△ 「悩める王子の惑星」シーン38


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明転すると国民広場。ジャスミン、アーモンド出て来る。

アーモンド 「うわあ。少ないって言っても三千人って凄いな。」
ジャスミン 「国王が姿を現す事はほとんどないって言ってたからね。」写真

ランセント出て来る。

ランセント 「あ、良かった見つかって!えっとアーモンド君。」
アーモンド 「アーモンドです!あれ?あってた。」
ランセント 「君、兄さんの事応援してくれてるよね。」
アーモンド 「え?うん!してるしてる!」
ランセント 「ちょっといい?」

ランセントとアーモンド、隅でこそこそ。

アーモンド 「OK!喜んで!」
ランセント 「頼んだよ!」

ランセント、アーモンドに手紙を託し、足早にハケる。

ジャスミン 「なに?」
アーモンド 「なんでもない。」

奥からライムの声。

ライム 「ああもう、冗談じゃないぞ!」
アーモンド 「あれ?あの声は…」

ライム、水玉模様の可愛い服を着て出て来る。後からグラマンが着いて来る。

ライム 「あの医者、こんな服しか持ってないのかよ?!」
グラマン 「娘さんのだそうです。」
ライム 「こんなかっこうジャスミンに見られたら…」写真

ライム、ジャスミンと目が合い絶句。ジャスミン、アーモンドじっと見ているが耐えきれず吹き出す。

ジャスミン・アーモンド 「ぷっ!」
ライム 「あーお前ら今「ぷっ」つったな!なめんなこら!」
ジャスミン 「最高。」
アーモンド 「カワイイ!」
ライム 「誰が!…え?そうか?…そんな事はどうでもいい、お前達、もう勝手に動けないぞ。」
ジャスミン 「は?」
ライム 「残念ながら警察の信用は完全に失った様だ。これからはあたしの命令下で調査に協力してもらう。」
グラマン 「すまんな。探偵と調査官では権限の差があり過ぎる。」
アーモンド 「プー!」

飛行隊、ダグラス、出て来て整列。

アーモンド 「出て来たよ。」

コルセア一家とファルコも出て来る。

コルセア 「間に合ったな。」

レーセンが出て来る。

レーセン 「メンフィス国王陛下が参られます。」

ファンファーレが鳴り、国王中央の段に上がって来る。シェフの様な高い帽子を被っている。

アーモンド 「この国で一番偉いのはコックさんなの?」
ジャスミン 「しーっ!」写真
国王 「今日は、みなに急ぎ伝えねばならぬ事がある。ここ数日の間に、ジモラスが総攻撃をかけてくる可能性が高くなった。友好国、チェアビットから疎開受け入れの承諾はもらえたものの、救命船の使用は一度のみ。つまり二千人しか疎開できぬ。その二千人の選び方だが、まずは女性と子ども、病人は優先。残りはこの後くじを引いてもらう。もちろんくじ引きの拒否は認める。」
シュミット 「私は拒否するわ。」
三姉妹 「私も。」
コルセア 「我が家は全員拒否か。」
国王 「出発は明朝。時間が無くて申し訳ない。この星に残る千人は、城のシェルターに収容する。私も残る。調査団が来る事を信じ共に辛抱だ。みなの無事を祈る。」

国王、レーセン、ハケる。

ダグラス 「くじを引く者は門の前に!」

全員、ハケようとするが、アーモンドがメリールーに駆け寄り

アーモンド 「メリールー。」
メリールー 「アーモンドさん?」
アーモンド 「はいこれ。」

アーモンド、メリールーに手紙を渡す。

メリールー 「これは?」

アーモンド、メリールーに耳打ち。

メリールー 「え?…ありがとう。」

ベル、戻って来る。

ベル 「お姉ちゃん?」
メリールー 「今行く。それじゃ。」

メリールー、去る。

アーモンド 「よし!これで…あれ?待ってよジャスミーン!」

アーモンド去る。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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