トップページ > ページシアター > よそびと診療所 > シーン18 【公演データ】
字幕「地下100メートル 最深階オペ室」上手灯り。オペ室。手術台の前にノノ、ソルト、メル、ベルル。
一歩離れてシド、アテナ。両端には銃を持ったペックとメック。医師は「アイ・モニター」を装着している。手術台には可愛らしいぬいぐるみの様な患者が座っており、みんな唖然としている。
ソルト 「これって…ウサギのぬいぐるみ…じゃないですよね?」
メル 「きゃわゆい。」
ベルル 「あのこれ…また形状が変化しています。月ではもっと人間に近い姿でしたが、これは…」
メル 「ピューロランドにいそー。」
メル以外 「それな。」
メル 「だっこしていい?」
メル以外 「ダメ。」
ノノ 「すぐにスキャンし直しましょう。アイ・モニターを。」
皆、アイ・モニターのレンズを下げる。ノノ、左手を患者に触れ準備し、右手をかざすと
「オペ○座の怪人(overture)」がかかる。ノノが手を止めると音楽も止まる。
ベルル 「え?…これは…」
ソルト 「皮膚と容姿以外、骨も臓器も地球人とほぼ同じじゃないですか…」
ノノ 「心臓も肺もありますが、やはり動いていませんね。メルさん。脳波は?」
メル、患者を手かざし。ハウリングの様な音。
メル 「…ん?だめだこりゃ。物凄く強くブロックされててなんも読めんばい。」
ベルル 「ブロックしてるって事は意思があるって事?」
メル 「でも目がなんか言ってるぞ。」
ベルル 「目?」
皆が患者の目を覗くと、突然患者がビクンと動きみんな身構える。
全員 「うおあ!!」
メル 「動いた動いた!ゾンビゾンビ〜!」
ノノ 「環境適応能力がずば抜けて高い生物という事だけは確かです。」
ベルル 「地球の生物になろうとしている?」
ソルト 「そしてこの皮膚に関しては…確かに未知の物質です。」
シド 「それじゃやはり別の銀河から?」
ノノ 「ええ。この皮膚は刃物でもレーザー切れません。」
シド 「硬いんですか?」
ノノ 「いえ、柔らかいのに切れない。」
メル 「魔訶不思議〜。」
アテナ 「これじゃ地球に来た目的を探るどころじゃないな。」
メル 「ロロップ!」
アテナ 「え?」
メル 「この子の名前、ロロップに決めた!ロップイヤーだからロロップ!」
ノノ 「なるほど。」
医療機器の電子音が鳴る。
ソルト 「先生、バイタルが!」
ベルル 「心臓と肺が動き出しました。呼吸をしています。」
ノノ 「ひとまず隣の隔離検査室に移しましょう。」
メル、ソルト、ベルル 「ラジャ!」
みんなが動き出すと上手が暗くなる。
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)