△ 「トワの宇宙」シーン15


トップページ > ページシアター > トワの宇宙 > シーン15 【公演データ

<前一覧次>

映像と字幕  ネーブルクレート地区 ブレアーズタウン
砂嵐を避けるため、室内に潜むライアン一行。

フォック 「そろそろ来ますね砂嵐。しばらくセンサーが使えません。ま、通過まで15分ってとこでしょうが。」
キム 「ここ、何て町?」
フオック 「ブレアーズタウンですね。ガニメデでも中規模クラスの町です。」
ライアン 「ブレアーズタウン…どこかで聞いたような…?」
セカイ 「うううう…」
キム 「大丈夫ですよ。今痛み止め射ちますからね。」

奥で、物音。皆銃を構える。

フォック 「ブルか?」
ライアン 「奴はまだ外だ。」

全員、息を潜める。フォックス、そっとハケに近づき、様子を伺う。突然後ろからアイが現れ、
フォックスに銃を突きつけるが、ライアンとキムがアイに銃を向ける。

ライアン 「人間のようだな。」
アイ 「そちらも。」写真

全員銃を降ろす。

ライアン 「ライアン隊隊長ジェームスライアン大佐だ。」
アイ 「火星のライオン?ライトニング・バーズ、ホーク・アイ少佐です。お会いできて光栄です。」
ライアン 「君がトップガンのホーク・アイ。こちらこそ光栄だ。」
アイ 「大丈夫、入って。」

トワ、出て来る。

ライアン 「もう一人お嬢さんがいたか。」
アイ 「発見されたばかりのジニアスです。」
トワ 「瀬名トワです。」
キム 「瀬名トワ?(妙に警戒)」
フォック 「とにかく、我々以外にも生き残りがいて良かった。」
アイ 「まだ数人居ます。」
ライアン 「本当か。」
アイ 「私たちとは別の機でキャスルロックに向かっています。」

ブル、入って来る。

ブル 「隊長!外にインターセプターが!…あれ?また人が増えてる。」
ライアン 「航空隊の生き残りと、民間人のお嬢さんだ。」
ブル 「じゃ、外のは…」
アイ 「あたしの戦闘機よ。」
ブル 「あ、あの!お願いがあるんですけど!」
アイ 「何です?」
ブル 「嵐が去ったら、ちょっとだけ操縦させて頂けませんか?」
フォック 「お前、インターセプターも操縦できるのか?」
ブル 「ええ。乗った事ないですが。」
アイ 「無理よ。」
ブル 「え?大丈夫ですよ!」
アイ 「無理。」
ブル 「大丈夫ですって!僕、操縦のジニアスなんですよ!」
アイ 「それでも無理。」
ブル 「何で無理なんですか?!」
アイ 「…体、操縦席に入らない。」
ブル 「…あ…そうか…」
セカイ 「ううう…」
トワ 「大丈夫ですか?」
キム 「触るな!」
トワ 「…あの、でも私看護士の資格を…」
キム 「いいから近づくな!…大丈夫だから。」

外の嵐の音激しくなる。

ライアン 「ひとまず地下に降りよう。」

一行、一度ハケるが別のハケから出て来る。嵐の音が小さくなり、照明暗めに。

トワ 「どこか、お怪我は?」
ライアン 「大丈夫だ。」
トワ 「折れてますね。」
ライアン 「え?」
トワ 「右手の薬指。」
ブル 「大佐。」
ライアン 「大した事無い。」
トワ 「駄目です。どうぞこちらに。」
ライアン 「ブル、入り口たのむ。」
ブル 「了解。」

ブル、退室。

フォック 「あの…」
アイ 「何ですか?」
フォック 「生き残りの中に、ドロップスってチームは居ませんでしたか?」
アイ 「ドロップスって、あの特殊部隊の?」写真
フォック 「ええ、ミキって言う子が居るんですけど。」
アイ 「ごめんなさい。私の知ってる中には…」
フォック 「…そうですか…」
アイ 「彼女ですか?」
フォック 「ええ、まあ…ありがとう…」
アイ 「いえ。」
ライアン 「お嬢ちゃんも200年前の?」
トワ 「ライアンさんもなんですね。同じ時代の人と会うとホッとします。」
セカイ 「ううう…」
トワ 「あの人…」
ライアン 「セカイ・マクドネル。大統領の御曹司だ。」
トワ 「大統領の息子さん?」
ライアン 「どうやら頭を打って記憶が飛んでるらしい。」
トワ 「私に何かしてあげられる事…」
ライアン 「あっても、ありゃガードかたいぞ。」
トワ 「はい、終わりました。」
ライアン 「ありがとう。お嬢ちゃん。」
トワ 「どういたしまして。」

トワ、次に落ち込んでいるフォックスの話を聞きに行き、一人指切りを教える。

キム 「ちょっと。」
アイ 「何か?」
キム 「あの子…メシアか?」
アイ 「…なぜそれを?」
キム 「やはりそうか。こっちは大統領直属の部隊だ。情報は入っている。」
アイ 「そうですか。」

ブル、飛び込んで来る。

ブル 「砂嵐、おさまってきました!」
ライアン 「早かったな。」
ブル 「ヘリの準備して来ます!」

ブル、再び退室。

アイ 「私たちも出ます。」
ライアン 「ああ、無事を祈る。」
アイ 「キャスル・ロックでお会いしましょう!」

敬礼。アイ、トワ退室。

ライアン 「不思議なお嬢ちゃんだな。」
フォック 「トワさんですか?」
ライアン 「何と言うかこう…優しい気持ちにされる様な…」
フォック 「ですよね…」
キム 「救世主ですから。」
ライアン 「何?」
キム 「彼女のジニアスコードは『メシア』。」
フォック 「メシア?!」
ライアン 「間違いないのか?」
キム 「大統領から報告がありましたから。」
フォック 「なぜこんな所に?」

爆発音。

フォック 「なんだ?」写真

銃声。みんな銃を抜く。ブルが戻って来る。

ブル 「大変です!」
ライアン 「どうした?」
フォック 「トワさん達に何か?」
ブル 「いえ、彼女達は無事に!」
フォック 「じゃあ…?」
ブル 「とんでもない数のアンドロイドがこちらに!」
ライアン 「何?」
フォック 「奴らが追いつくにはいくらなんでも早過ぎる!」
ブル 「ヘリもやられました!」
フォック 「くそっ!どうなってんだ!」
ライアン 「そうか!思い出したぞ!」
ブル 「何です?」
ライアン 「ブレアーズタウン!アンドロイドの修理工場がある町だ!」
フォック 「それじゃ…」
キム 「何て事…」
ブル 「この建物、まだ地下があります!」
ライアン 「とりあえず地下だ!」

全員ハケる。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

<前一覧次>


トップページ > ページシアター > トワの宇宙 > シーン15 【公演データ