沖縄日記2000 その4

今回のルート

 

沖縄本島

 

沖縄本島北部

 

8月18日(晴れ) 今帰仁〜安部(あぶ)

 昨日の夜は、ダイバーさんたちのログ付け&酒盛りに参加させてもらった。ログ付けとは、もぐったポイントでどんな魚を見たとか、何分もぐったとかを記録することで、水中で撮った写真を見ながら、和気あいあいで進んでいった。ベテランのダイバーともなると、普通の魚を写したりしないで、ウミウシ等の小指のつめ先ほどの小さな生き物にこだわりだすらしい。共通の話題を持たない僕は、ちょっと浮いた存在だったかもしれないが、ダイビングって楽しいんだろうなということが、よーく伝わってきて、楽しい夜だった。

 

そして、朝。外の物音で目が覚めると、他のお客さんがカヤックで出かけるところだった。音もなく、すーっと進む様子を見て、気持ちよさそうだなーと思う。8時になり、朝食に呼ばれた。食後、お客さんの1人と約束していたバイクの試乗をすることになった。なかなか戻ってこないので心配したが、帰ってきての一言「面白い!」に満足。その人は、昔バイクに乗っていたが、事情があり降りてしまったが、また乗りたくなってきたとのこと。喜んでもらえてよかった。

 

9時になり、いよいよ、出航である。最初に基本的なパドルの持ち方、こぎ方を教わり、船を海に降ろす。今回乗った船は、オープンデッキタイプで、安定性がすごく高い船だった。

ガイドのひろこさん(オーナーの奥さん)と2人でタンデム船に乗り込み、出航。スピードはゆっくりだが、本当に静か、本当に新鮮!。海から河口をさかのぼり、マングローブの林を目指す。林の中に入り、小さな生物(カニとか)の観察をする。そこを出て、さらにさかのぼり、もう一度林に入る。今度は、奥のほうまで入って行くのだが、台風の後なので、木が倒れていたりして、その下をすり抜けていく。リンボーダンスのように。浅瀬までたどり着き、そこで船を降りた。そこは、湧き水が湧いていて、きれいな川となって、流れている。奥さんの説明で、川をのぞいてみると、エビがいた。指を近づけると、はさみを使って、掃除をしてくれる。すごく細かい仕事で、不思議な感触。お茶を飲みながら、話をしていると、潮が引いてきて、シオマネキというカニ達が穴の中から、姿を現し始めた。はさみの赤いカニ達は、カチカチとはさみを鳴らして、僕らを威嚇していた。これ以上潮が引くと帰れなくなるので、林を後にし、帰路につく。帰り道に八重山ヒルギ(根っこがたこの足のようにわかれたマングローブ)を見る。この川では、ほとんどがヒメヒルギ(根っこが板状になっている)だが、ある一画だけ、なぜか八重山ヒルギが生えている。マングローブは、親木の上で芽を出した幼木が、ある時期にポトンと、水面に落ちて根付くそうなので、鳥が種を運んできたとか、そういうものじゃないみたい。なんでだろ?

伊豆でのシーカヤックマラソンの話を聞きながらこいでいると、水面を小魚たちが跳ねて通り過ぎる。そうこうしているうちに、宿の桟橋に到着。楽しかったー!

シャワーを浴び、荷造りして、ダイバーさん達はもう潜りに行ってしまったので、奥さん1人に見送られながら、宿を後にする。お世話になりました。

 

辺戸岬に向けて走り出す。今日は、結構な距離を走る予定なのだ。安部にある比嘉さん(会社の大先輩)の実家を訪ねるためだ。途中、茅打ちバンタという名の断崖絶壁を見た以外には、ほとんどどこにも寄らなかったので約1時間で、辺戸岬に着いた。岬からは与論島が見えた。行きのフェリーで、与論島から沖縄本島を見たときよりも、近くに見える気がする。何枚か写真を撮った後、南下を始める。国道58号、県道70号をひたすら走る。

 

  ヤンバルの東海岸の道は、海から離れているので、何も見えない森だけの道。標識が出ていたので、安波のタナガーグムイの植物群落に行ってみた。急勾配の下りだ。赤土の滑りやすそうな降り口に、ロープがつるしてある。降り始めてみると、道はやはりつるつるで、ロープがなければとても降りられない。降り切ったところには、小さな滝がある涼しげな場所。しばらく、ぼーっとした後、さっき降りてきた道を、汗だくになって登る。再びバイクにまたがり、走り出すと、汗がすーっと引く。この瞬間の気持ちよさといったら、もう格別なのだ。

 

  県道70号、国道331号と走り継ぎ、安部着。探しても場所が分からなかったので、料理屋で道を訊いてみる。「家を探しているんのですが・・」との問いに、店の主人は「来た道戻って、用水路を越えたらすぐ左」と即答。さすが、小さな町だと感心してしまった。家に着くと、親戚の人たちが大勢(8名)集まっていて圧倒される。みなさんは、比嘉さんのおじさん、おばさんにあたるらしく、あれもこれもと、食べ物を出してもらい、揚げパン、トン足、マンゴーバナナ、鳥唐、パイン等を食べさせてもらった。一段落したところで、武原のおじさんの娘さんで、武原なつきさん(歌手なのだ)のCDをみんなで聴いた。「てぃんさぐぬ花」いい歌だと思った。てぃんさぐぬ花とは、ホウセンカのことで、昔は爪を染めることに使われていたらしい。この歌の歌詞では、「ホウセンカの花は爪先に染めて、親の教えは心に染めなさい」と歌っている。なんだか、耳が痛いな。その後、武原のおじさんの案内で、サンビーチリゾートホテルという馬鹿高いところに行った。行ったといっても、車で敷地内をぐるっと回っただけなのだが、そこには、クリントン大統領の生家のレプリカあり、中を見せてもらった。でも、みんな、よくこんな高いところに泊まる(泊まれる)よなあ。

 

  家に戻って、しばらくすると、みなさんで砂浜に行こうということになり、同行させてもらう。今日、みなさんが集まったのは、昔住んでいた家が、次の日に取り壊されるので、最後に見ておこうということらしい。そこに、たまたま僕が飛び込んでしまった訳なのだ。その昔の家は、いかにも古そうなたたずまいではあるが、かつての生活の息吹が今でも何となく感じられる。家の目前は、すぐ海。うらやましい環境だ。

 

   しばらく、感傷に浸り、家に戻ると、「今日、行く当てないなら泊まってけば?」と言われ、好意に甘えることにする。しばらくすると、比嘉さんのお父さんが帰ってきた。「お世話になります」とあいさつし、ビールで乾杯。話の内容は、半分位しか分からないが、何とかついていこうとしてみた。そんな様子を見てか、お父さんが気を使ってくれ、先に休むことになった。1年振りに集まったみなさんは、途中から合流した2人を加えた総勢10数名で、夜12時位まで盛り上がっていたようだ。僕は、先に休ませてもらおう。

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