△ 「コスモ・ノアへようこそ!」シーン20


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ジャムが出て来る。

ジャム 「ああ〜、お師匠様から「腹が減ったらゴミ箱じゃ。って言われたけど全然食べ物なかったな〜ま、武器になりそうなものはみつけたけどね。」

ジャム、カッターの刃を2本振り回す。後ろからよろよろとシロップが現れる。

ジャム 「中々使えそうだ。あ〜それにしても…」
ジャム・シロップ 「腹減った〜…え?」
ジャム 「シロップ!」
シロップ 「ジャム兄ちゃん!」
ジャム 「なんで?!なんでお前がこんなところに?!」写真
シロップ 「ジャム兄ちゃんのまねして、人間の子どものリュックに入ったんだ。」
ジャム 「ええ〜っ?!訓練してないのに、お前凄いな〜!」
シロップ 「えへへへ。ああ〜でも…とても、悲しい事が…」
ジャム 「どうした?…え?まさか!」
シロップ 「落としちゃったんだ〜ひまわりの種〜」
ジャム 「なんだ、また食べ物か。てっきりお師匠様が死んだのかと。」
シロップ 「もう、しょぼ〜んだよ」
ジャム 「ああ、でも、僕も今腹減ってるからしょぼ〜んだな。」
シロップ 「クンクン。あれ?匂いがする。」
ジャム 「え?」
シロップ 「僕のひまわりの種のニオイがする!こっちだ!」
ジャム 「おい、シロップ!」

シロップ、においのする方に向かうが立ち止まる。

シロップ 「誰か来る!」
ジャム 「え?…隠れるぞ!」

2匹隠れる。そこへひまわりの種を持ったハツカネズミのインディーが現れる。

シロップ 「ああ!あれ僕のひまわりの種!」
ジャム 「し〜っ!…あいつ何者だ?なんとなく僕らと似ているけど…」

インディー、ひまわりの種を食べる。

シロップ 「ああ!食べた!僕の食べた!」
ジャム 「し〜っ!…僕が取り返してやる。」
シロップ 「え?」

ジャム、カッターの刃を構えてインディーの前に出る。

ジャム 「おいお前!」
インディー 「おあ、びっくりした!…え?ハムスター?なんでこんな所に?」
ジャム 「お前何者だ?」
インディー 「俺はハツカネズミのインディーだ。」
シロップ 「ハツカネズミ?」
ジャム 「それはシロップの物だ!返せ!」
インディー 「え?ああ、これの事?」
ジャム 「返せ!」
インディー 「返すも何も、あっちに落ちてたんだが?」
ジャム 「返さない気なら…」
インディー 「ちょ、話し聞いてる?」
ジャム 「覚悟しろおおお!!」写真

ジャム、インディーに斬り掛かる。

インディー 「おいおい!危ないって。」

ジャムは激しく攻撃するが、インディーはひまわりの種を使う等して上手くかわしまくる。
ジャム、よろよろと倒れる。

シロップ 「ジャム兄ちゃん!」
インディー 「どうした?大丈夫か?」
ジャム 「ちくしょう…腹が減って力が出ない。」

インディー、ひまわりの種を差し出す。

インディー 「ほら、喰えよ。お前らのなんだろ?」
シロップ 「ジャム兄ちゃん。この人、悪い人じゃなさそうだよ。食べなよ。」

ジャム、ひまわりの種を受け取り食べる。

ジャム 「カリカリカリカリカリカリカリカリ…」
インディー 「そんなに一気に喰うとのどにつまるぜ。」
ジャム 「ほっぺに入れるから大丈夫だ。」
インディー 「そうか、お前らほお袋があるんだったな。」
ジャム 「ぷはあ〜」
シロップ 「落ち着いた?」
ジャム 「うん。ありがとう。」

シロップ、ジャムからひまわりの種を渡され食べる。

シロップ 「カリカリカリカリ…」
インディー 「お前らハムスターだろ?どうしてこんな所にいるんだ?」
ジャム 「人間のリュックに忍び込んで脱出したんだ。」
インディー 「ほお〜。ハムスターの割には中々やるな。名前は?」
ジャム 「僕はジャム。」
シロップ 「僕はシロップ。」
インディー 「ジャムにシロップね。」
ジャム 「おじさんこそなんでここに?それになんで体に色々つけてるの?」
インディー 「そりゃ〜話せば長いが、簡単に言えば秘密任務の最中でね。」
ジャム 「秘密任務?」
シロップ 「かっこいい。」
インディー 「体についてるのは、色んな機械。人間に実験されてたからな。」
ジャム 「実験…」
インディー 「動物を賢くする実験でね。おかげで俺は人間に近い位頭が良くなっちまった。」
シロップ 「いいなあ〜。じゃあおじさんは…」
インディー 「インディーって呼んでくれ。」
シロップ 「インディーは何でも知ってるの?」
インディー 「何でもじゃないが、たくさん知ってるぞ。」
シロップ 「じゃあ、教えて!」
インディー 「なんだい?」
シロップ 「この世界にはどんな食べ物があるの?」
インディー 「食べ物?ん〜、たくさんあり過ぎて難しいな。」
シロップ 「インディーが美味しいと思ったのは?」
インディー 「そうだなぁ。あ、そうそう、こないだ食べたパスタは上手かったなぁ〜。」
シロップ 「パスタって何?」写真
インディー 「パスタってのはこう、長細くてな。」
シロップ 「長細くて。」
インディー 「ゆでると柔らかくて。」
シロップ 「柔らかくて。」
インディー 「ソースが絡まって。」
シロップ 「絡まって。」
インディー 「食べるとホクホクで。」
シロップ 「ホクホクで。」
インディー 「も、うまくってボノ〜って感じなんだ!」
シロップ 「ボノ〜っ!いいなあ!パスタ食べたいなあ!ねえ、ジャム兄ちゃん!」
ジャム 「そうだな。」
シロップ 「ねえねえインディー!他には…」
インディー 「待て!」
シロップ 「え?」

インディー、何かの気配を察し

インディー 「何か来る。隠れろ!」

3匹、いそいで隠れる。すると照明が上手下手別の空間になり、インディー達と反対側から
シャンプーとリンスが現れる。

リンス 「お姉ちゃん。お腹すかない?」
シャンプー 「え?う〜ん、言われてみれば…」
インディー 「おいおい冗談じゃないぞ、ここの動物園はあんなの放し飼いなのかよ。」

ジャムが、シャンプーリンスをチラッと確認して引っ込む。

ジャム 「あ、あれってもしかして、お師匠様が言ってた猫とかいう僕らの天敵じゃ…」
インディー 「猫じゃない。ありゃ猫の何倍もでかくて何倍も恐ろしいライオンって動物だ。」
シロップ 「ライオン?」
ジャム 「僕がやっつけてやる。」
インディー 「バカを言うな。あれはまだ子どもだが、我々が太刀打ちできる相手じゃない。」
ジャム 「人間の子どもより怖いのか?」
インディー 「あたりまえだ。見つかったら最後だ。人間だって喰われちまう。」
ジャム 「ええっ?!」
シロップ 「僕にも見せてよ。」
ジャム 「危ないからダメだよ。」
シロップ 「いいでしょ?ちょこっとだけ。」
ジャム 「ダメだって!」
シロップ 「いいでしょ!あっ!」

シロップ、ひまわりの種を転げ落し、思わず飛び出てしまう。シロップ、ライオンを目にして固まってしまう。

シロップ 「ふああ…」写真
ジャム 「シロップ!」

飛び出ようとしたジャムをインディーが引き戻す。

リンス 「お姉ちゃん!あれなに?」
シャンプー 「ん?なんだろ?」
インディー 「くそっ!見つかっちまった。」
ジャム 「シロップ!」
インディー 「シロップ。聞こえるか?」
シロップ 「う、うん…」
インディー 「いいか絶対動くなよ。」写真
シロップ 「う、動けないよ〜…」
インディー 「あいつらは動いたら必ず追いかけてくる。」
リンス 「わあ…かわいい!なんか小さい生き物!」
シャンプー 「かわい〜!さ、おいでおいで、怖くないよ。」
シロップ 「怖いよお〜」
ジャム 「シロップ!」

飛び出そうとしたジャムを抑えつける

インディー 「ジャム!お前の行動は勇気じゃない、ただのバカだ!」
ジャム 「バカでもいい!シロップを助けるんだ!」
インディー 「二人とも死ぬぞ!」
ジャム 「うるさい!」
インディー 「ジャム!いいか良く聞け!俺が囮になる。そのすきにシロップを連れてゆっくりと向こうの排気口に潜り込め。」
ジャム 「え?」
インディー 「いいか、くれぐれもゆっくりとだぞ。」

インディー、飛び出す。

ジャム 「インディー!」
インディー 「へ〜い!君たちカワウィーね〜!」
シャンプー 「わ、もう一匹いた!」

ジャム、シロップを連れてゆっくりハケる。

シャンプー 「君、なんて動物?」
インディー 「俺はハツカネズミって言うんだ。」
リンス 「ハツカネズミ?」
インディー 「え、君たち、どこから来たの?」
シャンプー 「サバンナエリアだけど。」
インディー 「サバンナエリア〜いいとこだよね〜行ったことないけど。え?君たちあれ?、修学旅行?」
リンス 「違うよ。」
インディー 「じゃあ、遊びに来たんだ?」
シャンプー 「まあそんなとこかな?」
インディー 「この辺初めて?」
リンス 「うん、初めて。」
インディー 「あっちの方いった?」
シャンプー 「まだ。」
インディー 「あっち面白いよ〜!チンパンジーとか見たことある?」
リンス 「なに?チンパンジーって?」
インディー 「あ?見たことない?なら是非行ってみてよ!も、超お勧め。あとね、アシカ!」
シャンプー 「知らなーい。」
インディー 「アシカも面白いよ!見なきゃ絶対損!」
シャンプー 「どうする?行ってみる?」
リンス 「行ってみようよ!」
シャンプー 「行こうか!」
リンス 「行こ行こ!」
シャンプー 「サンキュー!ハツカネズミさん!」

2頭、去る。

インディー 「ヨーウェルカム!気を付けて!…なんとか凌いだな…さて…」写真

インディー、ハケようとすると。シャンプーが戻って来る。インディー止まる。

シャンプー 「えっと、チンパ…」
インディー 「チンパンジーね!」
シャンプー 「チンパンジーチンパンジー!(去りかけて)あと、もう一つは…えっと…オットセイだっけ?」
インディー 「いや、アシカ。」
シャンプー 「アシカかぁ!」
インディー 「そうアシカ、似てるけどオットセイじゃなくてアシカ。」
シャンプー 「サンキュー!」

シャンプー去る。

インディー 「マイプレジャー!ハバナイスデー!…オットセイは知ってんだ…」

インディー、シャンプーが戻って来ないか警戒しながら走り去る。照明が変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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