シャッセール所属のビークルロボット、ポルコートにのみ装備された新型探知システム。
イオンとは+あるいは−に電荷を帯びた原子や原子団のこと。通常多くの原子や分子は電気的に中性(電荷の+、−が等しい状態)であるが、なんらかの理由によって電子を失い、または得ることによってその電子の数の分電気量を帯びる。これをイオン化という。電子は−の電荷を帯びているため、電子を失った場合、原子あるいは分子の電荷は+へ傾き、陽イオンとなる。逆に電子を得た場合、原子あるいは分子は−の電荷を帯び陰イオンとなる。
イオンセンサーはこの電位差反応を選択的に察知し、「臭い」を感じることで目標の電磁的、光学的欺瞞を看破し、その位置を特定することが出来るのである。
ちなみにポルコートのAIには人間の感覚に合わせた形で「臭い」に対する感情が認識される。よって、例えば「悪臭」は不快感となってポルコートに認識されるのである。さらにイオンセンサーは人間の嗅覚よりも遥かに過敏であり、その感じ方は一層強いものとなっている。