正式名称はAH−69アナコンダ。2005年現在、アメリカ陸軍で正式採用されている、テールローターの代わりに「ノーター」を採用した新世代の最新鋭攻撃ヘリである。翼状のパイロンを備えたスマートなシルエットが特徴。
ヘリコプターは機体上部のメインローターを回転させることで揚力と推力を得ている。しかしメインローターを回転させると機体をメインローターとは反対向きに回転させる力が生じるため、これを打ち消すために用いられるのがテールローターである。ちなみにこの力を打ち消すにはメインローターを二つもち、それぞれを逆回転させる方法もある。テールローターは機体の後方、尾翼内に設けられる事が多いが、ヘリコプターの重要な機構であると同時に泣き所でもある。テールローターがなんらかの原因で停止するとヘリコプターはたちまち行動不能に陥ってしまう。またテールローターを回転させるために要する燃料も決して少なくはない。
そこで考え出されたのが「ノーター」である。簡単に言えばテールローターが果たしていた役割を別の機構によって代用しようというものだ。その方法としてはテールローターに代わる小型ジェットエンジンを搭載する、メインエンジンの排気の一部をテールブーム、尾翼から排出する、スタビライザー(船舶や飛行機などに設けられる揺れを減少させる装置)を使用するなどが考えられるが、単純な構造のテールローターに対してノーターはどうしても複雑な機構を要するために重量がかえって増加するなどして、なかなか実用にいたらなかったという経緯がある。
アナコンダの場合、水平飛行時には主にテールスタビライザー(尾副翼)が、低速飛行時やホバリング時にはテールブーム側面スラスターから誘導、圧縮、排出されるメインエンジンの排気がノーターの役割を果たしている。なおこれは排気の分散による赤外線輻射と排気騒音の低減にも一役買っている。
アナコンダはテールローターの廃止と機体の小型化、熱線放射量の抑制などにより実戦における高い隠密性と運動性を獲得、更に武装は20mmバルカン砲2門、TOW対戦車ミサイル8門を標準装備として、高い打撃力の確保にも成功している。しかし、従来の戦闘ヘリと比較して、相当に「高価」であるために、現在のところ配備数はごく少数に留まっている。
EI−14の遠隔コントロールにより数機がマモル少年捕獲作戦に投入されたが、ボルフォッグとガンマシンにより破壊される。なおこの際は「捕獲」を目的としていたため、ミサイルはネット弾に換装されていた。破壊された機体は後にゾンダーソルジャーの構成に利用されている。
なお命名は中南米に住む水生の蛇・アナコンダからとられている。毒はもっていないが、ウォーターボアとも呼ばれ、成体時の体長は6メートル程にも達する。