#232 HDDつきDVDレコーダを買う(選定編)

2004/08/01

<前目次次>


 HDDつきDVDレコーダも、最近急激に需要が伸びてきたらしく、ボーナスも出たであろう月末の家電売り場には、他のコーナーと比較しても結構多くの人が集まっていたりする。それだけ今関心の高い家電であるので、各社ともそれぞれ特徴のある商品を出している。

 HDDつきDVDレコーダの場合、最も分かりやすくかつ定量的に性能の多寡を示す基準は、やはりHDDの容量であろう。どのメーカー製のものであっても、最も低画質で録画した場合で、1Gbyteあたり約1.2時間録画できるようだ。もっとも当然ながら、録画時間は画質とのトレードオフの関係になり、当然ながら高画質になればなるほど撮れる時間も短くなる。容量は多ければ多いに越したことはない。ただ、パソコン用のHDDが最近では80Gbyteでも160Gbyteでもほとんど価格差が無いのに、HDDレコーダの場合は結構な価格差になっているのはちょっと割り切れないところもある。

 前回も述べたように、HDDつきDVDレコーダの場合は、ビデオデッキに比べると録画のしやすさという点が大きな特徴のひとつである。これを更に推し進めたのが、電子番組表(EPG)と言われる機能である。これは、各局の今後1週間くらいの番組情報を入手し、その番組表を閲覧しながら録画する番組を選べるという機能である。番組表は時間別やチャンネル別やジャンル別に表示したり、登録したキーワードで検索できたりする。中には登録したキーワードに該当するものを自動で録画する機能を持っているものや、野球放送など延長する可能性のある番組がある場合、その後の番組については延長して録画する機能を持っているものもある。なお、通常EPGデータはテレビの電波を通じて入手しているものが大半であるが、インターネット経由で取得するものもある。

 また、録画データがデジタルデータになっているので、編集も容易になっている。不要な部分をカットしたりするのはもちろん、一続きの番組(タイトル)を分割したり結合したり、チャプタと呼ばれる小目次のようなものをつけたりすることができるものもある。また、タイトルに名前をつけることができるので、録画内容を一覧するのに都合がいい。タイトルの内容をサムネイルという小画像で一覧することができるものもある。HDDつきDVDレコーダの場合は、とりあえずHDDに録画して、保存が必要なものについてDVDに記録するという場合が多いと思われるが、その際にタイトルの順番を変えたりするのも可能だ。

 なお、使用できるDVDの種類については、各社それぞれ細かく違うので、やや注意が必要である。DVDのメディアの種類は、DVD-R・DVD+R・DVD-RW・DVD+RW・DVD-RAMがあり、前2つが1回のみ記録できるもの、後ろ3つが繰り返し読み書きができるものである。また、基本的に+と-とRAMは互換性がない。そのため、それぞれの機器に対応したものを使用する必要がある。また、DVD-RWについては、記録方式にVideo方式とVR方式というものがあり、記録方式を変えると事実上別のメディアになってしまう。後者の方が編集には都合が良いが、再生専用機などでは再生できない場合もある。

 このように種類や記録方式がいろいろあって悩ましいDVDメディアであるが、一度だけ記録して保存するのが目的であれば、基本的にはどの機器でも再生可能でメディア単価も安いDVD-Rで記録するのが無難かと思われる。その他のメディアの対応状況については、こだわりがある場合のみこだわればいいのだと思う。

 最近では、HDDとDVDに加え、VHSビデオテープにも対応した「なんでもあり」のような機種も出てきており、たとえば撮りためたVHSをDVDにダビングしたいという目的には便利かも知れない。

 その他、外部入出力の種類や端子数、TVチューナーの数や、BSやハイビジョンへの対応状況など、自分のニーズに応じて必要なものをチョイスすれば、おのずと選択肢は限られてくる。とはいえ、あれもこれもと欲張ればきりがないし、2万円高いくらいならHDDの容量は半分でいいとか、EPGは要らないとか、予算が決まっているのならその辺の割り切りも必要であろうから、結局のところは一番大事な要素は価格かも知れない。


<前目次次>