2月10日 北限調査紀行Part3(山形編)

 本題に入る前に、ちょっとご挨拶。
 
「全国カヤマップ2000」ついに完成しました!!ご協力ありがとうございました。
 前回にも増して、たくさんの情報提供があり、カヤニスト冥利に尽きます。だけどその割にアップ後の反響が少なくて、実は少々ヘコんでおります(涙)。ボロボロに疲れた作者に励ましのメールを!(
T^T)血涙
 
先にカヤマップをアップしたので、多少(?)ネタバレになってしまいましたが、ご勘弁を。

 事前の聞き込み調査では、最上川流域でオギ・ヨシ群落が発達した場所は結構あるが、カヤネズミの巣は無いとのこと。だが、50年前の古い報告書には、朝日連峰の国立公園内でカヤを捕獲したという記録がある。これは残念ながら、捕獲地が記されていないため、正式な記録として扱えないが、もし山形で巣が見つかれば、カヤネズミの新産地として学会誌に掲載されるくらいのニュースだ。

須川
↑須川。いい雰囲気だったんだけどねぇ。
 「うーん、どこ探せばいいんやろ・・・。なんか、わからんくなってきた・・・。」

 最上川の本流は、意外に石がごろごろしていて余りカヤ臭い雰囲気では無かった。それで、最上川の支流の須川から寒河江川にかけてかなり丁寧に見たが、未だ巣は見つからない。カヤのものとよく似た食痕はあるのだが、これだけでは決め手に欠ける。非常に雰囲気が良い須川でも巣が見つからないということは、やはり、山形にはカヤはいないのだろうか。
 考え込んでしまった私の横で、ダンナは旨そうに牛タンをパクついている。

 「あんなぁ。誰かが長靴忘れたせいで、出発遅れたんやから、もうちょっと真剣に考えてぇな。」
 「だって、ボクは旅行で来たんやもん。」

 ・・・いいよねぇ。アンタは気楽で。
調査山形
↑アヤシイ影を発見した現場。カヤか!?
 気合い入れ直して調査再開。何を軸にするって、これまで2年半カヤ一筋にやってきた自分の経験しか信じるものはない。

 国道脇の休耕田。「もう暗くなってきたし、ここで最後」と決め、探し初めて30分。もう引き上げようとしたその瞬間、手前のオギ群落の茂みが動いた。何かいる!一瞬だが、確かに目の高さの辺りに小さい動物が動いた気配があった。

 カヤだろうか。暗くて良く判らない。車を寄せてヘッドライトを照らしたが、既に姿は無かった。
 あの影はなんだったのか。鳥ではなかった・・・ように思う。心を残しつつ、山形を後にした。