私なりの城郭観察方法です。城郭観察のご参考にしてください。
- まず、だいたいの城は日本城郭大系または、図説 中世城郭事典(いずれも新人物往来社 編集)で城郭図(正確には縄張り図かな?)が載っているから、城跡見学まえに図書館などで、それをコピーしておく。(しかし実際のところ、まず日本城郭大系などでおいしそうな縄張りをもつ城を選んで、それを見学予定先に決定していることが結構多いですが(^_^;))できれば同じ物を複数枚コピーする。(私は概ね保存用、現場メモ用、現場メモ用予備などとして複数枚コピーしてます。)絶対汚れるし、なくすこともよくあるから。途中で雨が降る場合もあり紙がぼろぼろになったこともある。筆記用具を持っていくのは学問の当たり前のことであるからいうまでもない。
- 城跡見学には必ず方位磁石を持っていく。もともと、城郭とは自分の優位な場所に敵を誘い出して殲滅するなどを目的に作られているから、はじめてその城に入った者が簡単に自分の位置を把握できるような単純な構造になってない。だから、城内に入るとコンパスがないと自分がどこにいるかわからなくなってしまうから。
- 服装は汚れてもよい服を着る。藪の中を突き進むと意外と見所ある遺構に出会うことがあるから。
- あんまり、高価な物は持っていかない。城内をくまなく見学すると結構物をなくす。
- できるだけ、さけたいがどおしてもモバイル器機を持っていくのなら、事前にバックアップをとったほうがいい。雨でデータが喪失する恐れあり。
- 簡単なカメラもいちおう持っていった方がよい。性能はどうせ、草ぼうぼうの地面を取ることが多いので大した高画質の写真を取るための物でなくていい。そんなものより、雨風に強い物がよい。デジカメについては、私も持っていったことがあるが、私のデジカメは丈夫だったのか多少の雨でも問題なく動作したようです(リコーDC2L)(バーチャル?城郭見学会(坂戸城)(ジャストネットサーバー)の大部分の写真はこのデジカメ使用)。ほかのデジカメは知りませんよ。ご自分の判断で。
- 城跡までの足は車の方が理想。(けっこうへんぴなところに城がある場合が多い。よってバス停留所なんて無い場合が多い)道路に城跡への案内標識がある場合もあるが、それが無い場合が結構ある。ある程度経験を積むと何となくあの山が城だなと感でわかるが、経験を積んでもわかんない時もある。わからなければ、地元の人に聞く。だいたいそれで、発見できる。教えてくれた人にちゃんとお礼をいうこと。(次に訪れる城郭観察者のため。)
次のことは、たぶん笑われるかもしれないが、あえて恥を忍んでもいっときます。
- 城跡にたたりがつきもの。親兄弟女子供が殺しあった事もある場所なのですから。だから、もし城内に神社などがあれば必ずお参りする。どうかお安らかに...と。自分の願いごとなど念じてはいけません。私はそこで失われた命の成仏を願うことにしています。どういうわけか、城郭内もしくは城郭付近にはだいたい神社があります。(城郭のたたりの一例は、椚 国男著「戦国の終わりを告げた城」六興出版 などをご参考に)
- 持ってきた城郭図を見ながら、本丸を目指す。このとき、もし初めからはっきりとその城郭図上での自分の現在位置が確認でるのであれば、できれば防御プランの概要を観察してながら登ぼっていこう。(山城の場合、概ね登城に疲れてしまってそんな余裕は無いですが(^_^;)・・・・・・)
- 本丸に達したなら、あとは、時間の許す限り東西南北城内すみずみを城郭図を見ながら観察しまくる。とくに、城郭のウィークポイントとなる郭の虎口付近(出入り口のこと)は念入りに観察。持ってきた城郭図は鵜呑みにしない。本当に描かれたとおりの遺跡になっているか、また、残念ながら破壊されてしまったかなど、城郭図を吟味する。もってきた城郭図にどんどん観察結果をメモする。
- 写真は、城郭図に番号などを書きながら撮ったほうがよい。現像した後でやればいいと思われるかもしれないが、それだと意外とうまくいかないことが多い。
- このように、綿密に城跡を観察すると概ね1日では観察は終了できない。といって、がっかりはしない。人間は虫の命ではないので1日や2日の日数など大したことではないのだから。再度城跡を訪ればよいのです。せっかく城郭図にメモをとったのですから。
- 城郭を観察する季節を考慮すること。晩秋〜早春がよい。ただ、雪国は雪が積もっているときはよろしくない。雪で城跡が見えない。夏はあまり好ましくない。草が城跡を見えなくしてしまうし、蚊がうるさいし、まむしなどもでるし、スズメバチはいるし、熊もでる。(私は晩秋でも念のため熊よけにラジオを持っていく。)
だから、晩秋、早春がよい。(でも、城郭観察上級者はそんな難関は吹き飛ばしてしまうようです。一部の城郭観察上級者は、ハブが出る沖縄の城跡を、ハブを恐れてはよい城郭図が書けない、とかいって城跡に突き進んで行くそうです。とても私など足下に及びません。タジタジ。私もへびが出ない除草整備された城を夏に測量したこともあったが、そうすると夕になってどういう分けか蚊がぶんぶんきて、虫よけスプレーもたしか効かなかったようで、調査を中断してとっとと撤収したことがある。だから夏の調査はむずかしい。)
べつに、この方法は、ある人から口頭などの手ほどきで教わったわけではありません。がんばって既存の大きな図書館でいろいろな資料を調べたり、何度か(もうかれころ8年くらいかな。(平成10年2月現在の話))城跡を登って観察して経験を積んで身についたものを文書化しただけのことです。カルチャークラブなんてもんに行く必要などまったくナシですね。いま、この文書を読んでるあなたは、現にこうして自分一人で物事を調べてようと努力しているのですから、物事を独学する力は十分あると思いますが。....あれ?(゚_。)?(。_゚)あっ!また話がそれてしまった。(^_^;)....
(補足・・・営利中心でなく純粋な学芸向上のためのカルチャークラブについてを批判しているわけではありません。近くにカルチャークラブたるものが無いのを理由に学芸を怠る姿勢を痛烈に批判したまでです。純粋な学芸向上のためのカルチャークラブが近くにあるなら大いに参加すべきでしょう。純粋な学芸向上かどうかの判断方法?よくわかりませんが値段が安い、または無料というものでしょうかね?(^_^;))
この方法が城郭観察に一番適しているとは思ってません。自分に合ったようにアレンジするも良し。ただ、模擬天守閣なる虚構には惑わされることだけはやめて下さい。また、模擬天守閣をもとめることもやめてください。
|