△ 「あげぞこ先生」シーン9


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字幕「職員室」
見せ暗転が終わって職員室。上底が中心に立ち、校長、副校長が傍らに。他の職員は座っている。

上底 「ってな訳で、入院中の東先生にかわって代打でやって来ました上底友吉でゅえっす!上様の「上」にどん底の「底」!底んとこヨロシク!なんつって!」写真

間。職員達冷ややかな目。

内田 「ははは。」

みんな一斉に内田を見る。内田、すまなそうに頭を下げる。

上底 「今回の件は皆さんもさぞ心を痛めている事でしょう。ですが僕が来たからにはもうダイジョ〜〜ヴ!代打どころか学校事業全体の底上げもしちゃいますヨォ!上底が底上げ!なんつって!」

間。職員達冷ややかな目。

内田 「ははは。」

みんな一斉に内田を見る。内田、すまなそうに頭を下げる。

副校長 「もう宜しいですか?」
上底 「えっ?あの…あ、はい…」
副校長 「では我々も自己紹介しマショウ。私、副校長の御船麻里子です。」
校長 「校長の御船七瀬です。」
副校長 「そちらの3人はもうご挨拶済みですね。」
上底 「ええ。福来兄、福来弟、チョーさん。」

3人苦笑い。

副校長 「ではこちらの二人。」
「畑悦子です。」
瀬名 「瀬名ユリです。」
上底 「エッちゃんにユリっぺね。」
「担当教科は…」
上底 「待った!当てて進ぜよう。ここのパターンは読みきったぜ。…(瀬名に)社会科!(畑に)保健!」
畑・瀬名 「おお。」
上底 「ヨシもらった!」
畑・瀬名 「おしい。」
上底 「ふぇ?」
「社会科です。」
瀬名 「保健です。」
上底 「まんまじゃん!」
副校長 「で、最後に奥にいる…」
服部 「担当は美術です。」
上底 「うわ!先に言っちゃった!もぉ、いっこも当てらんなかったじゃん。」
服部 「服部浩一です。」写真
上底 「服部ちゃんね。宜しく!ニンニン、なんつって!絶対言われたでしょ昔?あ!あっちか?フクベーか?ほら、20世紀少…」

校長、無視して

校長 「さて、」
上底 「おぉ…」

上底、ここは空気を察する。

校長 「東先生はまだ意識が戻られていませんので、クラス担任は上底先生に引き継いで頂きます。」
上底 「喜んで!」
副校長 「副担任の瀬名先生は、事件の当事者ということで、一旦任を外れて頂きます。」
瀬名 「はい。」
校長 「代わりの副担任ですが、皆さん積極的に名乗り出て下さいました。では指名させて頂きます。」

服部以外みんな「自分だろう」的な自信たっぷりの様子。

校長 「服部先生。」
服部 「え?」
校長 「お願い致します。」

みんなどよめく。

瀬名 「よりによってなんでまた…」
服部 「あの、何かの間違いじゃ?私、あの、立候補もしてませんし…」
校長 「私は適任かと。」
服部 「いや、しかし私は…」
副校長 「服部先生。励みマショウ。」
服部 「…はい。」
校長 「それと、あの公安の方の言動ですが、あれは明らかに挑発行為です。感情的になったら相手の思うつぼです。気を付けて下さいね、内田先生。」
瀬名 「え?じゃさっきの鼻血…」
「やっぱりウッちゃんか。」
校長 「能力使用は授業以外では謹んで下さいね。特に子ども達の前では。」
内田 「すみません。年取るとどうも踏ん張りが…」
「気をつけなさいよ。超能力用のハルンケアなんてないんだから。」
内田 「ははは。」
副校長 「内田先生。こらえマショウ。」
内田 「はい…」
副校長 「他に何か連絡は?」
「あ、今夜、上底さんの歓迎会やりま〜す。」
上底 「お!あざぁ〜す!」
「会費はお一人様3千円。場所は非常識で。」
上底 「非常識?」
瀬名 「店の名前です。」
上底 「ネーミングから非常識だな。」
「欠席の人だけ教えて下さ〜い。」
校長 「すみません、私と副校長は今回も…」
「たまにはいらして下さいよぉ。」
副校長 「付き合い悪くてごめんなさいね。でもいずれまた。」
服部 「あの、私は…」
「遅刻参加。」
服部 「はい。すみません。」
上底 「え?何よ服部ちゃん。」
「女に会いに行くんだよね。」
服部 「ちょと畑先生…」写真
上底 「お!なんだ服部ちゃん、隅に置けないねぇ!だから真ん中行け!なんつって!」

間。

内田 「ははは。」
上底 「なんだか唯一の理解者の様な気がする。(内田と握手)」
服部 「娘です。娘の見舞いに病院に…」
上底 「あら、娘さんが?」
福来 「さっきの、病気で入院している生徒って言うのが…」
上底 「ああ、そっか、じゃしょうがないっすね。」
服部 「すみません。」
副校長 「それではちょっと早いですがミーティング終了。」
校長 「今日も一日宜しくお願いします。」
校長以外 「宜しくお願いします。」

みんなわらわらと動きだす。

上底 「まだ時間あるな。あ、副校長先生。」
副校長 「はい?。」
上底 「例の現場の教室って覗けます?」
副校長 「警察に封鎖されているので無理です。」
上底 「そうですか…」
副校長 「ごめんなさいね。」
上底 「いえいえ。」

校長副校長、去る。

上底 「う〜ん…覗いて来ようっと。」

上底、行こうとする。

瀬名 「上底先生?」
上底 「ちょこっとだけ。」
瀬名 「無理ですって。」
上底 「大丈夫。僕には奥の手がありますから。」

上底、去る。

瀬名 「ちょっと先生!」
「めんどくさいの来たなぁ。」
福来 「奥の手って何だろう?」
直也 「テレポーテーションとか?」
瀬名 「え?」
全員 「(顔を見合わせ)まずい!」

みんな上底を追いかける。服部は最後に渋々着いて行く。見せ暗転。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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