エムドゲイン

GTR法との違い

 原理の項目でも触れたように、GTR法によって新たに形成されるセメント質は有細胞セメント質になります。それに対し、エムドゲインにより形成されるのは無細胞セメント質になります。

 術式上の違いは、GTR法では膜を設置・縫合し、術後にも歯肉縁上に露出しないように注意する必要があります。エムドゲインでは塗布するときの汚染に注意する程度ですので、操作の簡便さ、操作時間の短さという点では、エムドゲインの方が勝っているといえます。

 術後12ヵ月のプロービングデプスとアタッチメントレベルの変化は、 Pontorieroら(1999)によるとGTRとエムドゲインで差はないことが報告されています。

  GTR法 エムドゲイン
ポケットの減少 4.5 4.4
付着の獲得 3.1 3.0

(Pontorieroら(1999)より改変。単位はmm)

 一度治癒した後の再感染に対する抵抗性について、Sculeanら(2008)はエムドゲイン(EMD)、GTR法、EMDとGTR法の併用、オープン・フラップ・デブライドメント(OFD ; 一般的なフラップ手術)を比較し、再生療法間では差がないことを報告しています。


(Sculeanら(2008)より改編)

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最終更新2013.1.10