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●柿渋を塗る
柿渋は、一番安全で、塗装も簡単で、値段も高くない木部保護塗料と言えるのではないでしょうか。乾燥するのも早いです。 【におい】 発酵臭がします。「くさい」という人もいますし、「お酒のにおい」と言う子供もいます。木部に塗った場合、1〜2週間で臭いは消えると考えていいと思います(原液を厚塗りした場合は、もう少し時間がかかる)。 【色・色の変化】 赤褐色の原液を水で薄めて塗りますので、はじめは、ほんの少し赤みがかった感じになるだけですが、日ごとに色が濃くなっていきます。 はじめから、古代色を求める方のための『柿渋カラー』も製品化されていますが、色の経年変化を楽しむゆとりとおおらかさがあっていいのではないかと思います。 三枡嘉七商店から、クリア仕上げタイプの柿渋『生渋(きしぶ)』が製品化された時、早速買って試してみました。日ごとに少し色が濃くなっていきますが、クリア仕上げ用と言ってさしつかえない・・・と思っていましたが、数年後には結構色が濃くなりました。あえて、『生渋(きしぶ)』を使う意味がないと、私は思っています。 |
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【防水効果】 木部に塗った場合、完全な防水性が備わるわけではありません(オイルフィニッシュの場合も同様)。柿渋で防水機能を持たせるには、昔の番傘づくりと同じように何度も何度も塗り重ねる必要があります(調湿機能がなくなると思います)。 【塗った表面を固くします】 柿渋を木部に塗ると、表面が少し固くなったように感じるはずです。木部表面の補強という効果もあるわけです(オイルフィニッシュの場合も目地の中の油が固まることで、補強効果が出ます)。 【外部用の製品も出ています】 屋外の木部には、防腐剤入の保護塗料を塗るのが常識となっていますが、安全で環境にもやさしいものを使いたい人向けに『柿渋ペイント(トミヤマの製品)』という製品が出されています。カラーもいろいろあり。 【柿渋の塗り方】 柿渋原液を水で2〜3倍に薄め、ハケで塗ります。短時間で乾燥します。これを2回、あるいは、それ以上くり返します。塗り重ねるほど色は濃くなります。 【保存方法】 空気に触れないようにすれば長く保存できると思います。余った柿渋は、密閉できる容器に満杯になるようにして移し替え、きっちりふたをして、光の当たらないところに保存。容器の中に空隙があると、その空気に反応して固まっていきます。できるかぎり容器内の空隙を小さくなるようにすること。早めに使い切るにこしたことはありませんが……。 【入手法】 「柿渋」でインターネット検索すると、3〜4つ、代表的なメーカーがすぐに見つかります。値段はいろいろです。値段と性能が比例しているとは思えませんが・・・。 |
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