ガオガイガー専用に開発された決戦用ハイパーツール。中央部のモレキュル・ラム部から反中間子フィールドが発生し、これを高速往復させることで物質の分子結合そのものを破壊することが出来る、Gツールに勝るとも劣らない、究極の破壊目的ツールである。
Gツールは重力衝撃波によって物体を限りなく0に近い時間の間に光速まで加速させることで、あらゆる物体を光子レベルにまで崩壊させるが、モレキュルプラーネは分子、ひいては原子の一般的構造に着目しそれを根本から崩壊させることで、こちらもおよそあらゆる物体の破壊を可能にしている。両者はその破壊力において拮抗し、またその危険度についても共通している。あらゆる物質が消滅、あるいは崩壊するこれらのハイパーツールを使用するにあたり、その影響被害を考慮するならばその発生範囲はごく狭いことが望ましいが、同時に敵性機動兵器に対する一定の破壊的影響、すなわち行動不能を決定付けるだけの攻撃力は確保せねばならない。両者はこれをそれぞれに異なる方法で解決を試みた。モレキュルプラーネは要たる反中間子フィールドの発生自体を予めごく狭い範囲に留めることで、一方Gツールはあえてシステムを空間的に開放し、ガオガイガーとツールに搭載する超AIによる出力制御と緩衝システムによってこれを解決せしめた。その結果、決戦ツールとして採用されたのはGツールである。形態も規模も多種多様な機界文明の機動兵器に対して、発生範囲が極めて狭いモレキュルプラーネに運用上支障が生じることは容易に推測できたし、何よりGGGの人命尊重の理念から人間が融合したゾンダー核の回収は作戦上の至上命題であり、この摘出、保護を行う機能をシステム上付加できないモレキュルプラーネはガオガイガーの決戦ツールとしてふさわしくないと判断されたのである。もっともGツールの核摘出システムも後付の印象が強い。実際、Gツールの初使用においてはグラヴィティショックウェーブジェネレイティングツールのみが使用され、ガオガイガー本体や使用領域における影響被害は多大なものとなった経緯がある。しかし、最終的にGツールが採用されたのは、これに付加された核摘出システムがモレキュルプラーネのそれよりも計画段階でより具体的かつ合理的、あるいは現実的であったためといわれている。換言すればモレキュルプラーネとて、核摘出システムが完備されていれば、決戦ツールとして運用されても然るべきものであったことは間違いない。結局両者の明暗を隔てたのは、Gツールが運用次第で広域破壊をも可能にし、かつ暴走に対する抑制手段(ゴルディオンモーター)が同時に提案されたことに拠るであろう。
システム自体は完成しながらも採用が見送られたモレキュルプラーネは動力源となっていたGSライドを除去され、同様に採用を見送られGSライドを除去されたディビジョンX物質瞬間創生艦フツヌシに格納されていた。バイオネットのパリ破壊作戦においてゴルディオンハンマーが使用できないガオガイガーの決戦ツールとして急遽投入され、バイオネットの超巨大ATであるGギガテスクを内部の創生炉ごと消滅させた。
なおモレキュルプラーネは本体上部にコックピットが設けられており、単体で短時間の飛行を行うことが出来、前線への投入を円滑にする試みがなされている。