ピッツァ

   機界司令パスダーに付き従うゾンダリアン機界四天王の一人。声優は真殿光昭さん。怪鳥のような容貌と戦士気質の持ち主で、主に飛行機や空への憧憬を持つ者を素体としてゾンダー化させる。粒子加速器イゾルデでの邂逅以来サイボーグ・ガイを好敵手として認識、東京における機界四天王最終作戦に至るまで幾度も激突を繰り返した。戦士として非常に誇り高く、その驚異的な機動力をもってガイを幾度となく窮地に陥れた。また大気流を自在に操り突風や衝撃波での攻撃も可能である。彼の緻密な作戦行動はGGGに苦戦を強い、戦術家としても優れていることが証明されている。
   その正体は赤の星で生み出されたサイボーグであり、三重連太陽系一の戦士と称えられたソルダート・J−002であった。故郷である赤の星を守るためソルダート師団を率いて機界31原種と死闘を繰り広げたが、力及ばず敗北を喫しソルダート師団は壊滅、赤の星の機界昇華は完了してしまう。この時、彼は共に戦うものも守るべきものも失った。それは彼にとって自らの存在意義を失うことと同義であった。彼はサイボーグ戦士である。戦うことが彼の使命であり、全てであった。だが、実際には彼は戦いに敗れ、戦友を悉く失い、守るべき星さえも失った。絶望の淵で自決を半ば決意したとき、彼は夕日の中でペンチノンとの邂逅を果たす。
   「お前の戦いはまだ終ってはいない」
   ペンチノンの誘いに彼は応じ、そしてピッツァとなった。確かに彼は全てを失った。しかしまだ戦うことはできる。彼はそれにすがるよりなかった。守るものをなくしても戦う理由をなくしても、戦うことはできるはずだった。それが彼の最後の存在理由。そのためならば敵に下り名も記憶も捨て去ろう。たとえ屈辱にまみれ、その手を汚すことになったとしても、戦いこそが彼に残された唯一の道。だが、赤い髪のサイボーグとの出会いが彼に変化をもたらした。忘れていた感覚。肉体同士のせめぎあい。何よりそのサイボーグは守るもののために戦っていた。戦うために戦っている彼とは決定的に異なる。守るものがいるから「負けられない」。不完全な体に鞭打ってサイボーグは戦い続ける。いつかみた光景。深い眠りのなかでフラッシュバックする捨てたはずの記憶。
   東京における機界四天王最終作戦では自らHSTと融合し、東京上空の制空権をかけてガオガイガーと戦いを繰り広げ、またマモル少年の救出へと向かうガイの前に立ちふさがり拳を交えた。その中で遂に彼は自らが求めていたものを悟る。彼は戦い続けた。守るものを失っても、戦う理由が無くなっても、それが自らの生き方なのだと信じていた。しかし本当は戦うことで失われたものを、戦友、故郷、アルマ、満ち足りていた時を取り戻せるのではないかと心のどこかで思っていたことに、気がついた。求めていたのは戦いではなく、それによって失われた過去だった。大切なのは戦いの享楽ではない。誰のために剣を取り、何を守るために戦うか、だ。それなくして、何が「自分自身の戦い」だろう。彼がゾンダー浄解し得るマモル少年の抹殺に拘ったのも、かつての守るべき者をそこに見いだしたことの反動的な現われかもしれない。ガイの必死の戦いに、彼は本来のあるべき自己を見いだし、最終的にはパスダーからガイを庇って大空へと還っていった。
   その直後、彼は覚醒した戒道少年の手によって全ての記憶とかつての名と、そして守るべき者を取り戻し、白亜の戦艦を駆って再びガイの前に姿を現わすこととなる。誇り高き三重連太陽系一の戦士、ソルダートJとして。

   分類 Zonderian
   型式 サイボーグ
   身長 201cm
   推定体重 0.85t
   年齢 不明
   最高飛行速度 不明
   備考 正体は赤の星の戦士・ソルダートJ。機界四天王の一人でガイをライバル視する。