12月23日 北限調査再び(後編)
翌日は、またまたバケツをひっくり返したような雨。Sさんは急な都合で帰ることになり、残念ながらここでお別れ。Fさんと二人、Yさんの待つ十日町市に向かう。久しぶりの再会に二日酔いでお会いするのも失礼と、アルコールを抜くために朝から紅茶を飲みすぎ、おかげで胃が重い(>馬鹿)。Yさんとも2年ぶりの再会だったが、Fさん・Sさんと同じく、普段からカヤネットMLを通じてやりとりしているので、全くブランクを感じなかった。インターネットさまさまだ。
心配していた天気は、現地に着く頃にはすっかり晴れ上がっていた。関係者の方に挨拶を済ませた後、Yさんと、Yさんの同僚の方とともに現場へ。本日一番の目的は、ここでYさんが見つけた巣を同定して、新産地(未報告の生息地)を確認することだ。まず、問題の巣を見せて貰う。古びてはいるが、カヤネズミの巣に間違いない。さらに現場に残されていた別の巣を確認した。新潟県では、内陸部の営巣報告は初めてのことで、十日町が新産地として加わったことの意味は大きい。
すっかり勢いづいて、まだ他に巣がないかとしばらく4人で周辺を捜索したが、見つからなかった(これは時期的なものもあるので、仕方ないだろう)。場所を移動して、昼休憩を挟み、十日町周辺の休耕田を中心にかなり丁寧に見て回る。良さそうなカヤ原はたくさんあってかなり期待を抱いたが、残念ながら巣の発見には至らず、可能性を残しつつタイム・アップ。調査終了となった。
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ということで、今回の私たちの調査で、日本海側のカヤネズミの生息北限は新潟県岩室村に更新された。2年前の調査では、現状の北限地点での生息確認にとどまったので、今回新たな生息北限を確認出来たことは、非常に感激だ。2日間の調査だったが、十分な成果を上げられたと思う。
なお、調査結果は新潟県柏崎市立博物館に投稿準備中である。従って、本件の正式な引用は、その発行を待っていただきたい。
今回県北部の調査は出来なかったが、2年前の調査では岩室村よりさらに北の地域で「昔カヤネズミの巣を見た」との情報を得ている。未調査の地域もまだまだ残っているので、機会があれば、是非再調査を試みたい。まだ見ぬさらなる北限のカヤネズミに、今から思いを馳せている。
最後になりましたが、FさんとYさんには、2年前に引き続き、大変お世話になりました。先輩カヤニストのSさんとは今回初めて一緒に調査させていただいて、大いに刺激を受けました。Kさんとは初めてお会いしましたが、調査を通じて話が弾み、楽しく過ごさせていただきました。改めて厚く御礼申し上げます。有り難うございました。