△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン18


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愛、マイ、ミー、カーコ、ユア、コト、客間出て来る。

カーコ 「ユウめちゃくちゃ悔しがってたね。」
マイ 「仕方ないよあっちの希望で3時から会議になっちゃったんだから。」
全員 「かわいそうに。」
コト 「なんて一人も思ってない。」

全員不適な笑み。

全員 「フッ。」写真

客間の携帯が鳴る

客間 「お、学校からだ。ちょっと待ってて。(携帯に出て舞台端へ)はい客間です…」
ミー 「でもかなり予算削れたよね?」
マイ 「1ヶ月かかったけど、これなら委員長も絶対喜ぶ!」
全員 「王子〜。」
客間 「なんですって?!了解しました!(電話を切る)」
「どうしたんですか?」
客間 「すぐに学校に戻るわよ!」
全員 「え?!」
マイ 「何で?!だってこれから…」
客間 「緊急事態なの!急いで!」

袖から女子、氷室芽愛の悲鳴。

氷室 「キャーッ!?」
カーコ 「何?」
「あれうちの生徒じゃない?」

氷室が飛び出して来る。怪我をしている様子。

氷室 「助けて下さい!!」
マイ 「どうしたの?」
氷室 「変な男がいきなり!あっ!」

氷室の足が動かなくなる。

マイ 「え?」
氷室 「足が!足が動かない!」
ミー 「これって…」

火鎚が出て来る。

マイ 「変態能力者!」
火鎚 「お久しぶり。こないだの矢、結構痛かったぜ。」
客間 「愛さん!結界!」
「はい!」

愛が手を広げると結界が張られる。

火鎚 「ほう。親子で結界能力者ってわけか。」
「何で私の事を?」
火鎚 「リサーチだ。」
マイ 「ストーカーじゃん。」

火鎚、結界を叩く。激しい音がする。少女達ひるむ。

火鎚 「おお。中々の結界だ。だがあと数発で破れるな。」
客間 「マイさん!テレポーテーションで逃げましょう!」
マイ 「でも、この子は術にかけられているから。飛ばせない!」
氷室 「そんな!助けて!」

火槌、もう一発叩く。また激しい音。

客間 「なら、こいつを倒すしかない。」

客間、玉砕刀を持って結界の外に飛び出る!

「先生!」

客間、火鎚に攻撃をかける。

火鎚 「ほう。そいつが結界を割り、魂を切り裂く玉砕刀か。」

客間、火槌、互角に戦う

火鎚 「中々やるじゃねえか。」
客間 「あんたも、中々頑丈な結界を着てるじゃない。」写真

客間、火鎚の結界の一部を切る

火鎚 「うっ!」
客間 「結界、一部破壊したわ。とたんに魔族の匂いがプンプンね。」
火鎚 「ありがてえ。これで少し身軽になったぜ。」
客間 「なに?」

火鎚、いきなりパワーが上がる。

火鎚 「うりゃああああ!」

火鎚、客間を弾き飛ばす。

客間 「うああああっ!!」

客間倒れる。

カーコ 「客間先生!」
火鎚 「うりゃああ!」

火鎚、愛の作った結界をまた叩く。破壊音と共に結界が破れる。

「駄目!結界が破られた!」

火鎚、少女達に近づきながら

火鎚 「さあ、出て来いペリル。この中にいるのはわかっている。」

ユアが弓をうつ。

ユア 「やあ!」

が、火鎚は素手で矢を掴む。

火鎚 「なるほど、霊気で弓を作ってたわけか。おもしれえ。良く見りゃこの矢、鉛筆じゃねえか。はははは。悪いが同じ手は二度と使えねえよ。」
カーコ 「やあ!」

カーコが見えない剣で火鎚に襲いかかる。が、火鎚はその剣を腕で受ける。

火鎚 「おお。こいつも珍しい。今度は妖気を固めた剣か。」

火鎚、カーコを弾き飛ばす。

カーコ 「くっ…」
コト 「カーコ!」
火鎚 「なかなか切れ味もいいじゃねえか。手の甲を切ったのは200年振りだぜ。」

火鎚、切れた自分の手の甲を舐める。カーコ、再び構えるが、手が震えている。

火鎚 「どうしたお嬢ちゃん。手が震えてるぜ。って事は、ペリルじゃねえな?じゃ、死ね。」

火鎚がカーコに手を振りかざした瞬間、マイが飛び出し、火鎚の一撃を腕にくらい、気絶する。

マイ 「うああっ!!」
女子全員 「マイ!!」
火鎚 「うわぁ〜。仲間かばうとか友情とか、俺たちがいっちばん虫酸が走るやつだ。」写真

愛の様子が変わる。

「許せない…こんなの許せない…」
ミー 「愛ちゃん?」
火鎚 「お、それだよお嬢ちゃん。怒り、憎しみ、俺たちの好物だ。」

立ち上がった客間が火鎚に斬り掛かる

客間 「やあ!」

火鎚、それを受け、はね除ける

火鎚 「めんどくせえ。てめえからぶっ殺す。」

火鎚が手を上げると、愛が叫ぶ

「やめてえ!!」

突然、雷鳴と閃光。みんな悲鳴をあげる。火鎚が倒れる

ミー 「愛ちゃん?!今のって…」
氷室 「ううう…」
ミー 「あ!この子の術が解けた!」
氷室 「早く…テレポーテーションで!」
コト 「でもマイがまだ…」
ユア 「なんだあれ?」
ミー 「え?」
ユア 「あの公園の生け垣の所。」
コト 「穴?」
ミー 「空中に穴?」
客間 「あれって…愛さんが?」

火鎚が起き上がる。

火鎚 「み〜つけた。確かに、とんでもねえパワーだな、ペリル。」
カーコ 「え?」
ミー 「ペリルって…」
「ううっ。」

愛、頭を抱えて倒れる。

ミー 「愛ちゃん!」
火鎚 「さて、後の奴らは用済みだ。誰からきざんでやろうか?」

風を切る様な音がする。

火鎚 「ん?なんだ?くそっ腕が上がらねえ。」

ガツンと言う音がして火鎚が倒れかかる。

火鎚 「くっ!」

上底、角田が出て来る。

ミー 「上底先生!」
ユア 「副校長せんせも!」
上底 「待たせたな。」
火鎚 「またてめえか。」
上底 「まさか変態能力者君が魔族だったとはな。」
ささがに 「魔族の匂いプンプンなのね。」
ミー 「魔族?」

マイ、気がついてフラフラ立ち上がる。

ミー 「マイ!」
マイ 「みんな!飛ぶよ!はっ!!」

照明目つぶし。風の音。照明戻ると舞台上には火鎚と上底と角田以外消えている。

上底 「あ、置いてかれた。」
角田 「上底さんは、私と一緒にお客さんの接待です。」
ささがに 「おもてなしなのね!」
火鎚 「遠慮する。ま、収穫はあったし、今日はこの辺にしといてやらあ。」

火鎚、去る。

上底 「待てこら!」
角田 「深追いはまずい。恐らくもう一体も近くにいる。罠かもしれん。」
上底 「そうだった。」
角田 「ん?あれは…」
上底 「え?何だあれ?」
角田 「穴?」
上底 「空間に穴が開いてる!」
角田 「まずい。(携帯をかける)角田だ。新たに穴ができた。すぐに包囲を頼む。位置はM907。いや、小さい。直径は約1メートルだ。急いでくれ。」

息を切らせて瀬名が追いつく。拳銃を構えている。

瀬名 「悪魔は?!悪魔はどこだ!!」写真
上底 「一足遅かったね。」
瀬名 「うっそ?つかあんたら、車より速いとかありえないだろ?!!」
角田 「瀬名くん。至急政府にも連絡取ってくれ。」
瀬名 「何の話ですか?」
角田 「あれの話だ。」

角田、穴を指差す。

瀬名 「え?…なんだあれは?!」
上底 「穴だよ。」
瀬名 「穴って!まさか!え?!」
角田 「ここは仲間達に任せて我々は戻ろう。」
上底 「あいよ。」

角田去る。

瀬名 「いやちょっと!」
上底 「あ、そうそう。(拳銃を指差し)この手の飛び道具、奴らに全く効かないからそこんとこシクヨロ。」

上底去る。

瀬名 「…こりゃ…やばすぎる!(携帯をかけながらハケる)瀬名だ!首相に繋いでくれ!え?ゴルフ?いいからつなげ!緊急事態だ!」

瀬名も追いかける様に去る。照明変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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