△ 不等辺ワークショップ第61回 (2008/10/18)


トップページ > ワークショップ > 第61回

<前一覧次>

写真  進行役を務めた林成彦です。アシスタントは江尻浩二郎くん。私は自転車ですし、江尻くんはバイク。今回は自転車の方が何名かいたのかな。電車で早めに来てくださった方が何名かいたのもよかった。というのも京王線がねー。人身事故で止まっちゃったんですよねー。それもお昼の12時45分ごろ。ワークショップ開始時刻の15分前ですよ。まだ参加者は全員が揃ってはいません。足止めを食っている方がきっといるだろう。みなさん挫けずに、ちゃんと会場に来てくださるだろうか…。写真 事故は八幡山駅で起きたらしく、フルーツバスケットに興じる私たちの目の前を救急車が何台も通過していきました。不穏というか不安というか。ああいうのは落ち着かないものですね。60回以上やってきて初めてのアクシデントだ。不揃いの私たちですが、それでも午後1時ちょうどにスタートします。1時間ほど遅れて来た方に後でうかがうと、彼は笹塚で電車が止まってしまい、動き出す見込みがないのでいったん新宿に引き返し、JRで荻窪に出て、荻窪からバスで八幡山まで来たんだそうです。うわぁ、それはそれは! そうまでして来てくださってありがとうございました。

写真  さて、今回のワークショップの主なゲームを振り返ります。写真でもおわかりかしら、今回は名札シールを用意していません。1文字自己紹介をやりたいためです。このワークショップで胸に名札シールを貼らないのは、なんと6年半ぶりのことでした。輪になって時計回りに名乗るのだけど、フルネームをいきなり名乗らない。自分の名前を1文字ずつ言っていきます。写真 仮に江尻くんと私の2人でやるとすると「え」「は」「じ」「や」「り」「し」「こ」「な」…という具合。いま気付いたが、そうやって2人でやるのもおもしろいね。全員が最後の1文字を言い終わるまで、ぐるぐると7周も8周も回転します。そして「じゃあ、自分の左隣の人の名前を紹介しましょう」というルール。これ、難しかったですねー。でも隣の人が自分の名前をちゃんと呼んでくれたら、きっとかなりうれしい。次回もやろうかな。このゲームは前々回アシスタントの野村優美さんにおそわったものです。優美さん、ありがとう。

写真  ジャグリングをやったのもひさしぶりだなぁ。これをやるときは必ずニックネームを作ります。まず「好きなテレビ番組」をひとつずつ挙げ、次にその番組のおすすめポイントを各自10秒程度で語りました。その語られた内容からうまく言葉を引っ張ってきてニックネームを作る。写真 こういう作り方、おもしろいですね。「バカフレ」「カッパドキア」「元気」「マセガキ」「マンドラ」「青さん」「わかりや」「黒ちゃん」「Nスペ」「拓哉」。最後の「拓哉」は私です。ちょっと気恥ずかしいね。ちなみに私の好きなテレビ番組は「あすなろ白書」。おすすめポイントとして「筒井道隆が木村拓哉よりもかっこよかった頃のドラマです!」と語ったところ、ニックネームは拓哉になってしまった。こういう不本意さ(?)をそれぞれきっと少しずつ含んでいるはず。

写真  このニックネームを使ってネームバレーに興じます。エアーのバレーボール全国大会の今日が決勝戦。ということだと思いましょう。北海道代表チーム対鳥取県代表チーム。優勝候補同士の激突です。強豪チームにふさわしく、身体の動きがボールの動きとマッチするようにね。試合は大いに白熱しました。スコアは6対0でしたが、点差ほどの力の差はなかったですよ。写真 たぶん。いつもだったらこの後、勝利インタビューだのペナルティゲームだのをしますが、ちょっと趣向を凝らします。勝った北海道チームは「強い生き物」を身体で表現してください。敗れた鳥取チームは「弱い生き物」です。いかにも強そうなものといかにも弱そうなもの。これ、会場の両隅から2匹が同時に歩き始めて、会場の真ん中で遭遇するというドラマを作ってもよかったですね。どうしてそのとき思いつかなかったんだろう。

写真  何かについて話す。これは初めて試すゲームです。ゲーム名に芸がないなぁ。名前は改めて考えます。「何かについて話す」とは言いながら、むしろ問われるのは「人の話を聴く力」です。ルールは至ってシンプル。輪になってイスに座り、真ん中に小さな広場を作る。広場に3名のプレイヤーが出ます。プレイヤーの仕事はあるお題についてのお喋りをすることです。お題は彼らだけに私が伝えます。周囲の人々にはシークレットです。3名はお題そのものは口にしないように気をつけてください。周りの人々は彼らが何についてお喋りしているのかを推測して、お題は「○○○」だと確信が持てたら話の輪に加わってください。ルールはただそれだけ。

写真  これ、やってみるとかなりおもしろいです。スリリングでもある。周りで聴いていると、まずお題の雰囲気が感じられて、そしてピンと来るんですね。どんな単語やどんな表現に反応するかは人によりけりです、案外。なので振り返りをするのも楽しい。今回用意したお題は「修学旅行」「初恋」「自分探し」の3つでした。「自分探し」のときは難しかったですねー。でも当たる当たらないは別にして、年齢もまちまちな初対面の方々が「自分探し」について語り合うだなんて、写真 それはなかなか素敵なことです。この小さな「広場」がまるでアジアの安宿のように感じられましたよ。見ていておもしろかったです。このゲームは最近思いついたばかりのものでして、まだまだルールが発展途上です。きっともっとおもしろいゲームに成長するでしょう。ぜひご期待ください。このワークショップの前に高校の授業でも試しています。高校生たちのお喋りもとってもおもしろかったですよ。「不等辺演劇倶楽部」のブログでも簡単に触れています(08年10月9日の記事です)。よければそちらもご覧ください。

写真  他にも今回はねぇねぇでたっぷり身体を動かしてもいるし、おなじみのペンキ屋も2セットやっています。BGMはヴァネッサ・パラディの「ビー・マイ・ベイビー」でした。オープニングとエンディングは椎名林檎の「無罪モラトリアム」です。前半は主に身体を使って遊び、後半は主に言葉を使って遊んだ4時間でした。ご参加くださったみなさん、お疲れさまでした。ありがとうございました。

写真  次回のワークショップは11月24日(振替休日)です。いつもの八幡山、いつものように午後1時から5時まで。いつものように「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。興味がありましたら、どなたでもぜひ遠慮なく。お申し込みをお待ちしています。あと大体1ヶ月後ですね。そのとき私自身が興味を持っていることを反映させつつ、楽しい内容を用意したいと思っています。

 最後に、江尻くん。忙しいのにアシスタントを引き受けてくれてありがとう。飲めなかったのが残念。いつかまた!

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


★アンケートより

写真 ○雰囲気がとてもよかったと思います。
○すぐに緊張が解けるような進行がよかった。
○ニックネーム作りの過程がおもしろかった。
○(興味を感じたのは、)バランスをとるゲームとテーマ当てのゲームです。
○(興味を感じたのは、)「ねぇねぇ」と始めるゲーム、順番(あいうえお)でセリフを続けるゲーム。
○バランスをとるのは、全員で同じ想像力を働かせて、人間ってすごいなと思いました。「ねぇねぇ」も楽しかった。
○電車不具合というアクシデントで来られなかった人、残念!と思うくらい楽しかったです。特にネームバレー。
写真 ○キーワード当てが一番おもしろかった。
○特にお題を当てるゲームとペンキ塗りのストーリー作りがおもしろかったです。
○特におもしろいと思ったのは、

○もっと色んな遊びをしてみたいです。今日やった遊びが実際の演劇にどうつながってくるのか考えてみます

<前一覧次>


トップページ > ワークショップ > 第61回