むかし中国漢の武帝が、五岳の一つ嵩山に登り、天下泰平を祈願すると、皆は天子の長寿を願って、「万歳」と叫んだ。すると、その声が五岳の山々にこだまして「万歳、万歳、万々歳」と聞こえたという。「山呼萬歳聲」はこの故事のことをいう。
つまり、泰然自若とした山は仏そのもの。愚痴なる我が、こだわりを捨て、その眼前の仏と相呼応が適ったとき、「万歳、万歳、万々歳」と、我も山をも歓呼の声をあげるということ。
またそれは、弥陀の他力に気付かされて、「南無阿弥陀仏」と念仏の声が発せられたとき、対峙する山が、弥陀三尊の姿として現れ、松の木々を抜ける風は、弥陀が他多くの菩薩衆と共に、来迎くださる声として聴かせていただけるということ。
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山呼萬歳聲