ロシアンラリー2001実戦編
ロシア上陸前(4/27〜4/30) 自宅〜新潟〜ナホトカ 4月27日、早朝。福田モーター商会へ向けてバイクを走らせる。 大渋滞の国道20号。でも、この喧騒も、しばらくは味わうことはない。 これから、大陸へ行くのだ。そう思うと、気持まで大らかになっていく。 というか、余裕はないんだよな。約束の時間はとっくに過ぎている。 福田モーター商会で、今回トラック便でいっしょにバイクを搬送する、 #1小杉さん、#8赤木さん、#9竹下さんと、かなり遅刻して合流。 ごめんなさい! しばしの顔合わせの後、息つく暇もなく仕事場へ向かう。 今回は、新潟の宿に、荷物をあらかじめ送ってしまっているし、 バイクもトラックで搬送してもらえるので、とても身軽に出かけることが出来る。 こんなに楽していいんだろうか? § 19時過ぎ。ようやく、仕事終了。今日の宿泊地、新潟へ向かう。 駐車場でうろうろしていると、偶然、営業の人間をつかまえた。 社有車で無理やり駅まで送ってもらう。 これで、最終電車を逃れることが出来そうだ。 相鉄で、大和〜横浜。東海道線で、横浜〜東京。 停車時間、待ち時間がもどかしい。 小走りで、上越新幹線乗り場へ。時間は・・・、21時。 よかった! 最終の1本前に乗れる。 § 23時半、新潟駅着。先着組のいる、樋口旅館へ向けて歩き出す。 今朝方会った3名の他に、新たに3名との出会いが待っている。 遅い時間に着いたので、出来上がった酔っ払い集団と化しているのだろうか? そんな心配をしながら、人通りもまばらな夜の新潟を一人歩いてゆく。 万代橋を渡り、いいかげん道に迷ったかと思い始めた頃、 目当ての旅館が見えてきた。 § 宿に着くと、風呂上りと思しき女性が「田中さん?」と声をかけてきた。 今回ご夫婦で参加の#5石川さんであった。 部屋まで案内してもらい、#14真田さん、#4石川さん、見送り浦上さんと顔合わせ。 心配していた酔っ払い状態でなく、普通なのでひと安心。(失礼!) § そして、翌朝。荷物満載のタクシーで、新潟港へ向かう。 途中で、沖縄ナンバーの怪しい4輪を目撃。 やはり参加者であることが後ほど判明する。 しばらく走り、人っ子1人いない埠頭に到着。 でも、ここは、違うんじゃない? タクシーの運ちゃんも良く分かっていないのか、あちこち走り回って、 ようやく目当ての埠頭に到着した。 すでに、2輪、4輪共に結構な数が集まっている。 その時は、感じなかったけれど、タクシーで乗りつけた僕達は、 奇異な目で見られていたんだろうな。 普通は、トランポだったり、自走みたいだから。 § 受け付けを済ませ、No.16のゼッケンシールをバイクに張る。 普通のバイクがラリーレイドマシンに変身する。 なかなかかっこいいんじゃないの。1人悦に入る。 車検の列に並ぶ。 まずは、装備品のチェック。何事もなく通過。 続いて、車検。こちらも、問題なし。ふぅー、ほっとした。 車検を済ませると、出航の14時までする事がない。 4輪の積み込み作業は始まっている。 マイクロバスが出るというので、新潟市内まで、集団で食事・買出しに向かう。 § まずは、車検でリフレクターの欠品を指摘された、#34前田さんの 部品探しが始まったが、難なく、自転車用のリフレクターを入手。 その瞬間、集団は異様な盛り上がりを見せ、一体感が・・・ ロシアンラリーの隠しテーマ「助け合い」が、少しだけ姿を現した? 食事・買出しを済ませ、港に戻る。 § 戻って間もなく、開会式が始まった。 スタッフ紹介のあと、エントラント1人ずつ、 所信声明演説のようなことをすると言う。 人前でしゃべるのは苦手なんだけど。 「下手の横好きなのに、重たいバイクで来てしまいました。 なんとか完走できるようにがんばります」 こんなことを、言ったような気がする。 #34前田さんの番に来たところで、問題発言。 「さっき町で買ってきたリフレクターをどこかに落としてしまいました・・・」 一瞬笑いが起こるが、すぐに探してあげなきゃという雰囲気に変わる。 開会式後、みんなで手分けして探すことになるのだが、見付かった瞬間は、 またもや、例の異様な盛り上がりを見ることが出来た。 ここで、ある女性の存在に気が付いた。どっかで見たことある顔だ。 と思っていたら、一番最後にタレント(女優?)の渡辺由紀さん であることが判明した。やっぱりか。 § いよいよ乗船。みな一様に大量の荷物を抱えつつ船のタラップを上がって行く。 そんな状態なので、ロシア人の差し出すパンをつまむのは大変だ。 重たい荷物のバランスを取りながら、苦しい中で笑顔を見せつつ、何とかパンをつまむ。 「スパシーバ!」 船に上がると、新潟税関が出張してきており、出国の手続き。 パスポートには、羽田でも、成田でもない新潟からの出国スタンプが押された。 やっとのことで部屋に落ち着き、同室の2人と挨拶を交わす。 #18のXR650八重樫さんと、参加2回目の#35シェルパ池田さんだ。 4人部屋だが、この部屋は3人だけ。しかも、他の部屋よりも間取りが広い。 他のエントラントが、うらやましがるほど。 だけど、大量の荷物のせいで、床はあっという間にいっぱいとなるのであった。 § バイクの様子を見るため、潮よけのカバーを掛けるために、デッキに上がってみる。 デッキにずらっと並べられたバイクは壮観。客船に無理やり積み込んでいる感じがいい。 カバーを掛け、タイダウンの張りをチェックする。 あとは、出航を待つばかりだけど、なかなか船は出ない。 17時半頃ようやく出航した。14時出航じゃなかったっけ? おかげで、きれいな夕日を見ることは出来たけど。 でも、見送られることが、こんなに嬉しいなんて知らなかった。 手を振って見送ってくれる人がいて、それに応えて・・・ 夕暮れ時であることもあってか、なんだか、切なくなってしまった。 日本海横断の航海が始まった。 § 船室に戻り、ひとしきり話した後、横になっているといつの間にか寝てしまう。 ふと目が覚めると、他の2人は、まだ寝ていた。 ぼーっとしていると、#14真田さんが部屋の外を通り過ぎた。 と思ったら、すぐに戻ってきて、「もう、晩飯始まってるよ!」とのこと。 あわてて、2人を起こし、レストランに急行。 そう言えば、何を言っているか分からない放送があったような気がする。 他のエントラント達は、すでに集まっており、僕らが一番最後みたいだ。 席に着くと、すぐに食事が運ばれて来る。 味はどうかと言えば、これが結構いける! よく分からない調理法だが、基本は魚料理。 米は、一見白飯だけどピラフの様な味付けとなっている。いやだと 言う人もいたけれど、この御飯、僕は結構いけると思った。 夕食後、ルートマップが配られた。「おー、これか!」ちょっと感動した。 マップはA5サイズ。2cm厚のメモ帳のようなもの。 これをはがして、つないで巻物状にするのだ。 早速貼ったろ! と思ったが、翌日マップについての説明があるらしいので、ぐっとこらえる。 § そして、翌日。 マップについては、たいした説明もなく、チェックせねばと、持っていった 蛍光ペン(八重樫さんありがとう)も使わずじまい。 という訳で、マップ張りが始まる。 船の中の暇な時間で全部巻物にしておかないと、後で大変なので、ひたすら貼る。 1st、20枚か。まあ、楽勝だな。 2nd、31枚。ちょっとしんどくなってきた。 3rd、何枚あるんだ? とやっているところに、マップ張りを終わらせた#1小杉さんが現れた。 「やってる〜?オレ、もう終わったから・・・」 後から現れた、#2亀田さんは、僕が船内で買ったロシアの水を見て、 「お、買ったん、ロシアのおいしい水。これ、炭酸水なんだよ」 と手に取りつつ、自然な流れでシェイクされてしまった。 半信半疑の僕が、フタを開けると、まさに炭酸水ではないか! あふれ出ようとするロシアの水!必死でフタを閉めなおし、事なきを得た。 もー、なんてことを・・・ その後2人は、なんやかんやと話をして、帰っていった。 とんだ邪魔が入ったが、気を取り直して、マップ貼りを続ける。 多めに持って来ていた両面のりもほとんどなくなったところで、ようやく終了。 § その日の夜、昨年の参加者#108戸田さんの船上結婚式が行われた。 船長から、「北緯○○度、東経○○度で、結婚したことを証明します」 という、結婚証明書が手渡される。 お幸せに・・・ |
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