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アイドリング電流安定化 エミッタ抵抗レス 無帰還

2SB753/2SD843 SEPP A15W モノーラル パワーアンプ

MJ無線と実験 1986年8月号 に発表


このアンプは、その当時のメーカー製アンプや雑誌記事と、僅かばかりの実験を通した知識を元に製作した、ただ我武者羅な頃の作品です。

エミッタフォロワ回路のエミッタ抵抗を取り除くと、出力インピーダンスが下がり、歪みが減りますが、従来の温度補償方式では、アイドリング電流が安定せず熱暴走してしまいます。
そこで、出力段トランジスタのコレクタ電流から出力電流成分を差し引いてアイドリング電流成分のみを抽出し、それを一定にするサーボ回路でアイドリング電流を安定化する方法を開発して採用しました。

電圧増幅の1段ごとに電流帰還でプッシュプル動作のバランスを取って歪みを減らしたことで、エミッタ抵抗を取り除き出力インピーダンスを下げたことと相まって、オーバーオールのNFBが不要となりました。

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MJ誌に発表後、写真のようにツィーター(フォステクスFT3RP)をフロントパネルに取りつけ、後に製作した水冷式A級30Wアンプで駆動するフルレンジスピーカ(フォステクスUP208Super)と組み合わせた2ウエイシステムの、5kHz以上を受け持つ高音域用としました。
カバーのアルミ・パンチングネットは、2年ほど後になって取りつけたものです。
ケースはアルミアングルでフレームを作り、放熱器、電源トランスを構造体の一部として利用しています。
外側の放熱器がカスコード段トランジスタを取りつけたフレックスTF1340A-2で高さ140mm、内側の放熱器が出力段トランジスターを取りつけたフレックスTF1310A-2で高さ100mm、その差40mmのスペースに基板を取り付けました。
ICピッチの穴開きプリント基板を使用しています。
底側からトリミング抵抗を交換できる構造です。
カスコード段のドライブトランジスタをシャシーに取りつけて放熱し、200Ω3Wの抵抗は発熱で温度が上がらないように、通気のよい基板の端に配置してあります。

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Copyright © 1997 Shinichi Kamijo. All rights reserved.
最終更新日: 2000/04/23 11:33:10 +0900


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