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- 車高をハイ・ポジションにする。Inj.車/C-matic車:
右前輪に車止めをし、車載ジャッキを車体左前方にかけて作業中に車高が落ちないようにする。
MT車:
右前輪に車止めをし、左前輪をジャッキアップして浮かす。
*いずれもジャッキ・スタンドで支えたほうが安心
- サイドブレーキをかけ、シフトレバーをニュートラルにする。
- MT車はサイドブレーキを引かず、トップギヤに入れる
- ハイテンション・コードを外し、プラグも抜く。
- インジェクション・マニホールドにつながるホース類を外し、マニホールドを固定ナット2個を外して,スロットルケーブルをつけたままエンジン後方にずらす。(インジェクション仕様車)
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- ロッカーカバーのボルト2本を外してカバーを開ける。ガスケットのゴムが固着して開き難いときはプラハンマーでカバーをずらすように軽く叩く。
開ける際にオイルが前にこぼれるので、ウェースを前側に当てておくと良い。
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- カバーを開けるとスラッジと汚れたオイルが溜まっているのできれいにふき取る。
- シリンダー番号は青字の配列になる。I が吸気バルブの頭、I’ が吸気側プッシュロッド先端のアジャスト部、E が排気バルブの頭、E' が排気側プッシュロッド先端のアジャスト部となる。
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- 調整の初めにまずクランクシャフトを回して、No.1シリンダーの排気バルブが一杯に開く調整ポイントを探す。
- 左の写真はNo.3の排気バルブが一杯に開いた場合で、バルブスプリングが一番縮んでいる(S)のが隣のスプリング(S’)と比較すると解る。
一人作業の場合、最大ポイントはロッカーアームの反対側の高さ(H)をノギス等で測りながら見付けると正確に調整できる。
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- クランクシャフトを回すには
MT車の場合
浮かした前輪を手で回すとバルブが順次開閉するので非常に調整ポイントが見付け易い。微調整も可能。
AT/C-matic車の場合
まずバッテリー(+)端子とスターターソレノイドへの配線コネクター部(黄矢)をチョコチョコと直結させながら、スターターでフライホイールを回し、大体の調整ポイントまで合わせる。
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- フライホイールは、ヘインズではベルハウジング下側に見えるスターターリング・ギヤをマイナスドライバーで送れとなっているが、非常に効率が悪いので、フライホイール側面の4本のドライブプレート固定用ボルトの頭にメガネレンチをかけて押すと比較的軽く簡単に回る。
各ボルトを順送りで回す。(ボルト自体を緩めないように注意)
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- AT/C-matic車
(続き)
次に車体下からフライホイールを回して微調整する。
約5cm程前後させるとベストポイントが見付かる。
- 作業は助手がいると格段に効率的。
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- No.1の調整ポイントが決まったら、バルブクリアランスの調整を始める。調整は必ずエンジンが冷えた状態で行う。
まず、No.1の排気バルブが一杯に開いた時、No.3の吸気バルブとNo.4の排気バルブのクリアランスを規定値に調整する。
以下、下記の
クリアランス調整順序を参照
- 左図は排気側バルブ調整の場合で、赤矢印のロックナットをメガネレンチかスパナで緩める。
- 青矢印のバルブ頭とロッカーアームの隙間に下記クリアランス規定値のシックネスゲージを差込み、マイナスドライバーでプッシュロッド先端の赤矢印のアジャストスクリュウ部をゲージが動かなくなる寸前まで回して止め、そのままアジャストスクリュウ部が回らない様に注意しながらロックナットをレンチで締める。
締付けトルクは1.8kgfm
- この時、ゲージのブレード表面にはオイルを塗っておく。
- 吸気側バルブの調整法も同じ。
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- No.1ポイントでの調整が終わったら、次にNo.3ポイントでの調整に移る。
- No.3調整ポイントを見付けるには、左写真の様にNo.1ポイントの時に見えるフライホイールのドライブプレート固定用ボルト(青矢)とベルハウジングとの位置関係(赤三角印)をチェックしておく。
- 4気筒車の爆発は180°毎なので、調整ポイントもフライホイール回転180°毎にある。
- フライホイールには90°毎に4本の固定ボルトがあるので、反対側のボルトが赤三角印の位置に来る様にレンチでボルトを順次送り、フライホイールを180°回すと次の調整ポイントとなる。
この位置から微調整を行うと簡単に次の調整ポイントが見付かる。
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