トップページ > ページシアター > ほぐす! > プロローグ 【公演データ】
暗転中、軽快な音楽。明転するとサングラスをかけた盲目の男「原」が杖をつき、携帯を耳にしながら出て来る。
原 「あれれれれ?何で出ないかな?やばいな遅刻だよ。…ううっ…こんな時に腹の調子が…トイレ…さっきコンビニがこっちに…」
原、お腹を抱えながら去りかける。そこにサングラスをかけた女「ベリー」が携帯を耳にしながら出て来る。少々イライラしている。
ベリー 「もお、何で出ないのよ。こっちは手際が要だってのに…」
原はその後ろから急いで出て来た警官「花村」とすれ違い、去る。
花村 「ん?あれは…」
原に気を取られた花村がベリーとぶつかり、ベリーは携帯を落とす。
ベリー 「痛っ!」
花村 「あ!すみません!」
ベリー 「ちょっと気を付け…」
ベリー、携帯を拾い、ぶつかったのが警官だと付き顔を背ける。
ベリー 「…て、下さいね。」
花村 「携帯、大丈夫ですか?」
ベリー 「ええ。」
花村 「かけながら歩くと危ないですよ。」
ベリー 「ええ。失礼。」
ベリー、そそくさと去る。花村時計を見る。
花村 「おっと、急がねば。」
花村が去ると、再び原が出て来る。
原 「ふう。危なかったぁ。あれれれれ?こっちだっけ?うん、落ち着け。急がば落ち着け。」
原、立ち止まり正面を向く
原 「あ、あのすみません。ホテルネオガイアってこっちであってます?」
暗転。音楽が大きくなる
(作:松本じんや/写真:関口空子)