間ほどしたら連絡するのでまた窓口に来てくださいという。

 以前は集荷をお願いした際に、親切にも向こうから電話で届け先と依頼主の住所氏名を聞いた上で、数日後に印刷した伝票を郵便受けに届けに来てくれたものなのだが、聞けば電話だと聞き取り間違いがあったりするので書面申請式になったのだという。しかも、出来上がったと連絡があったので窓口に取りに行ったら、このサービスは原則50枚以上の場合だけなので、今回は用意しましたけど次回からはそのようにお願いしますとのこと。こちらは以前よりもサービスレベルが後退している。

 市役所の転出手続きは、マイナポータルで完結することができた。マイナンバーカードとスマホがあれば日時によらず手続きできるので、こちらも以前より便利になってはいるが、どうして一連の手続きの中でマイナンバーカードの読み取りを3回もやらせるのか、いまいち理解に苦しむ。また、転入手続きについては市役所に出頭しないといけないようである。カードに住所を書き込むなどの作業があるからなのだろう。

 年度末まで使う予定だった通勤定期も、約1か月前倒しで異動することになったので、払い戻しをすることになる。6か月定期を5か月で払戻すと、3か月定期と1か月定期2か月分の値段と手数料が差し引かれたあとの残金が払い戻されることになる。定期券うりばで手続きをしようとしたら、クレジットカードで購入したものなので、クレジット決済の伝票をあわせて出すように言われる。たまたま財布に入っていたので事なきを得たが、払い戻しの発生する可能性のある定期券は、現金決済にするか、クレジット決裁の場合でも伝票を保存しておくのが吉のようである。

 引っ越しの荷物は、あまり早く詰めてしまうとその後の生活が不便になるので、季節ものや雑貨から始まり、衣類、調理器具、風呂洗面用具、寝具の順番で荷造りしてく感じが良い。変形しない大きなものを先に入れ、できた隙間に変形できるものや細かいものを入れていくと充填率が高くなる。荷出しの前日から当日にかけて一気に片づけてしまうのが効率的である。

 そんな感じで無事に荷物をすべて宅配便で送り出し、社宅を引き払った日はサウナのあるカプセルホテルでゆっくり疲れを落とし、翌日久しぶりに自宅に戻って、一度目の引越はどうにか完了した(続く


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