2024.5藤咲整形外科医院だより
木々の花が美しく咲き、初夏の香りが溢れる季節となりました。藤は大人びた流れるような香りを、柑橘は濃厚で滴るような、ブルーベリーはかそけきありようで、花の存在を示します。花の存在は草花にも等しくみられ、それぞれがその場所において、みずからの世界の中心を疑いません。
花はのちに結実し、子孫を残します。植物には、放置しておいてはなくなるものあり、植えた覚えもなく生えてくるものあり、季節を得て、時を知り、生命は受け継がれます。命の継続はいきものに遺伝子的に備わったものなのでしょうか。
生命活動の中には、意識しなくとも自動で行われるものと、意識的に行う必要のあるもの、努力してようやくできるもの、の3者があるようです。ヒトであれば、心臓の鼓動と呼吸は、意識しなくても実行されます。食事は、腹は自然に空きますが、その気にならなければ摂食できず、食べるものがなければ満たされません。勉強は、努力無くしては達成できないことでしょう。ところが実際には、簡単に言い切ってしまえるものでもないことを、私たちは知っています。呼吸法と言います。自然に行われるものに、意識の工夫を加えて、特殊な効果を期待します。満たされる分を心は知っていても、その同じ心が、過食や拒食を呼びます。寝食を忘れて何かに打ち込んだ経験は、どなたにも思い当たるところがあるでしょう。
歩くということは、自立という言葉の通り、生命としての基本技能として重要であり、餅を背負い転ばされてまで期待され寿がれた(ことほがれた)、自然なもの、意識すべきもの、努めるものです。 どれゆくかと、その日の一歩を自然に歩みだせれば、命冥利。
皆様お体大切に
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2024.5藤咲整形外科医院院長 藤咲 裕