△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン35


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明転すると、中央サスにアモン一人。

アモン 「ん?なんだここは?ここが悪夢の中か?」写真

すると、突然平和な家族アニメのBGMが聞こえる。

アモン 「ぐわっ!何だこの耳障りな音楽は?!ん?体が、体が動かない!」

照明、全体が明るくなる。そこへエプロンをした客間が現れる。

客間 「愛!マイ!ミー!学校遅刻するわよ!」
アモン 「なに?」
客間 「あら、お兄ちゃん今朝は早起きね。」
アモン 「お兄ちゃん?」
客間 「朝食できたから座って。」
アモン 「こっ…これは…うおっ、体が勝手に!」

アモン、イスに座る。愛、マイ、ミー出て来る。

マイ 「おはよう!超眠い。お兄ちゃん、そこ私の席。」
アモン 「え?」

アモン、隣のイスへ

ミー 「お姉ちゃん夜中ゲームし過ぎ。そこ私の席。」
アモン 「え?」

アモン、隣のイスへ

「うそ?お兄ちゃん起きてる!珍し〜。そこ私の席。」
アモン 「え?」

アモン、隣のイスへ。新聞を持った角田が出て来る。

角田 「おはよう。お、なんだ明、今朝は早いな。バイトか?」
アモン 「黙れ!」
角田 「え?朝からデート?!」
アモン 「言ってないだろそんな事!」
マイ 「ヒューヒュー。」
ミー 「もっとちゃんとした服着て行きなよ。」
「スケベ。」
アモン 「やめろお前ら!」

校長が出て来る

校長 「朝からいい匂いじゃの。今日の朝食はなんです?里子さん。」
客間 「サーロインステーキで〜す!」
アモン 「重い!」
3人娘 「やった!」
角田 「朝からゴージャスだな母さん。」
校長 「(泣きながら)う〜幸せじゃ〜〜!」
アモン 「その言葉を口にするな!」

客間が一人一人ステーキを配ってまわる。

客間 「おじいちゃんはまだまだ元気盛り。」
校長 「そうじゃ!」
客間 「お父さんは働き盛り。」
角田 「ああ!」
客間 「マイちゃんは食べ盛り。」
マイ 「ヒュ〜ッ!」
客間 「ミーちゃんは花盛り。」
ミー 「うん!」写真
客間 「愛ちゃんは伸び盛り。」
「はーい!」
客間 「お兄ちゃんは…」

客間とアモン目が合う。

客間 「さ、か、り。」
家族全員 「はははははははは!」
アモン 「ここから出せぇ〜っ!!」
角田 「頂きま〜す!」
他全員 「いただきま〜す!」
校長 「あ〜、里子さん、わしにその…」
客間 「はい、ちょっとぬるめのお茶ですね。」
校長 「気がつく嫁じゃあ!幸せじゃあ〜!」
アモン 「黙れじじい!」
角田 「お母さん。」
家族全員 「グッジョブ!」
アモン 「ああ畜生!たかがメアの夢で!こんな夢ぶっ壊してやる!不幸になれ不幸になれえ!」

アモン、力一杯念じる。玄関のチャイムが鳴る。

客間 「は〜い。」

客間、袖に入って行く。

アモン 「良し来た!殺人鬼が乱入して一家惨殺だ!はははははは!」

客間、戻って来る。

客間 「化粧品の押し売りでした。」
アモン 「しょぼい!」
校長 「最近珍しいのぉ。」
角田 「朝から縁起悪いな。」

角田、立ち上がり。

角田 「玄関に塩撒いてこよう。母さんお塩。」
客間 「そうね。…あ、いっけない、切らしてたわ。」
角田 「あら。」
客間 「「味塩コショウ」ならあるんだけど…」
角田 「ん?いいんじゃない?一応塩入ってるし。」
アモン 「いいわけないだろ!」
角田 「撒いて来る。」

角田、ハケる

アモン 「玄関で父親に不幸が!不幸が!…」

奥から

角田 「うわあっ!!」
アモン 「来たあっ!」
角田 「へあっくしょん!へあっくしょん!」
アモン 「くしゃみかよ!!」

角田、戻って来る

角田 「…撒き過ぎた。」
客間 「ま、お父さんたら。」
家族全員 「ははははははは!」
アモン 「やめろお〜!」
角田 「幸せだなあ!」
客間 「幸せね!」写真
三人 「幸せ!」
校長 「茶柱立っとる!」
家族全員 「幸せだあ!はははははははは!」
アモン 「たすけてくれえええ!!!」

すると、照明が暗くなっていき、アモンだけに明り。

アモン 「あれ?少し動けるぞ…」

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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