CXのリキッドタンクの詰まりはBXの様には短期間で起きるというようなことはない様です。
私の87CXは12年間持ちましたが、消耗部品ですので定期的に交換が必要です。
ついに昨年から、エアコンをONにして圧が上がり始めるとコンプレッサーのベルトが滑り出し、焼けて酷い音を出す様になりました。
タンクの交換を計画しましたが純正品が在庫切れで入手の目途が立ちません。
英国VACP社のカタログによればAX/BX/CX共通(Citroen Parts No.6455R1)となっていますが、純正品価格がCX/19000円に対しBX/28000円ですので流用も考えものです。
そこで BXの例 に習い国産化をすることにしました。
流用部品
リキッドタンク : FUJI KOKI 製 Z42DPFTW-1 7000円弱
プレッシャースイッチ : DENSO 製 113440-2120 3500円弱
IN側ホース : 特注 7000円
準備
部品を入手する為に、電話帳の自動車電装業から小さそうな近くの店(有限会社等)に軒並み電話で問い合わせをしました。
意外と身近にあるもので親切に対応してくれます。
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- 左写真上段が取外した純正部品、下段が用意した国産部品です。
- 国産品はIN側の接続口がOUT側の反対にあり、しかも頭部についていますのでIN側ホースが短くて合いません。
そこで電装屋さんに特注のホースを作ってもらいました。
- 特注ホースはゴムホース部分がオリジナル品の2倍(25cm)で、接続金具(フィッティング)の向きを同方向に作りました。
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- 圧力スイッチには4極の細い端子が出ており、短軸方向の2端子がコンプレッサー用、長軸方向の2端子がファン用です。
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- 専用のカプラー(トヨタ 90980-10943)がありますが、コネクター側が合わないので直接端子に半田付けしてしまいました。
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- リキッドタンクには2極の圧力スイッチがついてきますので、用意した4極品と交換します。
- 取りつける際、Oリングにはシリコングリースを薄く塗って傷めない様にしました。
- 2極の圧力スイッチをそのまま使う時は、コンプレッサー用とします。
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交換作業
- 交換作業を始める前にエアコン配管内のフロンガスを抜きます。
地球温暖化防止のために電装屋さんでガスを回収してもらいます。
回収が困難な場合には、コンプレッサーのガス充填口内の虫ピンの先端を押すとコントロールしながらガスを抜くことが出来ます。
- フロントグリルを固定する四個のプラスネジを緩め、フロントグリルを外します。
- リキッドタンクとIN側ホース配管を外し、ヘッドランプ横の取付ブラケット固定ボルトを緩めてタンクを取出します。
配管を緩める際、エンジンルーム側のOUT配管取り回しを外して、配管を前に送り出すと作業がし易くなります。
- 接続口には異物が入らない様に注意して下さい。小さいビニール袋で暫定的にカバーをしておきました。
- 取りつける際、Oリングは新品に交換することが不可欠です。現品を見せて相当品を入手して下さい。Oリングには薄くシリコングリースを塗っておきます。
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- ラジエター全面についているコンデンサーの液出口です。
廻りが汚れているのでIN側ホースを外す前に清掃しておいてください。
- 車体下のフード板は外しておいた方が作業が楽になりますが、外さなくても支障はありません。
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- まずコンデンサーの液出口にIN側ホースを取りつけます。
- IN側ホースはリキッドタンクと干渉しない様に、左写真の様に傾けて固定します。
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- 次にOUT側ホースをエンジンルームから出来るだけ引張り出し、リキッドタンクのOUT側接続口に接続します。
- ナット部を軽く止めた後、ホース先端の接続金具の芯と接続口の中心がずれない様に、またOリングが正しく面に当たる様に調整して、最後の2廻しで締めます。
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- 次に、先にコンデンサーに止めておいたIN側ホースの反対側を、リキッドタンクのIN側接続口に接続します。
- リキッドタンクのIN側接続口の上にINの刻印があります。
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- 左写真の様に、IN側ホースはリキッドタンクに干渉しない様に、タンクに対し傾けて固定します。
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- リキッドタンクの車体への固定は純正ステ−を使わず、長めのホースバンドで直接フロントメンバーに縛り付けると簡単です。
- ホースバンドB(青矢)は純正ステ−が固定されていた前側のボルト穴A(赤矢)を利用して廻します。
- ガス点検口に丁度ガラス窓が来る様にタンクの位置を調整してバンドを締めます。
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- リキッドタンクは、左写真の様に、ホースバンドで直接フロントメンバーに固定されます。
- コネクター配線を止めて作業は終了です。
予想よりスマートにリキッドタンクが納まりました。
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ガス充填
- ガス充填時には必ず真空引きを行います。
- 充填ガスはR-12を使いました。
Prestigeに入れた新西武R12代替品でも体感的にはあまり差は感じませんが、旧車にはオリジナルの方が良いというアドバイスに従いました。最近入手不可能と言われることもありますが、多少高いものの結構扱う店やGSも多いようです。
- 充填ガス量は1Kg程になりました。
- 充填後にエアコンを作動させると、コンプレッサーが軽快に回るようになり、久しぶりに冷え過ぎるほどの冷気が噴出すようになりました。
交換の成果に十分納得出来ました。
参考) エアコン部品商社 不二商株式会社(製品案内)
http://www.f-fujisho.co.jp/menu02.htm
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