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横浜トリエンナーレ@パシフィコ横浜(2001年10月7日)
週末もないほど忙しいこのごろ、
久々に家族がどこかに行こうということで「横浜トリエンナーレ」に行きました。
サッカーのチームみたいな名前ですが、
芸術の秋、
これは現代美術展です。
ビルに巨大バッタがはりついているのをテレビでご覧になったかも知れませんが、
あれです。
音楽ではないのになぜ「風雅異端帳」にと思われるかも知れませんが、
多少音楽も関係あるのです。
美術といっても絵や彫刻ではありません。
作品と称するオブジェ群と備品としてそこらに置いてある電源やゴミ箱類とを区別するのが難しいような、
首を傾げたくなる「アート」群です。
入り口にしょっぱなから銀色に光る角張った小石のようなものが敷き詰めてあります。
よく見ると一つ一つが銀色の紙で包まれたキャンディーで、
「一人一つずつお食べ下さい」とあります。
そこで食べて入りますが、
これも「参加型芸術」なんでしょう。
まじめな顔をして鑑賞するのがアホらしいような感じで足早に回りましたが、
それでも結構時間がかかります。
実は私こういうアホらしい現代アートが嫌いではありません。
「現代アートも現代音楽に似て行き詰まっているな」と思いつつ、
結構楽しんで回りました。
一つ一つブースに囲まれ、
何があるのかなと入って行くと、
何か物体とか投影映像が音響と一緒にあるいは無音の中で提示されている、
という形式です。
一番つまらなかったのはテレビが一台置いてあって3秒くらいの意味不明の画像が延々と繰り返されたりしているものでした。
あと、何か水の落ちる音がするので何かなと思って入ると、
浅いプールがあって、
非常に高い天井から水が勢いよく落ちて来ている。
それだけ。
これらでも一応認められたアートなんでしょうが、
なんだかなあ。
全部説明するのは面倒なので、
一番気にいったものを書きましょう。
開放型のブースですが、
天井が大人の肩ほどの高さで、
したがってかがまないと入れないのですが、
その天井に曲線の穴が無数に空いていて光が漏れている。
人が入れるほどの穴なので、
鑑賞者たちは好きずきに首を突っ込んで覗いている。
ご丁寧にステップが用意されている穴もあり、
そこではステップに上って半身突っ込んでいる。
私も覗いて見ましたが、
何かボロ家財のようなものが置いてあって、
それが作品。
これならウチにも天井裏の納屋がありますがその現状も十分アートだなと思いました。
ある穴を覗くと、
サンドバッグのようなものがゆっくり回転していて穴の直上が回転コースの途中にあるので首を避けないとぶつかる。
つまりモグラたたきのモグラになった気分です。
またみんな穴に首や体を突っ込んでいるので、
そのブースを外から見ると人々の胴体だけ見えて滑稽です。
その効果も計算済みなんでしょう。
ところで音楽と関係あるのは何かというと、
一柳慧が出展していたのです。
そのブースに入ると、
彼の作品がスピーカーから聞こえる。
ちょっと「ピアノメディア」に似たピアノ曲です。
ただし「タイム・シークエンス」ではありません。
パンフレットに書いてあるだろうと思って説明書きを筆写しなかったのが敗因。
曲名を忘れてしまいました。
壁には彼の作品の楽譜が、
わざと質の悪いFAXでスキャンしたようなものがあちこち貼ってあります。
テレビにも何かの抽象的画像が流れています。
アートとして大変面白いというわけではありませんが、
好きな作曲家の作品に思いがけなく出会って嬉しい気分でした。
ほかにも赤煉瓦館会場などいろいろありますが、
結構盛りだくさんだったので、
また後日行くことにしましょう。
それにしても、
隣で「英国モーターショー」が行われていて、
そっちの方が人山ができていましたが、
やっぱり現代芸術より面白いのかな。
スーパー7みたいな車がいろいろ置いてあって試乗もさせてくれるので、
これは人気があるのも無理はないか。
私もちょっと乗ってみたかったけど、
お腹もすいていたし家族と食事に行ってしまいました。
クィーンズスクエアのインド料理店のカレーバイキング、
満足しました。
[2001年10月8日記]
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