●スペースインベーダー登場
 良質なゲームが業界を潤す

1980 昭和55年

気が重い79年を抜けると、そこには80年代の黄金期が待っていました。アタリのVCS(ビデオコンピュータシステム)、ひいては業界全体を救ったのは1本のゲームソフト・スペースインベーダーでした。知られざる事実として、このソフト、実は日本でVCSを発売していたエポック社のオファーによって実現したと言われますが、とにもかくにもこのソフトが1月に発売されるや大ブレイク。40万台あったVCSの在庫がすぐに一掃されたそうです。

この年、初のサードパーティ(ハード発売メーカー以外でソフトをつくるメーカー)となるアクティビジョン(ACTIVISION)社が登場。その後、イマジック(Imagic)社やアポロ(Apollo)社などさまざまなサードパーティが登場し、アタリVCS用に優れたゲームを続々と発売します。
サードパーティは頭脳集団。もともとそんなに能力の高くないゲーム機の能力を徹底的に研究し(俗に「ハードをたたく」と言います)、限界を超えたすごくておもしろいゲームソフトを発売していきます。アタリVCS以外にも優れたゲーム機、ホビーパソコンはたくさん世に出ていましたが、結局はサードパーティの数に秀でたアタリVCSが市場を牽引していきます。スペースインベーダーをはじめ、80年はソフトの重要性を知るきっかけになった年と言えそうですね。


MEMO 現在もメックウォーリアーなどで有名なアクティビジョン社は、もともとアタリの社員だったプログラマー集団が設立した会社で、アタリVCSのでゲームをつくる方法を熟知していたんですね。



VCS用スペースインベーダーカートリッジ
(ATARI)


エポック社の元開発部・堀江氏の話によると「大きなアタリ社がうちみたいな小さな会社のオファーを受けてくれるなんて思わなかった」そうです。




INTELLIVISION
(MATTLE)


16ビットマシン。パソコンへのシステムアップやボイスシステム、光ケーブルでソフトをダウンロードできるシステムなど、ポテンシャルの高さが光りました。日本でもバンダイから発売されました。